女の子を助けたら いつの間にかハーレムが出来上がっていたんだが ~2nd season~
241話 平穏で、穏やかな日々は・・・
物産展を後にした僕たちは、近くのカフェで談笑した。最近のこと、面白かったこと、そして・・・記憶のこと。
本人は今すぐ思い出さなくてもって思ってるけど、僕は出来れば思い出して欲しいなぁって思う。
仲良くなった時のこと、一緒に遊んだこと、そして・・・好きだって言ったこと、言ってくれたこと。アフィアちゃんには、どうしても思い出して欲しいんだ。・・・忘れたままなんて、僕は嫌だよ。
・・・あ、そうだ。一応、聞いておこうかな。
日向「アフィアちゃん、どう?なんか思い出せそう?」
アフィア「うーん・・・それがさっぱりなのよ。何かきっかけとかあるのかしらねぇ。調べてみようかしら・・・。」
日向「そっか・・・ゆっくりでも、少しづつでもいいから、思い出してくれると嬉しいな。」
アフィア「え?えぇ、分かったわ。・・・なんか、今日はいつもよりハッキリしてるわね。」
日向「え・・・そうかな。いつもと変わらないと思うけど。」
アフィア「結構違うわよ?いつもの日向と比較して見せてあげたいくらいにはね。」
日向「そんなに違うの!?うっそぉ。」
女の子って、こういうとこ鋭いよね。あんまりしつこいと嫌われちゃうかもだし、抑えなくっちゃ。
そんな感じに、僕は達は1時間近くカフェで過ごし、店を出たのだった。
そろそろ5時になりそうな時間帯。アフィアちゃんと僕は、駅周辺を散歩していた。自動車が行き交う中、僕達はゆっくりと歩く。
・・・な、なんかいい雰囲気じゃない?手とか繋いでも・・・いや、まだ早いか。
そんなことを考えていると、アフィアちゃんがふと立ち止まった。
アフィア「日向見てみてあれ!可愛くない!?」
日向「え?・・・あ、ほんとだ可愛い!」
アフィアちゃんが指さす先には、ポストに佇む猫ちゃんが。まるでひとつのオブジェのように、じっとしている。
アフィア「写真撮ろーっと・・・あ!」
アフィアちゃんはポケットからスマホを取り出す。すると、ポケットから何かが道路へ落ちてしまった。
よっぽど大事なものだったんだろうね。アフィアちゃんはそれを取りに道路へ。拾ったのはいいけど、タイミングがまずかった。・・・トラックが迫っていた。
そのあとは、考えるより体が先に動いていた。さっきまで戸惑っていた手をぎゅっと握り、歩道側へ引っ張る。アフィアちゃんを助けることには成功した。
日向「アフィアちゃ─」
だけど、考えずに動いたせいで勢いが良すぎた。引っ張った時に、歩道と車道との境界にある路側帯のブロックにかかとが当たり、つまづいてしまったのだ。
日向「おわぁっ!?」
響き渡る、トラックの急ブレーキ音。でも、60キロも出ている車が、急に止まれるだろうか。・・・考える必要すらないだろうね。
そのまま、僕は─
アフィア「日向ぁぁっ!!」
アフィアちゃんの呼び掛けも虚しく響き、僕の意識はそれに比例するかのように、虚しく遠のいていった。
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