レーヴハーモニー輝く星の希望
第76話 景色
「こっちのお風呂の方が景色が見れて最高だよ!」
エレナは愛理と奏に景色が見える方に入ろうと言い、愛理は奏と共にエレナが先に入っているヒノキ風呂に入ると、ヒノキの良い匂いと共に屋上から見える海が綺麗で最高だとエレナが喜んでいた。
「喜びすぎ! そんなに海が見たかった?」
愛理が小首を傾げながらヒノキ風呂の温泉に浸かっていると、エレナが愛理を立たせて一緒に見ようと言ってきた。愛理は突然腕を引っ張られたので一度温泉に頭から浸かってしまうが、すぐに起き上がってエレナの隣に立った。
「温泉飲んじゃうところだったじゃない! 突然引っ張らないで!」
愛理は横に立つエレナに言いながらエレナの目線を追うと、そこには海に浮かぶ船や、砂浜で遊んでいる小さな子供とその母親が遊んでいる姿があった。
「あの家族が気になる?」
愛理が聞くとエレナはそんなことないけど、と言いながら愛理の左腕を掴んだ。
「どうしたの?」
愛理がそう聞くと、エレナが私にもあんな風な家族がいるんだなと嬉しくてと言った。
「そうよ。 もう私たちは家族だし、あの砂浜にいる家族より仲良いわよ!」
愛理がその言葉を言うと、エレナが笑顔でそうだねと言って温泉に肩まで浸かった。愛理たちが温泉に入っていると、小さな幼稚園児と見える女の子たち二人も露天風呂の場所に出てきた。その女の子たちは、愛理たちが入っているヒノキ風呂に入り、愛理たちに近づいてきていた。
「お姉ちゃんたちはこの温泉好きー?」
突然愛理たちは話しかけられてしまい戸惑ってしまった。しかし奏が、この温泉凄い気持ちよくて最高よと答えた。
「だよね! だよね! この温泉凄い気持ちよくて最高なの!」
女の子が奏に抱き着きながら気持ちいいよねと言っていると、その女の子の二人の母親と思われる女性がコラと女の子たちを叱った。
「ご迷惑をおかけして申し訳ありません。 ほら、こっちに来なさい!」
女の子たちを自身のもとまで呼ぶと、愛理たちとは違う露天風呂に三人で入った。その時、女の子の一人が愛理に向かってこっちも気持ちいよーと手を振っていた。
「次そっちに入るね! お互いに楽しもうね!」
右手を振りながら女の子に大きな声で言った愛理に、エレナが温泉って面白いねと笑っていた。奏はほどほどに騒いでねとエレナに言って肩まで温泉に浸かっていた。
愛理が温泉に浸かって外を見ていると、旅館を出て右側に続いている道に露店が設営されつつあった。その露店は食べ物や縁日など夏祭りに開催されるお祭りと見間違うような量の露店が立ち並ぶようであった。
「夜にあの露店に行ってみよ! 面白そう!」
愛理が奏とエレナに言うと、二人とも夜行くと賛同した。愛理は絶対楽しいわと言い、ヒノキ風呂を堪能したら他の石風呂などを堪能していた。
「ふぃ~やっぱり温泉は最高ねぇ……」
愛理が温泉を堪能していると、奏がエレナを連れて先に出るねと言った。
「了解ー。 先にあがっててー私はもう少し堪能したら行くよー」
愛理は蕩けた顔と声で奏とエレナに伝えると、ヒノキ風呂に戻って首筋まで温泉に浸かって側面に身体を預けて温泉は最高よと呟いていた。身体を預けて数十分が経過すると、愛理はヒノキ風呂から出て脱衣所に歩いて行った。脱衣所では既に奏とエレナの姿はなく、二人はエレベーター前の踊り場に行ったの考えた。
二人して先に行くなんてと考えながら愛理は身体を拭いて服を着ていく。愛理はそれから洗面所に歩いてドライヤーで髪を乾かしていく。
「あぁ~温泉気持ちよかったぁ……」
愛理はそう呟きながら髪を乾かしていく。すると、愛理の後ろに小さな人影が見えた。その人影は愛理の両目を両手で隠してだーれだと言い始めた。
「その声は、エレナね!」
愛理は後ろを振り向くと、そこには声の通りエレナがいた。エレナはピンク色の子供用の浴衣を着ており、とても楽しそうに浴衣を愛理に見せていた。
「一度部屋に戻ったんだね! 浴衣凄い似合ってる!」
愛理が似合ってると言うと、それを聞いたエレナが似合ってて良かったと言っていた。
「あ、奏が外の自販機がある場所で待ってるから早く行こう!」
エレナがそう言いながら愛理を急かすと、愛理はまだ髪が乾いてないからと叫びながらエレナに連れられてしまう。
「ちょっ、ちょっと! まだ髪が乾いてないのに!」
そう言いつつも、エレナの腕を振り解かないまま奏がいる場所まで連れて行かれてしまう。
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