幼女の、幼女による、幼女のための楽園(VRMMO)
ダンジョンの終点
「あ、あのぅ。カナさん? ホントに行くんですか?」
「はぁ? なに言ってんだ、ラック。まだ、先があるんだから当然だろ。つーか、まだ何のお宝も見つけてねぇのに、ここで帰ったら何しに来たのか分かんねぇじゃん」
「そ、それは……そうなんですが。ほら、先輩達ですら、ここは怖がって近づかなかったみたいですし」
そう言って、目の前にそびえる巨大な扉を指差すラック。
見る者を畏怖させる禍々しい意匠が施された、その扉は10メートル程の高さがある。
素材も金属製のようなので、ここが現実なら、間違いなく人力では動かせない扉だ。
先に来ていた先輩商人たちの話によると、どうやら、ここがダンジョンの終点らしい。
そのため、これまでに他の部屋で見つかった宝よりも重要な物が眠っているに違いないと期待されていたが、皆、この扉を前にして怖気づいて帰ってしまった。
他の商人達は既に、ある程度の収穫を得ているので、無理をする必要はないという判断だろう。
しかし、ラック達はスタートが遅れたせいで、ここまで全く成果を出していないのだ。
宝物庫のような部屋を何度か発見できたものの、先客に根こそぎ持って行かれたらしく、既に、もぬけの殻だった。
というか、それ以前の話として、カナが強敵を前にして逃げ帰るなど、あり得ない。
むしろ喜んでトラップに引っ掛かり、困難を楽しみながら乗り越えていくタイプである。
……さすがに、今回はラックという同行者がいるので自重したが。
「要するに、ここには、まだ誰も入ってないって事だろ? なら、お宝が手に入る可能性も高いって訳だ。しかも一番、奥の部屋に仕舞ってある宝だぜ? みのりん達も、まだ来てねぇみたいだし、このチャンスを逃す手は無ぇ」
扉をバシバシ叩きながら力説するカナに背中を押され、ラックの目にも、やる気が宿る。
「……そ、そう、ですね。ここで帰ったら、ベイドさんにも勝てません。覚悟を……決めまふ!」
「キメ顔で思いっきり噛んでんじゃねぇよ! 見てるこっちが恥ずかしいわ!」
「う、うぅ……。すみません、すみません!」
カナにチョップされた額を擦りつつ、平謝りするラック。
そんなラックに先が思いやられつつ、カナは扉の前に向かう。
「はぁ……。締まらねぇ奴だ。ほら、さっさと行くぞ」
「は、はいっ!」
扉に両手を当て、カナがグッと“力”を込める。
そのアクションに反応して、扉が徐々に開いていく。
一度、開き始めたら、後は勝手に動いてくれるようだったが、手が届く間は力を込め続けたカナ。
特に意味はないが、気分は大事である。
そうして足を踏み入れた部屋は、これまでとは比べ物にならない程、広大な空間だった。
しかも、壁、床、天井に至るまで、全てがメタリックな光沢を放っている。
ここまでは、通路も部屋も剥き出しの土だったのだが。
この変化は、何を意味するのか。
「あのう、カナさん。アレは何でしょう?」
そう言ってラックが示した先は天井だ。
何故か、その部分だけ直径1メートルほど土になっていた。
「さぁな。部屋全体が金属で出来てるっぽい事といい、変な場所だぜ――っと!?」
「わわっ!?」
突然、二人を襲った地震。
その元凶は、何もない空間から突然、現れた巨大なロボットだった。
「はぁ? なに言ってんだ、ラック。まだ、先があるんだから当然だろ。つーか、まだ何のお宝も見つけてねぇのに、ここで帰ったら何しに来たのか分かんねぇじゃん」
「そ、それは……そうなんですが。ほら、先輩達ですら、ここは怖がって近づかなかったみたいですし」
そう言って、目の前にそびえる巨大な扉を指差すラック。
見る者を畏怖させる禍々しい意匠が施された、その扉は10メートル程の高さがある。
素材も金属製のようなので、ここが現実なら、間違いなく人力では動かせない扉だ。
先に来ていた先輩商人たちの話によると、どうやら、ここがダンジョンの終点らしい。
そのため、これまでに他の部屋で見つかった宝よりも重要な物が眠っているに違いないと期待されていたが、皆、この扉を前にして怖気づいて帰ってしまった。
他の商人達は既に、ある程度の収穫を得ているので、無理をする必要はないという判断だろう。
しかし、ラック達はスタートが遅れたせいで、ここまで全く成果を出していないのだ。
宝物庫のような部屋を何度か発見できたものの、先客に根こそぎ持って行かれたらしく、既に、もぬけの殻だった。
というか、それ以前の話として、カナが強敵を前にして逃げ帰るなど、あり得ない。
むしろ喜んでトラップに引っ掛かり、困難を楽しみながら乗り越えていくタイプである。
……さすがに、今回はラックという同行者がいるので自重したが。
「要するに、ここには、まだ誰も入ってないって事だろ? なら、お宝が手に入る可能性も高いって訳だ。しかも一番、奥の部屋に仕舞ってある宝だぜ? みのりん達も、まだ来てねぇみたいだし、このチャンスを逃す手は無ぇ」
扉をバシバシ叩きながら力説するカナに背中を押され、ラックの目にも、やる気が宿る。
「……そ、そう、ですね。ここで帰ったら、ベイドさんにも勝てません。覚悟を……決めまふ!」
「キメ顔で思いっきり噛んでんじゃねぇよ! 見てるこっちが恥ずかしいわ!」
「う、うぅ……。すみません、すみません!」
カナにチョップされた額を擦りつつ、平謝りするラック。
そんなラックに先が思いやられつつ、カナは扉の前に向かう。
「はぁ……。締まらねぇ奴だ。ほら、さっさと行くぞ」
「は、はいっ!」
扉に両手を当て、カナがグッと“力”を込める。
そのアクションに反応して、扉が徐々に開いていく。
一度、開き始めたら、後は勝手に動いてくれるようだったが、手が届く間は力を込め続けたカナ。
特に意味はないが、気分は大事である。
そうして足を踏み入れた部屋は、これまでとは比べ物にならない程、広大な空間だった。
しかも、壁、床、天井に至るまで、全てがメタリックな光沢を放っている。
ここまでは、通路も部屋も剥き出しの土だったのだが。
この変化は、何を意味するのか。
「あのう、カナさん。アレは何でしょう?」
そう言ってラックが示した先は天井だ。
何故か、その部分だけ直径1メートルほど土になっていた。
「さぁな。部屋全体が金属で出来てるっぽい事といい、変な場所だぜ――っと!?」
「わわっ!?」
突然、二人を襲った地震。
その元凶は、何もない空間から突然、現れた巨大なロボットだった。
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