魔法×科学の反逆者
プロローグ
魔法を使う者、魔法者と呼ばれる存在。
科学を使う者、科学者と呼ばれる存在。
世界の人口の大半は、この二つの存在が占めている。また、それ以外の者を一般人と呼んでいた。
「おい!」
ある日の事である。
女は、机の上でパソコンをいじっている男に声をかけた。
「何だ?」
正直に言えば答えたくはなかった。
しかし、呼ばれてしまっては返事を返すしかない。「おい」だけだが、この部屋には女と自分との二人しかいない為、呼ばれたのが自分ではないという可能性は低い。
低いと表現したのは、女が抱きしめている枕、いわいる抱き枕に話しかけた可能性が考えられるからであったが、この女がそんな可愛らしい一面を持っているとは想像がつかなかい。
すなわち、今の状況や情報を元に計算すると、自分に話しかけてきたということに…。
「腹が減った」
男が頭の中でそんな事を考えていると、女は用件を伝えてきた。
「だから?」
いや、用件というより自分の近況といった所か。
「オィオィまさか理解が出来ないのか?」
女は男を小馬鹿にしたような態度で、再び話しかけてきた。
「理解は出来ている。貴様がお腹が空いたのだろう?だから何だと聞いているんだ」
若干、いや、かなりイラッとしたが、いつもの事なので我慢する男。
「やれやれ。可愛い女の子が、お腹が空いたと言っているんだぞ?胃袋を掴んでやろうという気にはならないのか?」
「ならん。大体、普通は逆だろう。女性が男性の胃袋を掴んでだな、その、恋愛に発展するというか…」
「掴まれたいのか?」
「誰がそんな話しをしている!大体貴様はいつもいつも…」
ゴニョゴニョと口ごもったかと思えば、急に怒り出す男を見ながら、本当に人間とは面白い生き物だと感心する女。
「おぃレオン!さっきから貴様、貴様と言うが、きちんとジャンヌと呼ばないと失礼ではないか」
「・・す、すまん」
レオンと呼ばれた男は、素直に謝った。
今の言い分は、ジャンヌが正しいと判断したからである。
「お詫びにハンバーガーを買って来い」
「それとこれとは別だ!」
「お前は、誠意という言葉を知らんのか」
「誠意とは気持ちであって、物ではない!いいかジャンヌ、誠意とはだな」
ふふふ。本当に人間は面白い。
両腕を組んで、ブツブツと語り出したレオンを見ながら、ジャンヌは微笑んでいた。
あんな事になると分かっていれば、もう少し優しくしてやれば良かった。
なぁレオン?
もしも答えが分かると言うのであれば、どうか私に教えてくれないか。
いつものように難しい顔で、さ…
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