魔王様は学校にいきたい!
授業は中止、そして──
頬を撫でる柔らかなそよ風、雲一つない澄んだ青空。
ロームルス学園、教室塔二階の大教室に下級クラスの生徒達が集まっていた。課外授業での騒動も一段落し、今日から通常授業の再開である。
「授業なのじゃー! 授業なのじゃー!」
「ウルリカ様、そんなに走ると転んでしまいますよ」
「妾は平気なのじゃ! それより久しぶりの授業なのじゃ、楽しみすぎるのじゃ!」
勢いよく走り回るウルリカ様、久しぶりの授業にワクワクが止まらな様子である。勢いよすぎて机や椅子を吹き飛ばしてしまっているが、興奮したウルリカ様はそんなこと気にもとめない。後を追いかけるオリヴィアは机や椅子を元通りに戻すので大忙しだ。
「先生はまだかのう? 先生はまだかのう? むむっ!」
ウルリカ様はピタリと足を止め教室の入り口へと視線を向ける、と同時に昇降機が作動しガシャリと扉が開かれる。
「みんな揃っているわね、おはよう!」
「ヴィクトリア先生なのじゃ、おはようなのじゃ!」
「おはようウルリカちゃ──げふっ!?」
教室へと入ってきてヴィクトリア女王は、直後にウルリカ様の強烈な抱きつき攻撃をくらってしまう。油断しているところへ飛びかかられてそれなりに痛そうだ。
「うぅ……さあウルリカちゃん、席についてね……」
「はーいなのじゃ!」
ウルリカ様を着席させたヴィクトリア女王は、生徒達に向かって満面の笑みを浮かべながら告げる。
「早速だけどお知らせよ、しばらく通常授業は中止にするわ」
「わーいなのじゃ、通常授業は中止なの……じゃ……?」
反射的に喜んでしまったウルリカ様、しかし言葉の意味を理解した途端カチンと固まってしまう。
「通常授業は……なんじゃ?」
「ふふっ、通常授業は中止にするわ」
「なっ、なんじゃとー!?」
突如として告げられた絶望的なお知らせに、ウルリカ様は思わず飛びあがってしまう。そして大きく足を広げて椅子から引っくり返ってしまう。
「ウルリカさん! スカートの中が見えていますよ!」
「むうっ! スカートなどどうでもいいのじゃ!」
色々と丸見えになってしまっているが、そんなことを気にする余裕はない。ぷんぷんと怒りながらボロボロと涙を流しながら、ごちゃ混ぜの感情でヴィクトリア女王へと詰め寄っていく。
「どういうことじゃ!」
「言った通りよ、通常授業は中止にするのよ」
「どうして中止にするのじゃ!」
「それはね……学園祭の準備をするためよ!」
「そんなものはどうでもいいのじゃ、学園祭……うむ!?」
反射的に叫んでしまったウルリカ様、しかし“学園祭”と聞いてピタリと動きを止める。まん丸に目を見開いて口をパクパク、開いた口が塞がらないとはこのことだろう。
「ロームルス学園のお祭り、学園祭が開かれるのよ! だから通常授業は中止にして学園祭の準備をするの!」
「なっ、なんじゃとー!!」
突如として告げられた嬉しすぎるお知らせに、ウルリカ様は歓喜のあまり飛びあがってしまう。そして大きく足を広げて再び引っくり返ってしまう。
「ちょっとウルリカ! またスカートの中が見えていますわよ!」
「わーいなのじゃ! わーいなのじゃ!」
色々と丸見えになってしまっているが、そんなことを気にしている暇はない。ウルリカ様は喜びを表現するのに大忙しだ。
「学園祭じゃ! 学園祭なのじゃーっ!」
喜びのあまりバタバタと走り回るウルリカ様。ちなみにこの時の余波で教室はメチャクチャに荒らされてしまったという、しかしそれはまた別のお話。
ロームルス学園、教室塔二階の大教室に下級クラスの生徒達が集まっていた。課外授業での騒動も一段落し、今日から通常授業の再開である。
「授業なのじゃー! 授業なのじゃー!」
「ウルリカ様、そんなに走ると転んでしまいますよ」
「妾は平気なのじゃ! それより久しぶりの授業なのじゃ、楽しみすぎるのじゃ!」
勢いよく走り回るウルリカ様、久しぶりの授業にワクワクが止まらな様子である。勢いよすぎて机や椅子を吹き飛ばしてしまっているが、興奮したウルリカ様はそんなこと気にもとめない。後を追いかけるオリヴィアは机や椅子を元通りに戻すので大忙しだ。
「先生はまだかのう? 先生はまだかのう? むむっ!」
ウルリカ様はピタリと足を止め教室の入り口へと視線を向ける、と同時に昇降機が作動しガシャリと扉が開かれる。
「みんな揃っているわね、おはよう!」
「ヴィクトリア先生なのじゃ、おはようなのじゃ!」
「おはようウルリカちゃ──げふっ!?」
教室へと入ってきてヴィクトリア女王は、直後にウルリカ様の強烈な抱きつき攻撃をくらってしまう。油断しているところへ飛びかかられてそれなりに痛そうだ。
「うぅ……さあウルリカちゃん、席についてね……」
「はーいなのじゃ!」
ウルリカ様を着席させたヴィクトリア女王は、生徒達に向かって満面の笑みを浮かべながら告げる。
「早速だけどお知らせよ、しばらく通常授業は中止にするわ」
「わーいなのじゃ、通常授業は中止なの……じゃ……?」
反射的に喜んでしまったウルリカ様、しかし言葉の意味を理解した途端カチンと固まってしまう。
「通常授業は……なんじゃ?」
「ふふっ、通常授業は中止にするわ」
「なっ、なんじゃとー!?」
突如として告げられた絶望的なお知らせに、ウルリカ様は思わず飛びあがってしまう。そして大きく足を広げて椅子から引っくり返ってしまう。
「ウルリカさん! スカートの中が見えていますよ!」
「むうっ! スカートなどどうでもいいのじゃ!」
色々と丸見えになってしまっているが、そんなことを気にする余裕はない。ぷんぷんと怒りながらボロボロと涙を流しながら、ごちゃ混ぜの感情でヴィクトリア女王へと詰め寄っていく。
「どういうことじゃ!」
「言った通りよ、通常授業は中止にするのよ」
「どうして中止にするのじゃ!」
「それはね……学園祭の準備をするためよ!」
「そんなものはどうでもいいのじゃ、学園祭……うむ!?」
反射的に叫んでしまったウルリカ様、しかし“学園祭”と聞いてピタリと動きを止める。まん丸に目を見開いて口をパクパク、開いた口が塞がらないとはこのことだろう。
「ロームルス学園のお祭り、学園祭が開かれるのよ! だから通常授業は中止にして学園祭の準備をするの!」
「なっ、なんじゃとー!!」
突如として告げられた嬉しすぎるお知らせに、ウルリカ様は歓喜のあまり飛びあがってしまう。そして大きく足を広げて再び引っくり返ってしまう。
「ちょっとウルリカ! またスカートの中が見えていますわよ!」
「わーいなのじゃ! わーいなのじゃ!」
色々と丸見えになってしまっているが、そんなことを気にしている暇はない。ウルリカ様は喜びを表現するのに大忙しだ。
「学園祭じゃ! 学園祭なのじゃーっ!」
喜びのあまりバタバタと走り回るウルリカ様。ちなみにこの時の余波で教室はメチャクチャに荒らされてしまったという、しかしそれはまた別のお話。
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