レーヴハーモニー輝く星の希望

天羽睦月

第71話 商店街


「もう、少しは落ち着きなさいよ……」

愛理は落ち着きがなくはしゃいでいるエレナを見て呆れるも、観光地だからそうなるのも無理じゃないかと考えた。そして、エレナが楓に追いついて後方にいる愛理に手を振って早く来てと言っていると、愛理は分かったわよと言って笑いながら小走りでエレナに近づいた。

「駅前にあるこの商店街って、色々なお店があって面白い!」

エレナは駅前から出て右側にある商店街にあるお土産屋を見ていた。饅頭屋や孔雀温泉の多数のお土産や特産品を扱っている専門店、そしてご当地お菓子などを制作して売っている店などが多数並んでいた。

愛理はエレナと共に商店街を歩いていると、カメラマンとリポーターがある店舗の前にいた。その店舗とは孔雀温泉街で最近話題と言われる孔雀パンを売っている店である。百年以上も経営をしている老舗料理店が経営をしている店舗にて、孔雀温泉を象徴とする小さい孔雀が描かれたパンや、源泉を利用した小さい孔雀の形をしたパンなど数種類を制作し販売をしていた。

エレナが見つけた店に走りよると、カメラマンがエレナにカメラを向けた。エレナはカメラに向かってこんにちはと挨拶をすると、愛理が焦りながら駆け寄ってエレナを止めると、リポーターの男性がもしかして黒羽愛理さんですかと詰め寄った。

「は、はい……私が黒羽愛理ですけど……」

愛理がそう名乗ると、リポーターの男性は愛理さんはこの前も怪物と戦っていましたが、どのような気持ちでしたかと聞いてきた。

「え、えっと……」

愛理が口籠っていると、エレナがそんな聞き方じゃ答えられないよとリポーターに注意をしていた。

「愛理が困ってるよ! 怪物となんて戦ったら怖いに決まってるじゃん!」

エレナが両頬を膨らませながらリポーターに言うと、カメラマンが邪魔だとエレナを手で押しのけると、エレナは転んでしまった。

「あぅ……お尻が痛い……」

エレナはお尻が痛いと右手で摩っていると、愛理がカメラマンに何で突き飛ばしたのよと詰め寄った。このカメラから生放送で全国に中継されていたので、カメラマンやリポーターがしたことやエレナが転んだこと、愛理がそれに起こったことが全国放送されてしまった。

リポーターはアナウンサーや番組司会者に何か言われたのか、愛理とエレナに慌てて謝ってカメラマンと共にその場から逃げた。

「何よ突然謝って、突然逃げて」

愛理が困惑していると、楓が生放送されてたみたいで苦情があったみたいよと言ってきた。

「今の生放送されてたの!? テレビ怖い!」

愛理が驚いていると、駅の入り口付近からお姉ちゃんと叫ぶ声が聞こえた。愛理は何事だと思って駅の方を向くと、そこにはスポーツバッグを持った奏が自身の方に走ってきていた。

「奏!? 来るの早すぎない!?」

目の前にいる奏に驚いていると、奏は学校早退して仕事調整してきたと笑顔で話す。

「あ、お姉ちゃんが怒った生放送見たよ! 流石だね!」

怒ったお姉ちゃんという言葉を聞き、もう知ってると奏から聞いた愛理が頭を抱えて悶えている姿がそこにはあった。「てか、奏がもう来るなんて驚いたわ!」

愛理が奏に話しかけると、奏を見たエレナが一直線に奏に抱きついた。

「奏だ! もう来たんだ! 嬉しい!」

エレナが奏に抱きついて、奏の胸に頭を埋めていた。

「二人ともいつのまに仲良くなったの!?」

愛理が奏とエレナが仲良くなったことを聞くと、二人は自然と仲良くなったと言う。

「年齢が近そうだし、仲良くなったのは良かったわ。 はしゃぎすぎないでよ」

愛理が注意をすると、はーいと二人はハモリながら返事をした。奏は娘たち三人のその様子を見ていると、私は幸せだなと思いながら三人の娘に旅館に向かいましょうと話しかけた。

「そうね! 早く行きましょう!」

愛理は旅館行くとはしゃぎ始めると、奏がジト目ではしゃいでると愛理を攻撃した。エレナな愛理が一番はしゃいでると言い、歩きながら愛理の横腹を突っついていた。

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