幼女の、幼女による、幼女のための楽園(VRMMO)
ラックの戦闘力
「……で、作戦って、あれで良かったと思うか?」
「えっ? いまさら? あんなに自信満々だったのに?」
第1層の始まりの街から程近い、いつもの森の中。
一本の樹に背中を預けつつ、カナが疑問を口にする。
同じく樹に寄り掛かる、みのりんは、その質問に対して、少しの驚きと共に疑問系で返答した。
「そりゃ、俺様は商売の事とか良く分かんねぇし」
「私だって知らないよ? そーゆーのはシオンちゃんに聞くのが良いと思う」
みのりんが、その名を口にすると、カナは決まって露骨に嫌そうな顔を見せる。
今回も、それは例外ではなかった。
「うぇー? シオンに頼んのはシャクだしよぉ。つーか、今いねぇし」
「まぁ、それはそうだけどさ。とにかく、思い付いたことを順番に試していくしか、ないんじゃない?」
「だな~。……ところで、【アレ】は、どうしたら良いと思う?」
「うーん、そっちも難しい質問だな~」
二人の視線の先では、ラックが最弱モンスターのスライム相手に、互角の激戦を繰り広げていた。
「ふっ! はっ! やあっ!」
掛け声だけは勇ましいが、その動きは、ぎこちなく、また消極的だ。
一応、前に出てはいるのだが、スライムが攻撃の素振りを見せる度に、慌てて大きく下がってしまうため、ほとんど戦闘になっていなかった。
スライムの攻撃は当たらない。
ラックは攻撃の機会を自分で潰す。
さっきから、この繰り返しである。
「だぁぁぁっ! まどろっこしい!」
「えっ、ちょ、カナさん!?」
「おー、カナちゃんってば大胆っ!」
どうやら、遅々として進まないラックの戦闘に、カナの我慢が限界を迎えたらしい。
カナはスライムから飛び退いたラックを後ろから羽交い締めにして、その身動きを封じた。
年の近い異性に抱き付かれたせいか、振り向いたラックの顔は真っ赤に染まっている。
ついでに、みのりんの冷やかしが、それを助長しているようだ。
ラックが恥ずかしそうにジタバタと暴れるものの、カナの拘束はビクともしない。
「おっしゃ、来いやスライムッ!」
「えぇぇぇ!? カナさん、急に何ですか!?」
「お前に足りないのは力じゃねぇ! 度胸だ! だから、ここで、やられない程度に打たれ慣れとけ!」
「そんな無茶苦茶な!?」
「ダイジョブ、ダイジョブ! スライムの攻撃じゃ大してダメージ食らわないよ、ラックさん! 大人しく、カナちゃんの女の子の感触を味わうが良い!」
「なっ、ば、バカ野郎! みのりん! 俺様は、そんなつもりじゃ……」
みのりんの援護射撃(?)に、カナまで顔を赤く染める。
互いに頬を染めて密着している二人は、旗から見れば仲の良いカップルみたいだった。
「うんうん、照れてるカナちゃん可愛いなぁ!」
「ちっくしょう! 後で覚えてやがれ!」
「ぎゃあああ!? スライムが顔にぃぃぃ!?」
状況を満喫する、みのりん。
恥じらうカナ。
絶叫するラック。
いつも騒がしい森の一角は、いつにもまして賑やかな喧騒に包まれていた。
「えっ? いまさら? あんなに自信満々だったのに?」
第1層の始まりの街から程近い、いつもの森の中。
一本の樹に背中を預けつつ、カナが疑問を口にする。
同じく樹に寄り掛かる、みのりんは、その質問に対して、少しの驚きと共に疑問系で返答した。
「そりゃ、俺様は商売の事とか良く分かんねぇし」
「私だって知らないよ? そーゆーのはシオンちゃんに聞くのが良いと思う」
みのりんが、その名を口にすると、カナは決まって露骨に嫌そうな顔を見せる。
今回も、それは例外ではなかった。
「うぇー? シオンに頼んのはシャクだしよぉ。つーか、今いねぇし」
「まぁ、それはそうだけどさ。とにかく、思い付いたことを順番に試していくしか、ないんじゃない?」
「だな~。……ところで、【アレ】は、どうしたら良いと思う?」
「うーん、そっちも難しい質問だな~」
二人の視線の先では、ラックが最弱モンスターのスライム相手に、互角の激戦を繰り広げていた。
「ふっ! はっ! やあっ!」
掛け声だけは勇ましいが、その動きは、ぎこちなく、また消極的だ。
一応、前に出てはいるのだが、スライムが攻撃の素振りを見せる度に、慌てて大きく下がってしまうため、ほとんど戦闘になっていなかった。
スライムの攻撃は当たらない。
ラックは攻撃の機会を自分で潰す。
さっきから、この繰り返しである。
「だぁぁぁっ! まどろっこしい!」
「えっ、ちょ、カナさん!?」
「おー、カナちゃんってば大胆っ!」
どうやら、遅々として進まないラックの戦闘に、カナの我慢が限界を迎えたらしい。
カナはスライムから飛び退いたラックを後ろから羽交い締めにして、その身動きを封じた。
年の近い異性に抱き付かれたせいか、振り向いたラックの顔は真っ赤に染まっている。
ついでに、みのりんの冷やかしが、それを助長しているようだ。
ラックが恥ずかしそうにジタバタと暴れるものの、カナの拘束はビクともしない。
「おっしゃ、来いやスライムッ!」
「えぇぇぇ!? カナさん、急に何ですか!?」
「お前に足りないのは力じゃねぇ! 度胸だ! だから、ここで、やられない程度に打たれ慣れとけ!」
「そんな無茶苦茶な!?」
「ダイジョブ、ダイジョブ! スライムの攻撃じゃ大してダメージ食らわないよ、ラックさん! 大人しく、カナちゃんの女の子の感触を味わうが良い!」
「なっ、ば、バカ野郎! みのりん! 俺様は、そんなつもりじゃ……」
みのりんの援護射撃(?)に、カナまで顔を赤く染める。
互いに頬を染めて密着している二人は、旗から見れば仲の良いカップルみたいだった。
「うんうん、照れてるカナちゃん可愛いなぁ!」
「ちっくしょう! 後で覚えてやがれ!」
「ぎゃあああ!? スライムが顔にぃぃぃ!?」
状況を満喫する、みのりん。
恥じらうカナ。
絶叫するラック。
いつも騒がしい森の一角は、いつにもまして賑やかな喧騒に包まれていた。
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