幼女の、幼女による、幼女のための楽園(VRMMO)
薬師の道
「薬師?」
「はい、薬師はポーションなどを作る生産職です。ほら、治癒師ってMPが切れたら、もう何も出来なくなるじゃないですか。なので、すぐにMPを補給できるように自分で作れるようになろうかと。買うと高いですからね」
黄金虎を討伐し、青龍ことアオを仲間にした翌日。
みのりんとネネの二人は、以前にも利用した【ネバーランド】第1層のオープンカフェで、談笑していた。
今の話題は、ネネが生産職に薬師を選んだというものだ。
生産職はゲーム開始後に選べるもので、戦闘職とは別枠になる。
生産職は定番の鍛冶師を始め、ネネが選んだ薬師や、アイテムを売買する商人など、冒険に役立つものもあれば、装備効果のないコスチュームを製作するデザイナー、購入した家の中に置ける調度品を作る家具職人、宝石をアクセサリーに加工する彫金師など、娯楽関係の職もある。
「なるほどねぇ。私は冒険者を選んだから、生産職は選べないんだよなー」
そう、ステータスを自由に変更できる冒険者は、生産職に就くことが出来ない。
それが出来てしまったら、必要な時だけ必要なステータスに極振りして、高品質のアイテムが作り放題になるからだ。
ちなみに、生産職に就いていなくとも、関連するアクション自体は可能である。
しかし、品質や効果が極端に落ちる上に、上限も設定されているので、とても効率的とは言えない。
「まぁ、仕方ないですよ。調薬は私に任せておいて下さい。あまり戦闘で役に立てない分、こっちで頑張りますから!」
両手の拳を握って、ふんすっ、と鼻息荒く意気込むネネ。
『そんな所も可愛えぇぇぇ……』
と、内心で悶えつつ、みのりんはネネの首元に巻き付くアオを見た。
「でも、ネネちゃんには、もうアオちゃんがいるじゃん。これで、戦闘でも活躍できるんじゃないの?」
「ええっと、それが、そうでもなくて……。どうやら、テイムしたモンスターの能力は、プレイヤーに左右されるみたいで、レベル8の私だと、まだ余り強くないみたいです」
ちなみに修練場の訓練を終えた段階でレベル5、その後パーティーを組んだ、みのりんが黄金虎を倒したことで経験値をもらい、レベル8になった形だ。
「クー……」
主人の落ち込みように反応したのか、アオも頭を垂れて、残念そうな様子。
失敗した、と内心で焦った、みのりんは、すぐさまフォローに入る。
「ま、まぁでも、一緒に成長していく楽しみがあって良いよねっ! あー、私もテイムしたいなー!」
「そ、そうてすか? えへへ、そう言われると照れますねぇ」
「クーッ!」
『ふぅー、危なかったぁ』
みのりんは、心の中で人知れず安堵の溜め息を吐きつつ、話を戻そうと口を開く。
「それはそうと、薬師って、どうやったら成れるの?」
「あっ、えっと、【魔女の家】っていう所に行って、弟子入りすれば成れるらしいです。特に入門試験とかは無いみたいですが、より上級の薬師になりたい時は昇級試験があるそうです」
ところで、この【魔女の家】。
何故か、全ての階層の全ての街に存在する。
また、どの家も、同じ外観、同じ内装で、同じ人物と会える。
これだけなら、ゲームだから、そんなものか、と思うかもしれないが、他の生産職の師匠役は第1層にしか居を構えていない。
そのため、【魔女の家の謎】という名で、【ネバーランド】における都市伝説の一つとなっているのだ。
「ふーん、なら直ぐに済みそうだし、一緒に行こっ。その後は実際に調薬するとこが見たいなっ!」
「えぇ、もちろん構いませんよ。じゃあ、行きましょうか」
「クーッ!」
店員を呼んで会計処理を済ませた二人は、アオとイチャイチャしつつ、【魔女の家】に向かった。
そこで起きる悲劇を、二人はまだ、知らない。
