レーヴハーモニー輝く星の希望

天羽睦月

第77話 癒し


愛理が連れて行かれた場所は、エレベーター前に広がる踊り場であった。そこでは自動販売機やテレビの他に多数の雑誌が設置してあり、温泉の入り口以外にも奥の方にある窓側には景色が見える位置に多数の背もたれがある椅子も設置してあった。

奏はそのうちの一つの椅子に浴衣で寝っ転がって瓶に入っているコーヒー牛乳を飲んでいた。また、スマートフォンも見ていてのんびりと寛いでいるようであった。

「すごい寛いでいるわね。 奏ものんびり出来ているようでよかったわ」

愛理が近寄りながら話しかけると、お姉ちゃんやっと来たのねと手持ち袋から瓶に入っているコーヒー牛乳を一瓶渡す。

「ありがとう! やっぱり温泉にきたらコーヒー牛乳よね!」

愛理は奏からもらったコーヒー牛乳の蓋を取ると、一気に飲み干した。

「一気に飲んだら頭が……て、言わんこっちゃない……」

奏が注意をするよりの前に、愛理は頭がキーンとと言って額を抱えていた。エレナはそんな愛理を見て、頭どうしたのと心配そうにしていた。

「一気に飲んだから、頭が痛くなっちゃってね……」

愛理がそう言うと、エレナが右の掌で愛理の額に手を添えた。

「楓ママが言ってたけど、こうして痛いの痛いの飛んでけ! こう言うと痛いのが飛んでいくんだって!」

愛理のその言葉を聞いた愛理は、ママがそんなことを教えてたなんてと言いながら愛理は自動販売機に行ってエレナの分のコーヒー牛乳を購入して渡した。エレナにコーヒー牛乳を手渡すと、飲んでみなよと愛理が言う。

「その上に付いてる蓋を外してから飲むんだよ」

愛理が説明をすると、エレナはそれに従ってコーヒー牛乳を飲んでいく。すると、エレナはこんなに美味しいんだと目を見開いて一気に飲み干した。

「美味しい! もっと飲みたい!」

エレナがおかわりと言うと、飲みすぎはダメよと愛理が注意をした。奏はそんな二人を尻目に、ファッション雑誌を読んでいた。

「あ、この洋服いいなー。 こっちのスカート可愛い」

奏は既に自分の世界に入ってしまっているようであるが、愛理がとりあえず部屋に戻りましょうと言って奏に話しかけて三人で部屋に戻っていった。

「温泉っていいものねー。 またすぐ入ろうかしら」

愛理がそう独り言を言っていると、エレナが独り言を言うと禿げちゃうらしいよと言う。

「は、禿って!? 禿げないわよ!」

愛理が取り乱しながら自身の艶のある髪の毛を触っていると、奏がお姉ちゃんはストレスで禿げそうだと小悪魔的な笑顔で言ってきた。

「奏はいつから小悪魔になったのよ! 芸能人怖いわ!」

愛理が奏に怖いわと言いながら、エレナが奏に小悪魔小悪魔と連呼していた。奏はエレナに言いすぎよと言ってエレナの両頬を引っ張って怒っていると、いつの間にか部屋に到着していた。部屋に戻るとそこには楓が置かれていたお菓子を食べながらテレビを見て寛いでいた。

楓は三人を見ると、お帰りと言って笑ってテレビを見続けている。愛理はただいまーと言って奏とエレナに指定位置にものを置くのよと言って愛理はベットに寝っ転がった。愛理たちが泊まる部屋にはベットがあり、敷布団はない。愛理はベットだーと言ってベットに飛び乗って寝っ転がると、ふかふかすぎると感想を言っていた。

「お姉ちゃんだらしなさ過ぎ! もっとお淑やかにしなよー」

奏はベットに寝っ転がっている愛理に言うと、エレナに側にいるんだよと話しかけていた。エレナははーいと言って奏と共に雑誌を読んだり、楓にくっついてテレビを見ていた。

「温泉入ると気持ちいけど疲れが……」

愛理は欠伸をしながらスマートフォンを操作していると、ガクッと頭部を枕に乗せて寝てしまった。そんな寝てしまった愛理を見ていたエレナが、愛理の側に近寄って頬を優しく引っ張たりしていた。

「愛理の頬って凄い柔らかい!」

エレナが愛理の頬で楽しんでいると、奏がちょっかいかけちゃダメだよとエレナを引き離した。エレナはごめんなさいと言うと、部屋に備え付けてある小さな冷蔵庫から一本の水が入っているペットボトルを手に取った。

「孔雀温泉の温泉が飲めるペットボトルって書いてある!」

エレナは元気な声で温泉が飲めるんだよと楓と奏に言っていた。楓は凄いわねと言い、奏と共に飲んでみなさいよと言った。

「温泉が飲めるなんて凄い! 先に飲むね!」

エレナがキャップを開けて飲むと、いつも飲む水と違うと喜んでいた。奏はそんなに違うのと小首を傾げながら飲むと、全く違うと目を見開いていた。

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