美香と4

　王家のお茶会が終わり、
タピオカミルクティーも順調に売れ行きを
伸ばしいる。


「まり、なんかさ、
タピオカの売れ行き凄いよね」
「そりゃそうでしょ。日本でもアホみたいに
タピオカ、タピオカって皆言ってたんだから」
「ちょっと、タピオカをバカにしないでよね」


美香は元秘書だけあり、王家の教育が
気になるらしく、一緒に妃教育を
受ける事になった。
「美香も変わり者よね。
妃教育受けてみたいだなんて」
「だって、マナーとかだって、本物よ。
こんなチャンス無いよ」
「そう？私なんて面倒くさくて
しょうがないわ」


「マリー、そう言うな。俺としては
頑張って欲しいがな」
「あっルーファスいたの....」
「二人共、頑張ってるようだな」
「ミリカ嬢、マリーを見張っててくれよ」
「ええ、勿論ですわ」
「マリー、後で、部屋に来てくれよ」
「は～い」


「ほんとに、王子ってまりの事好きよね」
「なんだかね、私の何がいいんだかって
感じだけどね」
「美香は、どうなのよ。
ロイとはどうなってるのよ」
「う～ん。まだ何も。っていうか、
良くわかんないの」
「何？分かんないって、
好きかわかんないって事？」
「違う、違う、私は気になってるんだけど
いまいち、ロイ君の反応が薄いから、
踏み込めないっていうか」
「ロイは、優しいんだけどね～。
草食系だからね～」
「そう、そうなのよ。
なんかね、物足りないっていうかね」
「今度、ロイのけつ叩いておくわ」
「まぁ、マリー様、おけつだなんて、
はしたないっ」
キャハハハっ。


こんな女子トーク出来る日が
来るなんて、思わなかった。


「美香、そろそろ休憩しよっ」
「そうだね」
「今日は日差しも柔らかいから
外でランチでもする？」
「賛成。気持ちいいよね。ここの庭
最高だもん」
「じゃあ、リックに頼んでくるね。
先庭行ってて」
「了解～」


美香が庭に出る。
庭園では、沢山の花が咲き誇っており
見事な景色が広がっている。
「王宮の庭って、ほんと凄いよ。
日本ではなかなか、無いもんね」
美香が花園に足を伸ばす。


ザザザ。
誰かいる気配がする。
それに気が付かず、奥へ進む。


一瞬の隙に、美香の後ろに黒い影がさす。
「きゃ～！」
とっさに、美香が叫ぶ。
まりが、庭園に向かっていた為
「美香？」
急いで、美香の元へと走る。
美香が花園でしゃがみ込んでいる。


「美香っ、大丈夫！どうしたの！」
「な、なんか、後ろに人がっ」
「ライル－！」
ライルがこちらに向かう。
「マリー様、どうされましたか？」
「今、ミリカの後ろに人がいたらしくって」
「はっ、今すぐ捜索いたします」
「宜しく頼んだわよ」


「大丈夫？美香？何かされなかった？」
「う、うん。ただ、気配がしたと思ったら
すぐに後ろに人がいて...」
「もし、それが本当なら、相当、手練れよね」
「美香、今日はもうライルに任せて
帰りましょう」
「う、うん」
美香を見送った後、城の部屋へ戻る。


コンコンコン。
「マリー様、アイリです」
「どうしたの？アイリ」
「庭を掃除してましたら、こんな物が。
あまりにも物騒でしたので、
どうしていいかと...」
アイリから手紙の切れ端のような物が
手渡される。


そこには、走り書きで、
殺す、殺す、殺す....と殴り書きのような
筆跡で、記してあった。
切れ端でも、恐らく全ての紙に
びっしりと書いてあるだろう。と想像出来る
ほどだった。


「アイリ、報告ありがとう。また何か
あったら連絡してちょうだい。
この事は、皆にはだまっておいてね」
むやみに、使用人達を怖がらせてもいけない。


今日の事と言い、まさか....
少し、探りを入れましょ。


机に手紙の切れ端をしまったのであった。