幼女の、幼女による、幼女のための楽園(VRMMO)
見習い商人ラックの講義
「さて、作戦会議を始めるぞ! 野郎共、準備はいいか!」
「お、おー」
「野郎じゃないけど、おー!」
あれから、特に問題もなく、カナの商人登録は終わった。
そして現在、一行はカナに連れられ、第1層のオープンカフェで、テーブルを囲んでいる。
ちなみに、昨日、デュエルが終わってから多少の小遣い稼ぎをしたので、ここの支払いはカナ持ちだ。
「んじゃ、ラック。まずは商人の基本的な情報について、教えてくれ」
本来なら商人の登録をする際に、窓口で聞くことだが、どうせ後でラックに聞くつもりだったので、わざわざ立って長話する必要もないと辞退したのだ。
カナに頼られるのが嬉しいのか、ラックは気合いの入った顔で頷き、口を開く。
「分かりましたっ! えーっと、まず商人の生産職を選んだ人には、【倉庫】という特別なアイテムストレージが与えられます。この【倉庫】に入れたものは、もう自分で使うことは出来ませんが、通常のストレージよりも多くの容量があって、料理系のアイテムなど、時間経過で劣化・消滅するアイテムも、安全に保管できるんです。ちなみに、【倉庫】の容量を増やしたい時は、お金を払って拡張するか、登録アイテムを廃棄して空きを作るしかありません。そして、この【倉庫】のキモは、自分以外の人にも中身が公開されていることです! 各アイテムには価格を設定する必要があり、その設定した価格に同意されれば、購入してもらえる仕組みです。設定価格は、いつでも変更可能で、一部のアイテムを非公開にしたり、特定の相手にだけ公開する、といった細かい設定も可能です」
ここで、ラックは喋り疲れたのか、飲み物で喉を潤していた。
それを待って、みのりんが質問を投げる。
「たしか、取引したい相手が目の前にいる場合は、直接交渉することも出来るんだよね?」
「はい、その場合は価格を値切ったり、別の商品とのセット販売を提案したり出来ますね。【倉庫】を利用した不特定多数を相手にする手法と、上手く使い分けることが、大儲けの近道と言われています」
「ふーん。で、ラックは今、どんな感じで商売してるんだ?」
「僕の戦闘職は剣士ですが、まだレベルが低いので、第1層でしか活動できません。そこで、商品用のアイテムを仕入れたら、それが値上がりするまで保管して、売買時期の差で儲けています」
「夏の終わりに、在庫処分で安売りされる夏服を買っといて、来年の春とか夏に売る、みたいな?」
「そんな感じです。まぁ、自分でモンスターを倒して、アイテムを確保する場合もありますけど」
「その方が儲かるよな? タダでアイテムが手に入る訳だし」
「それがそうでもなくて……。僕がゲット出来るランクのアイテムは、高く売れない事が多いんです。だから、他所で高品質なアイテムを買った方が、結果的に儲かったりします。たとえ、元手が掛かっても」
「でも、効率は悪いだろ? 自分でアイテムを回収できるなら、それが一番良い」
「そうですね。実際にベイドさんは、そうやって儲けてますし。それに彼は、第2層や第3層でも商売ができるので、更に幅が広がりますから」
「あー、たしか剣士の上位職とか言ってたな」
「はい、彼の戦闘職は騎士です。そして、別の階層で手に入れたアイテムを捌けるので、地域による価格や
需要の差で儲けることも多いみたいですね」
「ただの水でも、砂漠で売れば大儲け。みたいな?」
「はい、そんな感じです。……さっきから例えが的確ですね、みのりんさん」
「いやぁ、それほどでも」
「実際、第2層はエリアの大半が砂漠だそうです。といっても、既に多くの商人が水を扱っているので、大して儲からないみたいですが」
「なるほどな。つまり、ラック。お前がやるべき事は剣士として強くなることだな! そんで、今よりも商売の幅を広げんだ!」
ここまでの話をまとめ、カナが最後に、そう締めくくった。
