これって悪役令嬢?!私の生き方貫きます!

ノベルバユーザー417511

不穏な影5

 ライルがマリーを捕らえ、
地下牢に連れていく。
「久しぶりね。元気にしてたのかしら?
こんな時に言う事じゃないけど」
ライルは返事をしない。


「ライルっ!こちらを向きなさい!」
マリーが怒鳴る。


苦しそうに、顔を歪めこちらを向く。


「今、何が起こっているの?
いったい、テレスとは何者なの?」


マリーはペンダントを取り出し、
「これを見なさい。
きっと、ルーファスのペンダントは
もう真っ黒になってるはずよ」
「マリー様.....」


ライルが、ポツポツとこれまでの経緯を
話し始める。


「私は、取り返しのつかない事を
してしまいました」
「そうね、とんでも無い事をしたわね」
「私は、私の命と変えて償いをします」


「そう」
静かに返事をする。
「じゃあ、そうしなさい。
死にたければ、死ねばいいわ」
ライルは黙ってうつ向く。


「だけど...私は諦めないわよ」


数分の沈黙の後、


「もう、ホンっとに、ライルは頭が固いのね」
マリーが微笑む。
「マリー様....」
「ライル、答えは一つじゃないのよ。
同じ所しか見てなかったら、何も見えて
なんて来ない。だけど、
真実を知りたいのであれば、
大きな視野から物事を見なさい。
主が危険なら助け、道を間違えれば、
正しなさい。それが、本当にその人に
仕えるって事よ」


ライルは唇を噛みしめ、
「マリー様、私はどうすれば」
「ライルはもう一回、死んだんでしょ?
なら、私にその命預けなさい。
私があなたの罪も一緒に背負うわ」


「こうなったもの、私が原因でも
ある事だしね」
「王子と同じ事を!」
「マリー様、今までの無礼大変.....」
「そんなの、後でいくらでも聞くわ。
ライル、私に剣を貸して」
「ですが...」
「いいから、早くっ」
マリーに剣を渡す。


ライルの腕を後ろに取り、
首に剣を当てる。
広間に戻り、
「皆のもの、よく聞きなさい!この者を
殺されたくなかったら、今すぐ馬を
用意しなさい」
大きな声で叫ぶ。


広間は大騒ぎになる。
「な、なんて事を」「まぁ、大変ですわ」
貴族達が口々に言う。


護衛の者が集まり、マリーを
捕らえようとする。
「近寄ったら、首を切るわよっ!」
ライルが
「すまない、皆、用件を飲んでくれ」
ジリジリと後退しながら、妖精の森へと
続く門へ近付く。
そこへ、リックが
「お嬢さん、馬を連れてきたよ」
小さな声で告げる。


「やめてくれ~、私を殺さないでくれ~」
いきなり、芝居がかったように、
のたうち回る。すると、大勢の侍女達が
護衛の者を邪魔するように
「まぁ~大変。どうしましょ~」
「お前達、邪魔だ。どけっ」
しかし、皆その場をどこうとしない。
「今の内だ。お嬢さん」
「助かったわ」
リックがウインクする。


マリーとライルは、馬に乗り
妖精の森へと向かう。


「あの、小娘」
「皆、何をしている!早く追え!」
テレスが怒り狂いながら叫ぶ。
「はっ只今!」
「殺すんじゃないよ。
生け捕りしにて連れてきなっ」
テレスは苛立ちを隠せない。


一方、マリーとライルは
「これでは、マリー様が悪くなるのでは」
「いいのよ。だって私、悪役令嬢ですもの」
「それより、急ぐわよ!」


マリーとライルは妖精の森へと
向かうのであった。



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