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音を知らない鈴

布袋アオイ

#17 図星でしょ

 「な、何ですか?」

 「ごめんなさい!腕を掴んだりして!痛くなかった?」

 (え?咄嗟にやられて痛さなんて感じなかったが…)

 しかし改めて聞かれると、確かに思いっきり掴まれた…

 はずなのに全然痛くなかった。

 「あれ?はい、痛くないです…」

 「本当?正直に言ってね!ごめんね!」

 その人は私の腕を持って、怪我をしてないか確かめた。

 「あ、あの本当に痛くないんです!不思議だけど…」

 (しまった!ボソッ失礼な事を言ってしまった)

 「不思議…?ハハハッ」

 (あら、素敵な笑顔…)

 「やっぱりそうだよね?あれだけ思いっきり掴まれたらアザでも出来そうじゃなかった?」

 (ん?今どういう感情?)

 この人はもしかしたら……不思議ちゃんなのではないか?

 いや、間違いないだろう…

 笑ってるもん……

 「でも良かった!気を遣いそうな感じがしたから、嘘でも我慢して痛くないって言ってるのかと思ったから」

 「は…はあ…。」

 「あなた結構頑張り屋さんでしょう?」

 「いや、諦めるのが大の得意です…」

 「そうかなー?」

 (んーー、もう何??帰りたいんですが)

 「ここに来たのはどうして?」

 (……!?)

 表情はさっきと同じ優しい顔でこちらを見ているが、言葉には鋭いモノを感じた。

 「何で、そんな事聞くんですか…」

 「ごめんね、答えたくなかったら良いんだけど…」

 サァと風が昼間で暖かくなった周りの空気をかき混ぜた。

 暖かさと冷たさが混ざり合って、さっきとは違う空気になった。

 「あなた、死のうとしてるでしょ」

 「……っ!?」

 初めて会った人に優しく囁かれた。

 そんな事を思って来た訳ではないが、何故か心臓が大きく脈をうった。

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