「お、おー」
「野郎じゃないけど、おー!」
あれから、特に問題もなく、カナの商人登録は終わった。
そして現在、一行はカナに連れられ、第1層のオープンカフェで、テーブルを囲んでいる。
ちなみに、昨日、デュエルが終わってから多少の小遣い稼ぎをしたので、ここの支払いはカナ持ちだ。
「んじゃ、ラック。まずは商人の基本的な情報について、教えてくれ」
本来なら商人の登録をする際に、窓口で聞くことだが、どうせ後でラックに聞くつもりだったので、わざわざ立って長話する必要もないと辞退したのだ。
カナに頼られるのが嬉しいのか、ラックは気合いの入った顔で頷き、口を開く。
「分かりましたっ! えーっと、まず商人の生産職を選んだ人には、【倉庫】という特別なアイテムストレージが与えられます。この【倉庫】に入れたものは、もう自分で使うことは出来ませんが、通常のストレージよりも多くの容量があって、料理系のアイテムなど、時間経過で劣化・消滅するアイテムも、安全に保管できるんです。ちなみに、【倉庫】の容量を増やしたい時は、お金を払って拡張するか、登録アイテムを廃棄して空きを作るしかありません。そして、この【倉庫】のキモは、自分以外の人にも中身が公開されていることです! 各アイテムには価格を設定する必要があり、その設定した価格に同意されれば、購入してもらえる仕組みです。設定価格は、いつでも変更可能で、一部のアイテムを非公開にしたり、特定の相手にだけ公開する、といった細かい設定も可能です」
ここで、ラックは喋り疲れたのか、飲み物で喉を潤していた。
それを待って、みのりんが質問を投げる。
「たしか、取引したい相手が目の前にいる場合は、直接交渉することも出来るんだよね?」
「はい、その場合は価格を値切ったり、別の商品とのセット販売を提案したり出来ますね。【倉庫】を利用した不特定多数を相手にする手法と、上手く使い分けることが、大儲けの近道と言われています」
「ふーん。で、ラックは今、どんな感じで商売してるんだ?」
「僕の戦闘職は剣士ですが、まだレベルが低いので、第1層でしか活動できません。そこで、商品用のアイテムを仕入れたら、それが値上がりするまで保管して、売買時期の差で儲けています」
「夏の終わりに、在庫処分で安売りされる夏服を買っといて、来年の春とか夏に売る、みたいな?」
「そんな感じです。まぁ、自分でモンスターを倒して、アイテムを確保する場合もありますけど」
「その方が儲かるよな? タダでアイテムが手に入る訳だし」
「それがそうでもなくて……。僕がゲット出来るランクのアイテムは、高く売れない事が多いんです。だから、他所で高品質なアイテムを買った方が、結果的に儲かったりします。たとえ、元手が掛かっても」
「でも、効率は悪いだろ? 自分でアイテムを回収できるなら、それが一番良い」
「そうですね。実際にベイドさんは、そうやって儲けてますし。それに彼は、第2層や第3層でも商売ができるので、更に幅が広がりますから」
「あー、たしか剣士の上位職とか言ってたな」
「はい、彼の戦闘職は騎士です。そして、別の階層で手に入れたアイテムを捌けるので、地域による価格や
需要の差で儲けることも多いみたいですね」
「ただの水でも、砂漠で売れば大儲け。みたいな?」
「はい、そんな感じです。……さっきから例えが的確ですね、みのりんさん」
「いやぁ、それほどでも」
「実際、第2層はエリアの大半が砂漠だそうです。といっても、既に多くの商人が水を扱っているので、大して儲からないみたいですが」
「なるほどな。つまり、ラック。お前がやるべき事は剣士として強くなることだな! そんで、今よりも商売の幅を広げんだ!」
ここまでの話をまとめ、カナが最後に、そう締めくくった。
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