これって悪役令嬢?!私の生き方貫きます!

ノベルバユーザー417511

祝賀会にて。

 祝賀会が始まろうとしている。


「マリー準備は出来たか?」
「えぇ」
淡いブルーの洗練されたドレスに
ブルーのイヤリング。
栗色の髪が、振り向いた時にふわっと踊る。


「マリー、綺麗だ...誰にも、
見せたくない···」
「何言ってるのよ!いつもと一緒でしょ!」
恥ずかしくて顔が赤くなる。


「まだ行きたくないがな、そろそろ行くか」
ルーファスが腕を出す。
マリーは、それを掴む。
そして、ルーファスが頭にキスを落とす。


「だから~!皆の前でそういう事しない
でって!約束したでしょ!」
「二人の時だけな」
「だから、もうっ」
全然聞いてないんだから。
恥ずかしいんだってば。
マリーもまんざらではないようだ。


ルーファスと会場に入る。
令嬢達がうっとりした顔で、
「ルーファス様、素敵」
「でも、もうマリー様が
いらっしゃいますもんね」
「悔しいけど、お似合いですわ」
などと、声が聞こえてくる。


皆、ごめんなさい。
妖精の森で、あいつの弱さを見てから、
力になってあげたい。って思っちゃったんだ。
これが好きとかは、いまいちピンとは来て
ないんだけど、人間らしくて、いいなって。


ホント、美香がよく言ってた。
好きなタイプとは、違う人の事好きになる
事が多いって。
まさか~。って思ってたけど
以外とそうなのかも。
自分の気持ちが、整理出来たら
ルーファスに本当の事言おうと思う。
どうなるかなんて分からないけどね。
行動しなきゃ未来は変わらない。でしょ?




ルーファスの挨拶が終わり、
マリーの側に戻って来た。
「マリー嬢、私と踊ってはくれませんか?」
ルーファスが右手を差し出す。
「えぇ、しょうがないから、踊ってあげても、
宜しくってよ!」
「有りがたき、幸せ。では、こちらへ。
お嬢様」
マリーがルーファスの手を取り、
二人は笑い合う。


ダンスも終わり
「ねぇ、喉乾かない?」
ライルがすぐさま、
「王子こちらをどうぞ」ワインを差し出す。
「私も飲みたいんだけど」
「マリー様にはこちらをどうぞ」
果実のジュースを手渡される。


ライルの喉が鳴る。じっと王子を見つめる。
「ライル、どうした?何かあるのか?」
「い、いえ、何も」


しばらくすると、ルーファスが
「少し目眩がする。ちょっと座らせてくれ」
「酔いが、まわったのかもしれん」
「ルーファス大丈夫?」
マリーがルーファスを支え、椅子に座らせる。
「ライル、私、お水持ってくるわ。
ルーファスを見ててね」
「かしこまりました。マリー様」
急いで、水を持って戻ってくるマリー。
「ルーファス、大丈夫?水を持ってきたわ」


「.........................」


「誰だ...お前は。何故、
俺の名を呼び捨てにする」
「ルーファス?」
「王子は、お疲れなのです。マリー様。
今日はもう帰られた方が宜しいかと」
「でも....」
「又明日、教育がありますから
その時にでも」
「えぇ、分かったわ」
「ルーファス、無理をしないようにね」
腑に落ちないまま、会場を後にする。


「ライル、あれは誰だ?」
「さぁ、誰なのでしょう?王子を狙う、妄想の激しい令嬢なんではないですか?」
「そうか、俺に近付けるなよ」
「かしこまりました」


なーんか、おかしいわね。
ルーファスが私を分からなかった?
聞き間違いかしら?
とにかく、明日城に行って
確かめましょう。


ペンダントの色が変わっている事に
まだ気がつかないマリーであった。

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