女の子を助けたら いつの間にかハーレムが出来上がっていたんだが ~2nd season~
240話 気にすることのベクトル(懐)
ゲームセンターを出て少し歩いたところで、物産展の外国フェアが行われていた。
中に入ると、人、人、人の大盛況ぶり。人気なんだねぇ、こういうのって。
僕とアフィアちゃんは、ガーナの物産を購入した。向こうでよく食べていたお菓子とかがあって、思わずニヤッとしちゃったよ。所謂、衝動買いですね。
日向「なっつかしいなぁ、これ。好きでよく食べてたんだよね~」
アフィア「へぇ、そうだったの。私は・・・こっち派だったな。」
日向「あ、それも美味しいよね!叶恵なんかはそっち買ってたっけなぁ。」
昔を懐かしむようにそう言う。アフィアちゃんが昔好きだったものを知れた、そんな嬉しさも加味されていたかもしれないね。
アフィア「・・・そう」
だけど、帰ってきた返事は素っ気ないものだった。
日向「アフィアちゃん?なんか元気ないけど・・・どうしたの?」
アフィア「いえ・・・別に」
口ではそう言ってるけど、明らかに様子がおかしい。まさか、強がり言ってただけで、実はアフィアちゃんもゲームで結構疲れてたりして・・・。
いや、それはないか。昔からゲームを長時間やってたらしいし・・・。
そこまで思って、ハッとした。昔という単語、それがアフィアちゃんにとって、懐かしさ以外のものも連想させるという事を。
変わらないから忘れそうだけど、アフィアちゃんには、小学校時代の記憶がない。それなのに僕は、昔を懐かしむように・・・。
日向「あ、アフィアちゃん・・・その、ごめん」
アフィア「へ?」
日向「僕が軽率だった。アフィアちゃんだって、気にしてるはずなのに・・・。」
アフィア「え?えぇ・・・まぁ、あんまり聞き心地の良いことではなかったわね。」
日向「本当にごめん、ごめんなさい。もっと、発言には気をつけるね。」
アフィア「・・・まぁ、そうしてもらった方がありがたいかな。」
やっぱり、アフィアちゃんにとってもあまり言われたくないことのようだった。・・・もっと、気をつけなきゃ。
アフィア「日向は今、私とデートしてるんだから。妹とはいえ、ほかの女の子の名前を出すのは、あんまり感心できないわよ?」
日向「うん、分かってる。気をつけ・・・え?」
アフィア「ん?」
・・・うん?なんか違くない?
日向「え、あれ・・・昔の事をあんまり言われたくないって話じゃなかったっけ?」
アフィア「何それ?デート中にほかの女の子の名前出さないで欲しいなぁって思っただけよ?」
日向「え、えぇ・・・?」
アフィア「そりゃ思い出せたらいいけどさ、そこまで気負うものじゃないし・・・今だって充分楽しいから、今すぐ思い出す必要もないかなって思ってるし。」
日向「・・・そ、そっか。気をつけるね、うん。」
アフィア「そうしてちょうだい。常識的にアウトよ?」
日向「あ、あはは・・・うん、分かったよ。」
ちょっとばかしシリアスになったと思ってたんだけど・・・結局、こうなりましたとさ。
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