「はい、薬師はポーションなどを作る生産職です。ほら、治癒師ってMPが切れたら、もう何も出来なくなるじゃないですか。なので、すぐにMPを補給できるように自分で作れるようになろうかと。買うと高いですからね」
黄金虎を討伐し、青龍ことアオを仲間にした翌日。
みのりんとネネの二人は、以前にも利用した【ネバーランド】第1層のオープンカフェで、談笑していた。
今の話題は、ネネが生産職に薬師を選んだというものだ。
生産職はゲーム開始後に選べるもので、戦闘職とは別枠になる。
生産職は定番の鍛冶師を始め、ネネが選んだ薬師や、アイテムを売買する商人など、冒険に役立つものもあれば、装備効果のないコスチュームを製作するデザイナー、購入した家の中に置ける調度品を作る家具職人、宝石をアクセサリーに加工する彫金師など、娯楽関係の職もある。
「なるほどねぇ。私は冒険者を選んだから、生産職は選べないんだよなー」
そう、ステータスを自由に変更できる冒険者は、生産職に就くことが出来ない。
それが出来てしまったら、必要な時だけ必要なステータスに極振りして、高品質のアイテムが作り放題になるからだ。
ちなみに、生産職に就いていなくとも、関連するアクション自体は可能である。
しかし、品質や効果が極端に落ちる上に、上限も設定されているので、とても効率的とは言えない。
「まぁ、仕方ないですよ。調薬は私に任せておいて下さい。あまり戦闘で役に立てない分、こっちで頑張りますから!」
両手の拳を握って、ふんすっ、と鼻息荒く意気込むネネ。
『そんな所も可愛えぇぇぇ……』
と、内心で悶えつつ、みのりんはネネの首元に巻き付くアオを見た。
「でも、ネネちゃんには、もうアオちゃんがいるじゃん。これで、戦闘でも活躍できるんじゃないの?」
「ええっと、それが、そうでもなくて……。どうやら、テイムしたモンスターの能力は、プレイヤーに左右されるみたいで、レベル8の私だと、まだ余り強くないみたいです」
ちなみに修練場の訓練を終えた段階でレベル5、その後パーティーを組んだ、みのりんが黄金虎を倒したことで経験値をもらい、レベル8になった形だ。
「クー……」
主人の落ち込みように反応したのか、アオも頭を垂れて、残念そうな様子。
失敗した、と内心で焦った、みのりんは、すぐさまフォローに入る。
「ま、まぁでも、一緒に成長していく楽しみがあって良いよねっ! あー、私もテイムしたいなー!」
「そ、そうてすか? えへへ、そう言われると照れますねぇ」
「クーッ!」
『ふぅー、危なかったぁ』
みのりんは、心の中で人知れず安堵の溜め息を吐きつつ、話を戻そうと口を開く。
「それはそうと、薬師って、どうやったら成れるの?」
「あっ、えっと、【魔女の家】っていう所に行って、弟子入りすれば成れるらしいです。特に入門試験とかは無いみたいですが、より上級の薬師になりたい時は昇級試験があるそうです」
ところで、この【魔女の家】。
何故か、全ての階層の全ての街に存在する。
また、どの家も、同じ外観、同じ内装で、同じ人物と会える。
これだけなら、ゲームだから、そんなものか、と思うかもしれないが、他の生産職の師匠役は第1層にしか居を構えていない。
そのため、【魔女の家の謎】という名で、【ネバーランド】における都市伝説の一つとなっているのだ。
「ふーん、なら直ぐに済みそうだし、一緒に行こっ。その後は実際に調薬するとこが見たいなっ!」
「えぇ、もちろん構いませんよ。じゃあ、行きましょうか」
「クーッ!」
店員を呼んで会計処理を済ませた二人は、アオとイチャイチャしつつ、【魔女の家】に向かった。
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