幼女の、幼女による、幼女のための楽園(VRMMO)
ようやくクエスト達成です
「いやぁ、ネネちゃん! 危ない所だったね! それと、トーシローさんだっけ。二人して、こんな所で何してんの!? はっ、もしかしてデートとか!? 私のネネちゃんは誰にも渡さーん!」
「み、みのりん! 落ち着いて下さい! 大丈夫ですから! ちゃんと格好良かったですから!」
盛大に格好つけたあげく、盛大にスベるという黒歴史を目撃され、情緒不安定になった、みのりんを、ネネが必死に慰める。
ただでさえ、別れ際にやらかしているのに、更に恥の上塗りをしたのだから、みのりんの気分は最悪だ。
それでも、ネネに抱かれ、しばらく頭をナデナデされていると、ようやく落ち着いた。
「……ふぅ。ごめんね、ネネちゃん。八つ当たりしたこととか、今のこととか。いっぱい迷惑かけちゃったね」
「何を言ってるんですか。みのりんには散々、お世話になってるんですよ? それに、今も、危ない所を助けてくれたじゃないですか。少しくらい、迷惑かけてもらわないと、私の立場がありません」
「うぅっ、ネネちゃーん!」
「はいはい、よしよし」
端から見れば、謝るのか、イチャイチャするのか、どっちかにしろと言いたくなる光景だが、実際に端から見ているトーシローは呑気に笑っていた。
「あははっ、お二人は本当に仲が良いんですね」
「もちろん! だからトーシローさんには渡さないよっ!」
ひしっ、とネネを抱き寄せ、必死に自分のものだとアピールする、みのりん。
そして、ネネは顔を真っ赤にしているものの、満更でも無さそうだ。
「み、みのりん! 私とトーシローさんは、そんなんじゃないてすから!」
「うぅ……正面から言われると、少しショックですね……」
ネネのハッキリした否定に、トーシローが項垂れた——、
「ああっ、いや違うんです! そういう意味じゃなくて!」
「あははっ、冗談ですよ」
ように見えて、実は演技だったらしく、ケロッと笑って見せる。
「もうっ、トーシローさん!」
「むむっ、何だか怪しい雰囲気……。これは注意せねば……」
基本的に内気で人見知りなネネが、少し見ない内に、トーシローと気の置けないやり取りを交わす仲になっている。
二人の様子にジェラシーを感じつつ、みのりんはトーシローに対する評価を改めた。
ネネが気を許したのだから、悪い人ではないだろうが、油断は禁物。
男は皆、オオカミだと父親も言っていた。
もしも、ネネの意思を無視して暴走するようなら、自分が月に代わってお仕置きしてやる、と心の中で、人知れず決意する。
まぁ、相手はNPCなので、無用な心配ではあるのだが。
「それで、みのりん。どうして、ここに? それも、あんな良いタイミングで……」
「えーっと、最初から説明すると、まず私は【魔女の家】を出て、修練場に向かったの。それで、新しく弓を貰ったあと、日が暮れるまで山で狩りをして……そこで新しい称号をゲットして浮かれてた所をモンスターに襲われて、街に帰されたわけ。で、狩りで手に入ったアイテムを売り払って、そのお金で新しい魔導銃を買ったの。その後、ネネちゃん、どうしてるかな~と思ってフレンド機能で確認したら何故か森にいるわ、HPも減ってるわで、焦って飛んできたんだよ!」
正確に言うと、空中ジャンプで【跳んできた】のだが、まぁ、些細なことだ。
「な、なるほど。ありがとうございました」
身振り手振りを加えた、みのりんの大袈裟な説明に、若干、引き気味のネネ。
まぁ、取り敢えず情報の共有は終わった。
ちなみに、黄金虎を一撃で(二条のビームで)仕留めたのは、例によってMPを大量に消費した攻撃だ。
一丁の魔導銃でMP1000消費するより、二丁の魔導銃で、それぞれMP500消費した方が効果が高く、またしても、みのりんの戦闘力が向上している。
「はぁ……みのりんは、どんどん強くなっていきますねぇ。追い付くのが大変です」
「これは、薬師の修行も頑張らないとですね、ネネさん!」
「はい! これからも、よろしくお願いします!」
「じゃあ、そろそろ帰ろうか。護衛は任せて!」
その後、三人は無事に街へ辿り着き、今度こそ、ネネのクエストは幕を閉じた。
今日は二人とも、もう疲れたので、調薬を試すのは翌日に回し、大人しくログアウトすることに。
