悲観~短編集~

ノベルバユーザー287515

繰り返し

チャイムの音が鳴る
「はい、今日はここまで、ここテストに出るからやっておくように」
先生が出ていった瞬間に教室内が騒がしくなる
今は昼の12時、この時間をどれだけまちわびたことか
昼休み、教室でお弁当を食べる人もいれば外に昼飯を買いに行く奴もいる。
もちろん俺は弁当派だ、昨日の夜飯を弁当に詰めることにより節約になるんだからこっちの方が断然いいに決まっている。
「晶、一緒に弁当食おうぜ」
友達の蜂起が隣に座り
「なあ今日雨降るらしいぜ…俺傘持ってきてねぇよ…」
いつも通り雑談をしながら一緒に飯を食う。
「こんなに晴れてるのにか?どうせまた誤報やろ、気にすんな」
そう言いながら窓の外を見てみると、
「ちょっと!もうご飯食べてるの?私が来るまで待っててよ!」
と、ドアの方から叫ぶ声が聞こえた
「だってお前遅いじゃん。弁当選ぶのに何分かかってるんだよ」
「蜂起が早すぎるの!晶もなんで私を待たないのよ!」
「そんなに一緒のタイミングで飯食い始めたいなら弁当作ってこればいいじゃん。」
「ああダメだぜ、玲奈、料理死ぬほど下手なんだから」
「結構気にしてるんだからいうなぁぁぁ!」
いつも通りの日々、いつも通りの会話、ああ、やっぱり普通って素晴らs




チャイムの音が鳴る
「はい、今日はここまで、ここテストに出るからやっておくように」
先生が出ていった瞬間に教室内が騒がしくなる
昼休み、教室でお弁当を食べる人もいれば外に昼飯を買いに行く奴もいる。
もちろん俺は弁当派だ、昨日の夜飯を弁当に詰めることにより節約になるんだからこっちの方が断然いいに決まっている。
「晶、一緒に弁当食おうぜ」
友達の蜂起が隣に座り
「なあ今日雨降るらしいぜ…俺傘持ってきてねぇよ…」
いつも通り雑談をしながら一緒に飯を食う。
「こんなに晴れてるのに…あれ?」
なんだこれ、こんな会話前にもしたような…
「ちょっと!もうご飯食べてるの?私が来るまで待っててよ!」
と、ドアの方から叫ぶ声が聞こえた
「だってお前遅いじゃん。弁当選ぶのに何分かかってるんだよ」
全部聞き覚えがある。
「蜂起が早すぎるの!晶もなんで私を待たないのよ!」
なんだこれ
「晶…どうしたんだ…?」
「ああっ…いや…前にも同じ会話をしたような気がするんだ。」
「なにそれwアニメの見すぎじゃないの?」
「まあデジャブって奴だろ、てか玲奈、お前料理上手いんだから作ってこればいいじゃんか」
あれ…?
「玲奈って料理下手じゃなかったっけ」
「お前何言ってんだ?玲奈はめっちゃ料理上手いだろ。お前の誕生日のケーキ作ってくれたのも玲奈だったんだから」
「そうだよー?まあスイーツ以外は作れないから今だにコンビニ弁当に頼ってるんだけどね…」
あれ…?そうだっけ…
いや、そうかそうだよな、俺は何を勘違いしてたんだ。
「ああっ…すまん、勘違いしてたみたいだ」
「おいおいしっかりしてくれよwじゃ!早く食べるか!いただk




