魔法の世界で新たな人生を~捨てられた人生のやり直し~
第49話 合格
出雲は自分より泣いてくれた美桜に何度目かのありがとうを言うと、二人で出雲のベットに座った。泣き腫らしてしまった目を美桜はティッシュで拭うと、明日出雲のサイズを計ったら制服を注文するねと美桜は言う。
「そうか! 制服があるんだ!」
出雲が忘れてたと言うと、美桜が男女ともにブレザー型だよと教えてくれる。出雲はブレザー型かと喜ぶと、高校生になれるんだと出雲は嬉しかった。
「高校生になれずに死ぬと思ってたから、美桜と一緒に学校に通えるなんて夢みたい!」
出雲のその言葉を聞いた美桜は、夢じゃないよと言いながら出雲のすぐ横に移動をした。美桜はそのまま出雲の眼を見つめる。出雲はその美桜の視線に気がついて、自身も美桜の眼を見つめていると自然と距離が近くなっていく。もう詰める距離がないという距離まで二人がくっついていると、部屋の扉が勢いよく開いた。
「出雲さん! 試験に合格したんですって!?」
扉を勢いよく開けたのは雫であった。雫は出雲を見ながらおめでとうと言うと、出雲から勢いよく離れた美桜を見つけた。
「美桜様が何でここに!? それに急に離れましたか?」
雫が美桜に言うと、美桜は何でもないわと言う。雫はそうですかと言い、ベットに座っている出雲に近づいた。
「試験合格おめでとうございます! 私と美桜様の祈りが届きました!」
雫の言葉を聞いて、出雲はありがとうございますと言いながら雫に頭を下げた。出雲が頭を下げると、雫がそこまでする必要はないですよと言った。しかし出雲はそれでもと言う。
「この世界で二人に会えたから今の俺があります! 高校生にもなれるし、恩しかないです!」
その言葉を聞いた雫は、ならと言葉を発する。
「なら、美桜様を守ってくれればそれだけで十分です。 この世界には危険が沢山あります。 元の世界の方が危険が少なかったかもしれません」
そう言いながら出雲の前に歩いて行く。
「でも、今はこの世界で生きる出雲に美桜様と同じ学校に通いながら支えてください」
支えて欲しい。出雲はその言葉を聞くと、必ずと返答した。美桜は私も支えるからねと出雲に言った。
「ありがとう! そんなこと言ってくれる人いなかったから嬉しい……」
出雲がそう言うと、美桜は出雲の頭を撫でた。撫でられている出雲はほっこりすると言うと、雫は微笑ましい目で二人を見ていた。
「さて、微笑ましい途中で申し訳ないですが私は晩ご飯のお買い物に使用人の人達と行ってきます」
そう言って雫は部屋を出ていった。美桜は私も部屋に戻るわねと言って部屋を出ていった。
「晩御飯まで暇だな。 何をしようかなー」
出雲が悩んでいると、スマートフォンが光っていることに気がついた。出雲は誰からだろうと思い、画面を見るとそこには椿の名前が表示されていた。出雲がその表示をスワイプすると、椿からのメールが映し出された。
「椿からのメールには何が書いてあるんだ?」
出雲が椿のメールの内容を見ると、出雲はやったと喜んだ。その内容とは、椿が試験に合格をしたということであった。出雲はすぐさまメールの内容を打って、自身も合格をしたことを伝える。
すると、すぐに椿から返信があった。椿も喜んでいるようで、二人で学校に通えることが嬉しいと思っているようである。出雲は美桜も一緒に通うことを椿に伝えると、すぐに返信はなかったが美桜さんと会えるの楽しみだよと、絵文字や顔文字も付いていながら威圧感を感じる文面であった。
「なんか椿が怒ってる気がする……なんでだろう?」
出雲は怒っていることを気にしないことにして、学校で会おうねと返信をした。出雲は返信をすると机にスマートフォンを置こうとすると、今度はすぐに椿から返信が届いた。その内容は楽しみと文字と共に顔文字が添えられていた。
「今度は怒ってない? 女の子って難しい……」
出雲は難しいなと悩むと、学校で会えるの楽しみだなと思っていた。それからはの日々は出雲にとって怒涛の日々であった。来週の月曜日から入学なので、制服の採寸や鞄や諸々の用意などに勤しんでいた。
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