これって悪役令嬢?!私の生き方貫きます!

ノベルバユーザー417511

美香と3

 王家のお茶会の日がやってきた。
まりは、美香とケンカしてから、
一切の連絡を取っていなかった。


「マリー今日は、ミリカ嬢とは
一緒じゃないのか」
ルーファスが尋ねる。
「知らないっ、ミリカさんて、
強情なんだもん」
「なんだ、俺の約束を忘れるぐらい
仲良かったのに、もう喧嘩したのか」
ルーファスがまりの頭を撫でる。
「ちょっと、子供扱いしないでよねっ!」
「らしくないぞ。後悔してるんだろ?」
「う...」
本当は、言い過ぎたと後悔してるのだ。


ロイが帰って来てからも、
「ねーさん、親しき仲にも礼儀ありって
言ってね...」
親父みたいな説教されるし。
分かってるの。頭に血が昇ると、
つい言っちゃいけない事言っちゃうの。
謝りたくても、美香が連絡くれないんだもん。


今日はタピオカミルクティーを試作で
出す日だから、さすがに来ると思うんだよね。


お茶会が始まった。
タピオカミルクティーは、新食感な為
皆も興味津々で、評判も悪くないようだ。


「マリー様、この飲み物、モチモチしてて
美味しいですわ!どこで買えますの?」
「それはですね、アドヴァンス商会から
これから、商品化して行こうと思ってますの」
「まぁ、是非、家でもお茶会で
出したいですわ」
「私もお願い致します」
かなり、女性に高評価なようだ。


早く、美香来てよ。


すると、一人の女性が
「この飲み物のどこが、美味しいんですの?」
と言い出したのだ。
良く聞いていると、
「本来の紅茶の風味は台無しにしてるし、
冷たいなんてもってのほかです。
この変な食感の異物だって、
なんだか分かりませんですわよ」


まりの頭に血が昇ってくる。
さっき、反省したばかりでもうこれだ。


マリーが、
「感想は人それぞれです。
仰りたいのは、分かりますが、
皆を賛同させて、商品の品質まで
落とす事を言うのはお辞め下さい」


「マリー様。ですが...きっと
アドヴァンス商会の娘が媚び
売ってるんですわ」


「マリー様に近付いて、公爵家の後ろ楯
を欲しいからに決まってます!
それが証拠に私観ましたもの。
ロイ様の馬車から一人で出てくる
ミリカさんを。マリー様も
騙されているんですわよ」


ロイが美香の手を引いて、こちらに
やってくるのが見える。


皆が、祈る。それ以上言ったら....


「そこまでです。あなたお名前は?」
女性は、ほっとしたように
「ホールズ商会のイザベルと申します」
マリーは静かな時ほど怖い。


「まぁ、あなたが....
イザベルさん、お聞きしますが
あなたは、ご自分で何か努力された
事がありますの?」
「い、いえ特には」
「そうですわよね。交流の場に来て
貴族の殿方に気に入られる事しか
考えてなさそうですもの」
「なんですの?」


「私、そう言った人、大嫌いですの。
身分欲しさに、努力もせず人を陥れる事しか
考えてないバカなお嬢さんが」
だんだんと、言葉も荒くなる。


「それにね、ミリカはね、
大切な私の友達なのよ。あんたにとやかく
言われたくないっての。
あんた、今の顔、鏡で見てみな。
物凄い、不細工な顔してるからっ!
今度、ミリカの事悪く言ったら
私が許さないよっ!」


「っ!!お父様~!」
と叫びながら、逃げ出す。
何がお父様~だ。おとといきやがれってんだ。


「まり....」
美香が話しかける。
「ミリカ、ごめんね。
早く謝りたかったんだけど...」
「ううん、いいの。私もちょっと
情緒不安定だったみたいだから」


「それにしても、マリー様、さっきのは
言い過ぎではありません事?あんまり言うと
お可哀想ですわよ?」
「だってさ、ミリカの事悪く言うんだもん」
「いつも、ありがとうっ」
まりと美香が抱き合う。
ロイも遠目で優しく見守る。


「マリー、たまには俺にも
抱きつい欲しいもんだ」
ルーファスが口に出す。
「バ、バカ言わないでよっ!恥ずかしい!」
ルーファスがマリーを、
抱きしめ、頭を撫でる。


「あ~、見てらんない。ロイ君行こっ」
美香がロイの手取り、歩き出す。
「う、うん」
ロイの顔も赤いが、嬉しそうだ。


その夜、
「絶対、許さないんだから。
マリーもミリカも」
唇が血で滲む程かみしめるイザベルがいた。



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