「はい、今日はここまで、ここテストに出るからやっておくように」
先生が出ていった瞬間に教室内が騒がしくなる
今は昼の12時、この時間をどれだけまちわびたことか
昼休み、教室でお弁当を食べる人もいれば外に昼飯を買いに行く奴もいる。
もちろん俺は弁当派だ、昨日の夜飯を弁当に詰めることにより節約になるんだからこっちの方が断然いいに決まっている。
「あーきら!一緒にお弁当食べよ?」
と、ドアの方から可愛い声が聞こえてくる。
「ああ玲奈、分かったよ、ところで蜂起はいないのか?いつもならこれくらいの時間に来てるだろ?」
「蜂起?そんな名前の子いたっけ?」
え?
「ちょ、ちょっと待てよ。いつも一緒に弁当食ってただろ?いつもお前を料理が下手だってからかって、だべりながら一緒に飯を食べてたじゃないか」
「え?私達いつも2人でご飯食べてたじゃん。そもそも私は子供の頃から家事全般を習ってたんだよ!料理が下手なんて言わせないよ!」
どうしてだ…?あいつはいつも…
あれ…?あいつは…どんな性格だっけ…
あいつはどんな顔だったっけ…
「大丈夫?ちょっと体調悪いんじゃない…?」
「あ…ああ…すまん…俺はどうにかしてたみたいだ」
「保健室行った方がいいんじゃないのかな…?私…晶のことが心配だよ…」
「ああ…ちょっと行ってくるよ…ちょっと横になってくる」
そうだ、これが普通だ、これが普通なんだ。
ドアを開け、保健室に向かう。
今は何時くらいだったっけか。
スマホの時間を見ると今ちょうど12時5分になったばかりだった




チャイムの音が鳴る
なんなんだこれは
「はい、今日はここまで、ここテストに出るからやっておくように」
なんだこれ
「晶、一緒に弁当食おうぜ」
いくらなんでもおかしすぎる
「おい…?晶…?どうした?」
「なあ…聞きたいんだが…玲奈は今どこにいる?」
そう蜂起に聞く
「…何言ってんだよ…玲奈なら…もう…」
蜂起が泣いている。
「死んだだろ…先週に…」
「…!なんなんだよ!なんなんだこれは!どうしてこうなってるんだよ!蜂起の存在が消えたり!玲奈が死んだり!こんなのおかしいだろうが!」
まだ12時、あと4分たったら俺はこれを当たり前として認識してしまうだろう。だから俺はこの4分間でこの世界を作り変えてる神様に叫ぶ。
「どうしてこんなことになってるんだよ!元の平和な時間を返してくれよ!どうしてこの時間を繰り返してるんだよ!」
「アワレナ」
すぐ側から声が聞こえる。こっちの方向は…
「蜂起…?」
「アワレナリアキラヨ、コノジカンヘンカニキヅイテシマッタ、アワレダ、アマリニアワレダ」
「ならどうして!どうして玲奈はいないんだよ!どうして玲奈が死んでしまってるんだよ!」
「アノメスガイルセカイセンノオマエハスベテハメツニムカッタ、アノオンナハオマエヲカナラズハメツサセル」
「なんでだよ…俺が経験したのはたった3種類だろ…なんで3つしか選択肢がないんだよ…」
「…チガウ」
「え…?」
蜂起の方向を向くと蜂起が居た所には黒い塊のようなものがあった。
「オマエハモウ45京ノセカイセンヲイドウシテイル。スベテノ玲奈ガイルセカイセンヲマワッタ。だガオマエはその全ての世界線で破滅を繰り返した」
黒い塊から手のようなものが無数に生えてくる。
「私はお前の願いを叶えられなかった。私は引き受けたのにお前の願いを叶えられなかったのだ」
「…願い?」
「…せめてものお詫びとしてお前の願いをひとつ、無償で叶えよう。申し訳なかった」
願い?そんなものは決まっている。
「俺を元の時間軸にもどしやがれ、もうこんな繰り返しに巻き込まれるのはごめんだ」
「…それがお前の願いならば」
周りに光のようなものが現れる。
やっとだ、俺はいつもの生活に戻れるんだ。
「人間は運命から逃れられないんだな」
元の時間軸に戻る瞬間、悪魔はそんな言葉を吐き捨てた。




俺は元の時間軸に戻ってきた。
その瞬間、絶望した。
「は…ははっ…そうか…そりゃそうだ…」
今思ったらあの悪魔と普通に話せていたあの時、最後の救いの時間軸で、俺は気付くべきだったんだ。
「俺は…最後のチャンスを…無駄にしてしまった…」
「ここが最初の時間軸…こんなんだったら…悪魔にも頼りたくなるよな…は…はは…」
俺は、戦争のせいで肉の塊になった玲奈と蜂起を見ながら、ポケットからナイフを取りだし、自分の首を切った。

コメント

コメントを書く

「ホラー」の人気作品

書籍化作品