魔王様は学校にいきたい!
渾身の一撃
「全て狙い通りだ!」
そう言ってニヤリと笑みを浮かべるアルフレッド、剣を失ったにもかかわらず勝利を確信しているような表情だ。
不穏な気配にアブドゥーラは警戒を強める、しかし時はすでに遅かった。
「ではいきますぞ、第六階梯魔法!」
「バカなっ、第六階梯魔法を連続で発動するだと!?」
アルフレッドの一撃を本命と見せかけ、やはり本命はノイマン学長の魔法だったのである。渦巻く魔力は杖の先端へと収束し、電光を放ちながら天へと駆けあがる。そして──。
「迅雷魔法、ライジングボルト!」
天を裂き、大地を穿つ金色の雷。パラテノ森林を震わせる凄まじい雷鳴。
アブドゥーラは慌てて躱そうとするも、雷の速度は音速を遥かに凌駕する。いかに素早く動こうとも躱せるようなものではない。
「──ぐっ、があああぁっ!?」
アブドゥーラを襲った落雷は、肩口に刺さった剣を通じて体内まで駆け抜ける。これこそアルフレッドとノイマン学長の狙い、突き刺した剣を導体とすることで体内まで致命傷を与えたのである。
「あ……がぁ……」
体の内と外を雷に打たれては、流石のアブドゥーラも無事ではすまない。倒れたままピクリとも動けず、巨体は元の大きさへと戻っていく。
「魔人アブドゥーラ、私達の勝ちだな」
「バカ……な……」
「ではトドメを刺させてもらう!」
アルフレッドは最後の力を振り絞り、倒れたアブドゥーラへと飛びかかる。その時──。
「そこまでよ」
突如として出現した巨大な氷山が、アルフレッドのゆく手を阻んだのである。焦げた大地は氷原へと姿を変え、森は凍てつく冷気に包まれる。
「ふふふっ、残念だったわね」
「貴女は……っ」
「まだ自己紹介をしていなかったわね、私は水の魔人ザナロワ。そこのアブドゥーラと同じく、ガレウス様にお仕えする最上位魔人の一角よ」
「これは厳しいですな、ここへきてもう一人の魔人とは……」
激しい戦いを経てアルフレッドとノイマン学長は疲弊しきっている、一方のザナロワは今まで戦闘に参加しておらず万全の状態なのである。このまま戦いとなれば敗北は火を見るよりも明らかであろう。
「心配しなくても退いてあげるわよ、今日のところはね」
だが幸いにもザナロワに戦闘の意思はないようだ、気を失ったアブドゥーラを担ぐと背を向けて去っていく。
「命拾いしたわね、次は私とも遊びましょうね」
そう言うとザナロワは木々の暗がりへと姿を消してしまう。
どうにか魔人を脅威を退け、アルフレッドとノイマン学長はバッタリとその場に倒れてしまう。
「ふぅ……退いてくれて助かりましたな」
「危ないところでした、戦っていたら間違いなく殺されていましたよ」
「まったく恐るべき強さでしたな」
「とにかく今は体を休めましょう」
ボロボロの二人はしばらく動くことも出来ないだろう、と思いきや二人揃って勢いよく立ちあがる。
「いやダメだ! 休んでいる場合ではない!」
「その通りですな、のんびりしている暇はありませんぞ!」
「「舞台劇が終わってしまう!」」
そして二人はボロボロの体に鞭を打ち、全速力で学園祭へと戻るのだった。
そう言ってニヤリと笑みを浮かべるアルフレッド、剣を失ったにもかかわらず勝利を確信しているような表情だ。
不穏な気配にアブドゥーラは警戒を強める、しかし時はすでに遅かった。
「ではいきますぞ、第六階梯魔法!」
「バカなっ、第六階梯魔法を連続で発動するだと!?」
アルフレッドの一撃を本命と見せかけ、やはり本命はノイマン学長の魔法だったのである。渦巻く魔力は杖の先端へと収束し、電光を放ちながら天へと駆けあがる。そして──。
「迅雷魔法、ライジングボルト!」
天を裂き、大地を穿つ金色の雷。パラテノ森林を震わせる凄まじい雷鳴。
アブドゥーラは慌てて躱そうとするも、雷の速度は音速を遥かに凌駕する。いかに素早く動こうとも躱せるようなものではない。
「──ぐっ、があああぁっ!?」
アブドゥーラを襲った落雷は、肩口に刺さった剣を通じて体内まで駆け抜ける。これこそアルフレッドとノイマン学長の狙い、突き刺した剣を導体とすることで体内まで致命傷を与えたのである。
「あ……がぁ……」
体の内と外を雷に打たれては、流石のアブドゥーラも無事ではすまない。倒れたままピクリとも動けず、巨体は元の大きさへと戻っていく。
「魔人アブドゥーラ、私達の勝ちだな」
「バカ……な……」
「ではトドメを刺させてもらう!」
アルフレッドは最後の力を振り絞り、倒れたアブドゥーラへと飛びかかる。その時──。
「そこまでよ」
突如として出現した巨大な氷山が、アルフレッドのゆく手を阻んだのである。焦げた大地は氷原へと姿を変え、森は凍てつく冷気に包まれる。
「ふふふっ、残念だったわね」
「貴女は……っ」
「まだ自己紹介をしていなかったわね、私は水の魔人ザナロワ。そこのアブドゥーラと同じく、ガレウス様にお仕えする最上位魔人の一角よ」
「これは厳しいですな、ここへきてもう一人の魔人とは……」
激しい戦いを経てアルフレッドとノイマン学長は疲弊しきっている、一方のザナロワは今まで戦闘に参加しておらず万全の状態なのである。このまま戦いとなれば敗北は火を見るよりも明らかであろう。
「心配しなくても退いてあげるわよ、今日のところはね」
だが幸いにもザナロワに戦闘の意思はないようだ、気を失ったアブドゥーラを担ぐと背を向けて去っていく。
「命拾いしたわね、次は私とも遊びましょうね」
そう言うとザナロワは木々の暗がりへと姿を消してしまう。
どうにか魔人を脅威を退け、アルフレッドとノイマン学長はバッタリとその場に倒れてしまう。
「ふぅ……退いてくれて助かりましたな」
「危ないところでした、戦っていたら間違いなく殺されていましたよ」
「まったく恐るべき強さでしたな」
「とにかく今は体を休めましょう」
ボロボロの二人はしばらく動くことも出来ないだろう、と思いきや二人揃って勢いよく立ちあがる。
「いやダメだ! 休んでいる場合ではない!」
「その通りですな、のんびりしている暇はありませんぞ!」
「「舞台劇が終わってしまう!」」
そして二人はボロボロの体に鞭を打ち、全速力で学園祭へと戻るのだった。
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