音を知らない鈴

布袋アオイ

#61 捨て、捨てられ、愛されない

死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい


 駆け巡る

もう無理もう無理もう無理もう無理もう無理もう無理もう無理もう無理もう無理もう無理もう無理もう無理もう無理もう無理もう無理もう無理もう無理もう無理もう無理もう無理

 あらゆる感情が

殺してくれ殺してくれ殺してくれ殺してくれ殺してくれ殺してくれ殺してくれ殺してくれ殺してくれ殺してくれ殺してくれ殺してくれ殺してくれ殺してくれ殺してくれ殺してくれ殺してくれ殺してくれ殺してくれ殺してくれ殺してくれ殺してくれ殺してくれ殺してくれ殺してくれ殺してくれ殺してくれ殺してくれ

 迸る

消えたい消えたい消えたい消えたい消えたい消えたい消えたい消えたい消えたい消えたい消えたい消えたい消えたい消えたい消えたい消えたい消えたい消えたい消えたい消えたい消えたい消えたい消えたい消えたい消えたい消えたい消えたい消えたい消えたい消えたい消えたい消えたい消えたい消えたい消えたい消えたい消えたい消えたい消えたい消えたい

 体中を。

 何も見えない。明るさも分からない。

 深い海の底へ沈んでいくように、重く、苦しい。

 私は一人だった。

 きっと時代を間違えて生まれてしまったのだろう。

 ここで消えたとしても穏やかな日常はすぐ皆の元へ行く。

 正常な機能をした日が、私の死と入れ替えに届けられる。

 だから私はこのまま大人しく…



 死んでいこう…。





 …………………



 『どうして…あなたはいつもそうなの…』

 「…………」

 『どうして……どうして…いつも私を殺すのっ………』

 「…………」

 『わたし………何もしてない………』

 「…………」
 
 『また何も出来ずに…死ぬのよっ……』

 「……ごめん」

 『許さないっ!!!』

 「…………」

 『起きてっ!!今すぐわたしを起こして!!』

 「…また、やり直そ」

 『いや!!!!!また同じ事を繰り返して意味なく死ぬなんてもう嫌なの!!!』

 「またって……」

 『これで何度目よ!!!あなたはわたしを何度殺せば気がすむのよ!!!!?』

 「ここは…わたしがいない方がいいんだよ」

 『……!?!?!?』

 「わたし…疲れた。誰も分かってくれない苦労を…ずっと……ずーっと……ひとりで…どんな時もひとりで………」

 『…………………』

 「……そんなに生きたいんなら………助けてよ!!!!!!」

 『ゥッ!?』

 「私ずっと我慢してきた!!!人に見られないように!悟られないように必死で押し殺してきた!!!!なんでその時助けてくれなかったのよ!?!!!!なんであなたが消える時は助けてって言うのに私の時はなにも声を掛けてくれなかったの!!!!!?あなたは死んではだめで私は死んでもいいの!!!!?」

 『…………』

 「苦しい………一人でいることが…一人の…私だけの事情と世界を抱えるのは苦しいのよ!!!」

 『……あなたが私を捨てたんでしょ』

 「ッ!?」

 『あなたがここに私を閉じ込めたんでしょうが!!!!』

 「私が…!!?」

 『そうよ!!!覚えてないの!?小さい時、あなたがわたしをこの神社の格子の中に閉じ込めて、封印しといて今更助けてくれなかったですって!?!?こっちのセリフよ!!!どうしてっ……どうしてわたしを捨てたの!!!!ここに残されるわたしはどう生きていけばいいのよ!?体の無いわたしはずっとここで何も出来ず全てを見過ごす罪人にしようっていうの!?信じられない!!!』

 「そんなことまで……」

 『そんなことまで考えれずゴミを捨てるのとおんなじ感覚でこのわたしを捨てたっていうのね!!!』

 「そんな……」

 『今死んでみろ』

 「ゴクリ」

 『本気で殺すからな』

 「………」

 『ねぇ………頼むからっ…わたしを…』










 『愛してくれ』










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