魔法×科学の反逆者

伊達\\u3000虎浩

第2章 面接

 
 現在レオンは面接中であった。
 仕事とかそういった事ではなく、学校の面接である。


「まずは、入学おめでとう」


「ありがとうございます」


 意外と若く見える理事長からそう言われたレオンは、社交辞令だろうなと考えながら、そう返事を返した。


「しかし…優秀ですね」


「ありがとうございます」


 理事長は何かが書いてあるであろう紙を見ながら、レオンに賛辞を送る。


 涼宮レオン。
 学年始まって以来の天才児と耳にしていたが、改めて資料に目を通すと、そう言わざる得なかった。


「全教科平均95点…驚く事に魔法雑学に科学雑学に関しては両方満点…前代未聞だと聞いています」


 魔法雑学とは、簡単に説明するのであれば、魔法の知識である。


 例えば、空を飛ぶ魔法は?という問いに、飛行魔法と答えるようなものである。


 同様に、科学雑学とは、科学の知識である。
 しかし、魔法雑学とは違い、それなりに難しい事で有名である。


 例えば、雨が降るのはなぜか?という問いに、水の循環によるものだと答えるようなものである。


【水の循環については長くなる為、省略します】


「勉強すれば誰でもとれますよ」


 嫌味に聞こえてしまうかもしれないが、事実は事実である。勉強すれば誰でも点が増えるかと聞かれたら、答えはノーである。


 しかし、どうして点がいいのかと聞かれたら、勉強したからという答え以外(カンニングは禁止されている)ないだろう。


 実際、レオンはかなり勉強をした。
 妹を救う為、睡眠時間を削ってまで勉強をしていた為、頭が良くなるのは当然である。


「そうですね。長話しはこのへんで…本第に入りましょう」


 姿勢を正す理事長を見ながら、今までのは世間話しか何かだったのだろうか?と、レオンは考えていた。


 ーーーーーーーー


 一通りの話しが終わった。
 主に、カリキュラムの説明などだったので、レオンは右から左に流しながら聞いていた。


「さて、首席である君には、ある任務が課せられます」


 高校には、学年ランキング、任務制度と呼ばれるものが存在している。


 学年ランキングとは、文字通りの言葉である。
 任務制度とは、人手不足を解消する制度の事である。


 迷子のペットなどの簡単な依頼が、学校または生徒個人に送られてくる。
 その依頼を、学年ランキングを参考にしながら、先生が振り分ける。


 任務制度をこなす代わりに、出席日数などが免除されるシステムだ。


「はい。分かっています」


 だからこそ、自分は出席になれるように勉強したのだ。


 待っていろ…レイナ。
 不敵なレオンの笑みの意味を、理事長が分かったのかどうか、いや、笑みを浮かべている事に気付いたかどうかすら、わからなかった。

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