彼氏が赤ちゃんになっちゃった中学生の育児日記
美波、告白を決意する!
私の名前は佐藤美波。
お裁縫と神社めぐりが趣味の、平凡な中学生二年生の女の子。
見た目は……あんまり特徴的なパーツってないのよね。
自分が気に入っているのは、白くてわりときめ細かいお肌かな。
目はもっと大きければ良かったのにって思うし、髪も猫っ毛だから扱いにくい。身長も体重も平均的、胸はぺたんこ……自虐になるのでここまでにしよう。
私には、付き合い始めて半年の男の子がいる。
名前は、梶一平くん。同じクラスで、同じ衛生委員。
一平くんとの共通点はこれくらいしか思いつかないけれど、密かに恋をしていたの。
一平くんに恋したのは、私の趣味を彼が認めてくれたことがきっかけだった。
あれは、クラス編成後はじめての委員会の後のこと。
「要は、廊下のゴミが落ちていたら人よりたくさん拾うのと、月に一回、学校中を雑巾掛けしまくればいいんだなーー。」
一平くんは、ニコニコしながら言った。
一平くんとちゃんと話したのはこのときがはじめてだった。
私は、男の子と話すことに不慣れで、面白いことの一つも浮かんでこないから、相手はきっとつまらないんだろうなって思う。
でも、一平くんはそんなのお構いなしで、思ったことをポンポン言葉にしている。
「ねえねえ、佐藤さん。家庭科って得意?」
「うん、好きだよ。雑巾とか、ミシンで縫えるから、衛生委員に寄付しようと思ってるの。」
「ミシン使えるの?」
「うん、使えるよ。」
「すげーー。何つくれるの?」
「え……スカートとかよくつくるし、あとは……人形の服を……。」
「人形って、リカちゃんとか?」
「うん……中学生にもなって人形って……引くよね。忘れて!」
「なんで? 引かないよ。ってか、すごいじゃん。」
「……そう?」
「うん! 服とかつくれる佐藤さんなら、雑巾なんか簡単でしょ。俺は雑巾の縫い方すら知らないぞ。」
一平くんはそう言って、私を褒めてくれたんだ。
すごいことを単純にすごいって言える。そうやって人を尊敬できる男の子。
それから、私は無意識に一平くんのことを目で追う癖が付いてしまい、月に一度の委員会を楽しみに毎日を過ごすようになった。
一平くんを観察するようになってから、今まで知らなかった彼の性格とか、仕草の癖とか、彼にどんどん惹かれていく。
一平くんのことが好き。今は彼女がいないらしいので、もしも叶うなら、彼を誰かに取られる前に私が彼女になりたい。
私の願望は日に日に増していって、三回目の委員会には爆発寸前だった。
(よし、委員会の帰りに言ってしまおう!)
私は決めた。
その日の委員会の議題は、内容が少しも頭に入ってこなくて、この頃にはだいぶ打ち解け合った一平くんに何度か肩を指でトントンされた。
その度に、
「ごめんごめん」
と、にやけながら、すぐまた告白をシュミレートしていた。
お裁縫と神社めぐりが趣味の、平凡な中学生二年生の女の子。
見た目は……あんまり特徴的なパーツってないのよね。
自分が気に入っているのは、白くてわりときめ細かいお肌かな。
目はもっと大きければ良かったのにって思うし、髪も猫っ毛だから扱いにくい。身長も体重も平均的、胸はぺたんこ……自虐になるのでここまでにしよう。
私には、付き合い始めて半年の男の子がいる。
名前は、梶一平くん。同じクラスで、同じ衛生委員。
一平くんとの共通点はこれくらいしか思いつかないけれど、密かに恋をしていたの。
一平くんに恋したのは、私の趣味を彼が認めてくれたことがきっかけだった。
あれは、クラス編成後はじめての委員会の後のこと。
「要は、廊下のゴミが落ちていたら人よりたくさん拾うのと、月に一回、学校中を雑巾掛けしまくればいいんだなーー。」
一平くんは、ニコニコしながら言った。
一平くんとちゃんと話したのはこのときがはじめてだった。
私は、男の子と話すことに不慣れで、面白いことの一つも浮かんでこないから、相手はきっとつまらないんだろうなって思う。
でも、一平くんはそんなのお構いなしで、思ったことをポンポン言葉にしている。
「ねえねえ、佐藤さん。家庭科って得意?」
「うん、好きだよ。雑巾とか、ミシンで縫えるから、衛生委員に寄付しようと思ってるの。」
「ミシン使えるの?」
「うん、使えるよ。」
「すげーー。何つくれるの?」
「え……スカートとかよくつくるし、あとは……人形の服を……。」
「人形って、リカちゃんとか?」
「うん……中学生にもなって人形って……引くよね。忘れて!」
「なんで? 引かないよ。ってか、すごいじゃん。」
「……そう?」
「うん! 服とかつくれる佐藤さんなら、雑巾なんか簡単でしょ。俺は雑巾の縫い方すら知らないぞ。」
一平くんはそう言って、私を褒めてくれたんだ。
すごいことを単純にすごいって言える。そうやって人を尊敬できる男の子。
それから、私は無意識に一平くんのことを目で追う癖が付いてしまい、月に一度の委員会を楽しみに毎日を過ごすようになった。
一平くんを観察するようになってから、今まで知らなかった彼の性格とか、仕草の癖とか、彼にどんどん惹かれていく。
一平くんのことが好き。今は彼女がいないらしいので、もしも叶うなら、彼を誰かに取られる前に私が彼女になりたい。
私の願望は日に日に増していって、三回目の委員会には爆発寸前だった。
(よし、委員会の帰りに言ってしまおう!)
私は決めた。
その日の委員会の議題は、内容が少しも頭に入ってこなくて、この頃にはだいぶ打ち解け合った一平くんに何度か肩を指でトントンされた。
その度に、
「ごめんごめん」
と、にやけながら、すぐまた告白をシュミレートしていた。
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