初めての大冒険を乗り越えたネネが、どんな調薬を見せてくれるのか、全ては明日のお楽しみである。
「み、みのりん! 落ち着いて下さい! 大丈夫ですから! ちゃんと格好良かったですから!」
盛大に格好つけたあげく、盛大にスベるという黒歴史を目撃され、情緒不安定になった、みのりんを、ネネが必死に慰める。
ただでさえ、別れ際にやらかしているのに、更に恥の上塗りをしたのだから、みのりんの気分は最悪だ。
それでも、ネネに抱かれ、しばらく頭をナデナデされていると、ようやく落ち着いた。
「……ふぅ。ごめんね、ネネちゃん。八つ当たりしたこととか、今のこととか。いっぱい迷惑かけちゃったね」
「何を言ってるんですか。みのりんには散々、お世話になってるんですよ? それに、今も、危ない所を助けてくれたじゃないですか。少しくらい、迷惑かけてもらわないと、私の立場がありません」
「うぅっ、ネネちゃーん!」
「はいはい、よしよし」
端から見れば、謝るのか、イチャイチャするのか、どっちかにしろと言いたくなる光景だが、実際に端から見ているトーシローは呑気に笑っていた。
「あははっ、お二人は本当に仲が良いんですね」
「もちろん! だからトーシローさんには渡さないよっ!」
ひしっ、とネネを抱き寄せ、必死に自分のものだとアピールする、みのりん。
そして、ネネは顔を真っ赤にしているものの、満更でも無さそうだ。
「み、みのりん! 私とトーシローさんは、そんなんじゃないてすから!」
「うぅ……正面から言われると、少しショックですね……」
ネネのハッキリした否定に、トーシローが項垂れた——、
「ああっ、いや違うんです! そういう意味じゃなくて!」
「あははっ、冗談ですよ」
ように見えて、実は演技だったらしく、ケロッと笑って見せる。
「もうっ、トーシローさん!」
「むむっ、何だか怪しい雰囲気……。これは注意せねば……」
基本的に内気で人見知りなネネが、少し見ない内に、トーシローと気の置けないやり取りを交わす仲になっている。
二人の様子にジェラシーを感じつつ、みのりんはトーシローに対する評価を改めた。
ネネが気を許したのだから、悪い人ではないだろうが、油断は禁物。
男は皆、オオカミだと父親も言っていた。
もしも、ネネの意思を無視して暴走するようなら、自分が月に代わってお仕置きしてやる、と心の中で、人知れず決意する。
まぁ、相手はNPCなので、無用な心配ではあるのだが。
「それで、みのりん。どうして、ここに? それも、あんな良いタイミングで……」
「えーっと、最初から説明すると、まず私は【魔女の家】を出て、修練場に向かったの。それで、新しく弓を貰ったあと、日が暮れるまで山で狩りをして……そこで新しい称号をゲットして浮かれてた所をモンスターに襲われて、街に帰されたわけ。で、狩りで手に入ったアイテムを売り払って、そのお金で新しい魔導銃を買ったの。その後、ネネちゃん、どうしてるかな~と思ってフレンド機能で確認したら何故か森にいるわ、HPも減ってるわで、焦って飛んできたんだよ!」
正確に言うと、空中ジャンプで【跳んできた】のだが、まぁ、些細なことだ。
「な、なるほど。ありがとうございました」
身振り手振りを加えた、みのりんの大袈裟な説明に、若干、引き気味のネネ。
まぁ、取り敢えず情報の共有は終わった。
ちなみに、黄金虎を一撃で(二条のビームで)仕留めたのは、例によってMPを大量に消費した攻撃だ。
一丁の魔導銃でMP1000消費するより、二丁の魔導銃で、それぞれMP500消費した方が効果が高く、またしても、みのりんの戦闘力が向上している。
「はぁ……みのりんは、どんどん強くなっていきますねぇ。追い付くのが大変です」
「これは、薬師の修行も頑張らないとですね、ネネさん!」
「はい! これからも、よろしくお願いします!」
「じゃあ、そろそろ帰ろうか。護衛は任せて!」
その後、三人は無事に街へ辿り着き、今度こそ、ネネのクエストは幕を閉じた。
今日は二人とも、もう疲れたので、調薬を試すのは翌日に回し、大人しくログアウトすることに。
初めての大冒険を乗り越えたネネが、どんな調薬を見せてくれるのか、全ては明日のお楽しみである。
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