第41話 お見舞い

愛理はそのニュース番組の司会者やコメンテーターの言葉を聞いて、否定的な意見や自身を肯定してくれる意見もあって様々だなと顔をしかめっ面にしていた。

「あの戦いで私は何かを守れたのかな……」

愛理が俯いてあの戦いは頑張ってよかったのかなと考えていると、部屋の扉が勢いよく開いて、愛理のおかげで私たちは生きているんだよと大声を発しながら葵が入ってきた。

「私があの人型の怪人に殺されそうになった時、愛理が助けてくれたから今の私があるの！ それに他の生徒や教師の人たち、特殊魔法部隊の人たちも愛理が戦ってくれたから生きているんだよ！」

葵がそう言いながら、ベットに横になっている愛理に近づいてきた。 愛理はその言葉を聞いて、葵に笑いながらありがとうと返す。

「葵の言葉で少し救われた気がする……」

そういう愛理に葵と奏が抱き着いた。

「私……お姉ちゃんが戦っている姿を見て最初気絶しちゃったの……でも、気が付いてテレビ中継をもう一回見たら、お姉ちゃんが決死の覚悟で傷だらけになっても戦っている姿を見て私悲しかったけど、嬉しかった！」

奏は思っていることを愛理に言うと、葵と共にありがとうと再度言った。 その様子を見ていた楓は、良い友達が出来て良かったと涙目になっていた。

「星空魔法学院に進学して良かったわね……良いお友達も出来たようだし……」

涙を流しながら愛理たちを見ている楓は、ハンカチで涙を拭きながら教師との話を進めていた。 それから数十分が経過すると、正人が戻ってきた。

「愛理はこれから一週間入院するみたいだ。 服や必要なものを家から持ってくるよ」

正人はその言葉を部屋にいる全員にすると、愛理はそんなに入院するのと驚いていた。 葵はあんな壮絶な戦いだったから仕方ないよと言ってくれた。

「ありがとう……でも、もうそんなに身体痛くないんだけどね……」

愛理は自身の身体をペタペタと触っていくと、腹部と右腕に激痛が走った。 愛理は呻き声をあげて身体を丸めてしまった。

「大丈夫！？ まだ全快したわけじゃないんだから、ゆっくり身体を癒して！」

葵が愛理に注意をすると、奏も本当だからねと言って葵の言葉に賛同した。 その言葉を言われた愛理は、ごめんねと言って静養することにした。

「じゃ、一度私たちは家に戻るから、愛理はおとなしくゆっくりしてなさいね」

楓は教師との話が終わったようで、一度家に帰ると言った。 楓は続けて、正人が言ったように服や必要なものを取りに帰ったら、また戻ってくるからねと付け加えて正人たち全員部屋を出ていった。 部屋に一人残された愛理は、突然寂しいと感じ始めていた。 一人残された愛理は、孤独は怖いなと呟いた。

「葵ちゃんと奏に言われたけど、やっぱり少し自分を責めちゃうよ……」

もっと良い戦い方なかったのかなや、私の戦いで傷つけちゃった人いるのかなと考えていた。 すると、愛理の側にいつの間にか置いてあった自身のスマートフォンに一通のメールが届いた。 愛理はそのメールを見ると吹き出してしまった。 なぜなら、そのメールには私たちがいなくなったからって自分を責めてないかと書かれていた。

「やっぱり葵ちゃんは私の一番の友達だな」

愛理は悲しい気持ちが晴れて、葵と話しているといつから葵ちゃんは愛理って呼び捨てにしたのかなと微笑していた。

「私も葵ちゃんじゃなくて、葵って呼ぼう。 その方がもっと仲良くなれそう！」

愛理がそう考えていると、突然眠気が襲てきてしまう。 愛理の身体は愛理が考えている程に回復はしておらず、先ほどの痛みも完治していない証拠であった。

「急に眠気が……やっぱりまだ身体が……」

言葉の途中で寝てしまった愛理は、ベットにゆっくり倒れてそのまま目を閉じて寝てしまった。