177話 小さなことから勘違い(勢)

---

無事に約束できたあとのこと。僕は素早く由良達の元へ向かった。そのあとすぐ再会したんだけど･･･。

日向「由良、やったよ！OKだって！」

由良「ほんと？良かった～！」

江美「う～ん･･･なんか複雑なのよねぇ。喜ばしいことなんだけど･･･ライバルだものねぇ。」

叶恵「確かに。まぁ、その辺に限っては今のところ大丈夫でしょ。今の日向に、あんま興味ねぇみたいだし。」

日向「う･･･」

叶恵の言葉に、ちょっとチクッとする。その通りだけどさぁ･･･。

奈々「叶恵姉、にーをいじめちゃダメなの！」 

叶恵「いじめてねぇさ。なー日向？」ｸﾞｲｸﾞｲ

日向「ちょ、やめてやめて･･･」

叶恵に後ろから掴まれ、じたばたともがく。その度に、シャンプーのいい香りがした。

こいつ、性格も相まって、たまに自分が女子だってこと忘れてる節があるんだよなぁ･･･。お兄ちゃんとしてはちっと心配。

由良「ぐぬぬ･･･叶恵のやつ、羨ましい･･･」

江美「勢いとはいえ、後ろから抱きつくなんてね･･･やるじゃないの。」

なんかこっちの2人は2人でおかしいし。なんなの、これ。･･･というか嫌な予感が。

江美「･･･負けてられないわ。えいっ♪」
ｷﾞｭｯ

日向「え、江美っ！？やめてよぉ！」

由良「こら江美！･･･私も混ぜろぉ！」ｶﾞﾊﾞ

日向「由良までっ！？はーなーしーてー！」

予想的中、2人も抱きついてきやがった。離してよもう！

ふと、奈々の方を見ると･･･

奈々「･･･」ﾆｺﾆｺ

日向「あの･･･奈々さん？」ﾀﾗｰ

奈々「･･･にー」ﾆｺﾆｺ

嫌な予感しかしませんね。

奈々「奈々も、混ぜて欲しいの♪」ﾀｯ

日向「やめてぇぇぇ！」

結局全員から抱きつかれた。どうしてこうなるんでしょうね。

叶恵「あたしが最初に抱きついたんだよ。離れな3人とも。日向だって嫌がってるし。」

日向「いや、なんで叶恵はそこに含まれてないんすかね。」

由良「離れるもんですか！こっちにもね、譲れないもんがあるんですー！」

江美「独り占めはさせないわよぉ？」

奈々「姉さん達ばかりずるいの！私にも譲るべきなの！」

叶恵「あいにくと、日向は私がいいみたいだよ？」

日向「人の話を聞いて」

こんなところ、誰かに見られたらたまったもんじゃない。あることないこと噂されるに決まってる。屋上だから良かったものを･･･。

そこまで考えて、ハッとした。今のって、世間一般で言うところの･･･

中守「あなた達、こっちまで声響いて･･･」ｶﾞﾁｬ

全員「あっ」

中守「え、あっ･･･」

やっぱり、フラグですよね。知ってましたよえぇ。

中守「･･･お邪魔しました」

日向「先生待って！！誤解なんですぅぅぅ！」

このせいで、1週間近く中守先生から「私はわかってるから」みたいな目で見られた。なんでこうなるんですかね。

---