言いたいことが言えない
太宰治
ミステリーやサスペンス、ラブコメ。
どんなジャンルももちろん魅力はあるのだが。
今回は、純文学。
『太宰治』
彼について思うこと
彼の作品には、
自殺
酒
女
この3つ、この3点は必ずと言って
良いほどどの作品の中でも目にする。
これは、人間の好意が接触頻度に関係すると
いう心理学的な知識をわざと使ったのか、
それとも彼の天然なのかはわからない。
文字、文体が美しく、柔らかいが、ときたまふざける。
『富獄百景』の、カメラのシャッターを切るように頼まれ、
頼んできたお嬢さん方をそっちのけ、富士山にフォーカス。
『駈込み訴え』では、裏切り者ユダの、正直で移り気で
愛らしい内情とその心情の移り変わりの描写の卓越さ。
「どこかの野原で野垂れ死していたに違いない。」の文章は
どこかの、のはらで、のたれじに
ののの
No No No
と言って私にはユダが、イヤイヤと
首を横に振って、
「ノー」と言っている姿に見えて、クスッと笑ってしまった。
『桜桃』ではどうも太宰の内面や気質が伺えて
真面目な道化者は悲観的だ。
でも否かどうか。
人のことなど
わからないのだが、
素直な人に弱いのだろう。
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