レーヴハーモニー輝く星の希望
第83話 続部屋風呂
愛理に撫でられたエレナは、気持ちいいと言いながら愛理に尚も撫でてと言う。愛理はその言葉を聞いて、撫で続けるとエレナが撫で過ぎと言って愛理の腕を振りほどいた。
「撫でる力が強いよ! 痛い!」
エレナが痛いと言うと、愛理はごめんねと言って撫でるのをやめた。そして、二人で夜空を眺めていると奏がまだ入ってるのと言いながら愛理たちの側に来た。
「この露天風呂から眺める夜空が綺麗でね。 いつまでも入っていられるわ」
愛理がそう言うと、奏も一緒に入ると言って服を脱いで愛理とエレナが入っている湯船に入る。いくら広さがある長方形の形の露天風呂とはいえ、流石に三人で入るには小さいようである。
「流石に狭いよ! くっつかないで!」
愛理にくっつくように湯船に浸かる奏とエレナは、スペースがあるにも関わらず愛理の左右にぴったりとくっついて温泉に浸かっていた。
「温泉熱いのにさらに熱くなる!」
愛理は片方ずつの手で奏とエレナを押すも、奏とエレナはそれに対して身体で対抗してきていた。
「そんな力じゃ私たちは押せないね! もっと力を入れないと!」
奏がそう言うと、愛理は力を込めて押すがそれさえも二人には通用しなかった。奏は愛理に諦めて三人でくっついて入ろうと言う。
「わかったわよ……三人でゆっくり入りましょう……」
愛理は溜息をついて、空を見上げた。先ほどよりも暗くなったのでより星空が綺麗に見えていた。愛理は綺麗と呟くと、奏がお姉ちゃんは昔からたまに夜空を見るよねと言う。エレナはそれに対して夜空綺麗だもんねと言い、愛理と共にエレナは夜空を見続ける。愛理を見ていた奏は、ふいに愛理が目を閉じて寝息をたて始めたのを見てしまった。奏はクスっと小さく笑うと、エレナに愛理が寝ていることを伝えた。
「愛理寝てるの!? 夜空を見ながら寝てる!」
エレナが愛理の頬を突きながら笑っていた。奏はエレナに程々にねと言って夜空を見続けていた。エレナは愛理の顔を見ていると寝ている愛理を起こしちゃダメだと思い、温泉を堪能し続けることにした。
奏はお姉ちゃん疲れてるのかなと呟くと、愛理をそっとしておいてエレナ同様に温泉を堪能することにした。奏とエレナは二人で愛理の側から移動すると、二人で温泉から上半身を出して外の景色を見ていた。
「外からは海が見えるし、町の夜景も見えるし旅行って最高ね!」
奏がエレナに最高ねと言うと、エレナは旅行大好きと返答した。エレナの方を奏が向くと、その濡れた身体と湿った髪を見て綺麗だなと感じていた。
「エレナって凄い綺麗だよね! 髪も艶があるし、スタイルも良い!」
奏はエレナの身体をまじまじと見ながら言うと、エレナが両手で自身の身体を隠して見過ぎと照れながら言った。
「ご、ごめん! エレナの身体が綺麗だったからつい見過ぎちゃった!」
奏が謝るとエレナはいいけど見過ぎはダメと言って温泉に首筋まで入った。奏も首まで入って暖かいねと言って数分堪能すると、愛理を起こして出ようと決めた。エレナが愛理の左肩を掴んで揺らすと、愛理は鼻を鳴らして起きた。愛理は何が起きたのかわからないといった顔をしており、何があったのと起こしたエレナに話しかけた。
「奏があがろうって言ってて、もう露天風呂から出よう!」
露天風呂から出ようと聞いた愛理は、堪能した堪能したと言って部屋に戻った。露天風呂に出る場所にある窓の側に身体を拭くスペースがあるので、愛理とエレナはお互いに身体と髪を拭いていた。
「堪能した! 温泉は最高!」
愛理は身体を拭き終わると、寝間着に着替えてベットに座った。愛理は旅行楽しいと言いながらベットに寝っ転がると、スマートフォンに葵からメールが届いていた。
「あ、葵からメールが来てる! どんな内容なんだろう」
愛理は葵からのメールを開くと、そこには愛理がゆっくり休んでいるかの確認や、学校の状況などが書かれていた。学校は未だに壊れている部分や、校庭が戦闘によって抉れている状況などが書かれていた。
それに、戦闘の恐怖が消えずに学校を休んでいる生徒や教師がいることも書かれていた。愛理はそのメールを見て学校の悲惨さを想像していた。自身がしてしまったこともあるが、怪物の脅威によって壊れたものを被害も大きいことを実感した。
「葵も来ればよかったのになぁ」
この旅行に葵がいないことが急に寂しくなったが、また来週になれば葵と会えるので、今は我慢することにした。そして、愛理はこれまでに撮影した旅行の写真を添付してメールを送信した。すると数分もしないうちに、葵から返信が届いた。
「返信早くない!? えっと……旅行の景色や温泉に部屋が凄くて羨ましいってことと、今は身体を癒してって書いてある……ありがとう葵!」
愛理は葵のメール内容が嬉しくて涙目になっていた。
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