雨のための詩

小鳥 薊

第13話 時雨

それは突然のこと

息もつけない疾風と
ばたばた肌に打ち付ける

それはあれと似ている
やってきた地下鉄の車両
ジェットコースターの急下降

縮んで硬直する体は
呼吸をとめて
怯んだ私の唇に
口づけをしていってしまった

とくとく私の心を打って
濡れてしまった私の体
足元に水溜まり置いて
去ってった

それは突然のことでした

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