採集者の役得

赤猪千兎

収集者の死闘⑤

ローグが完全に気を失った後、暗黒龍は地面に無防備に倒れる獲物を鋭い目で見ていた。
食らうのか、それとも踏みつけて息の根を止めるのか、意識のないローグをどうやって殺すか考えているのだろう。仁王立ちする暗黒龍の身にそれは起きた。
頭に刺さるローグが投げた『エンダーナイフ』は、暗黒龍の身長からしてそのあたりの最も高く位置していた。それは、避雷針の役割をして、一筋の晴天の霹靂、山を崩した原因であった雷が暗黒龍、否、暗黒龍の頭に刺さる『エンダーナイフ』目掛け落雷した。
GAAAAAAAAAAAAyaaaaaaaaa!!
見事に脳天に直撃した暗黒龍の断末魔がその森中に響き渡った。
先程、山頂の木に落ちた雷とは勢いが段違いなその一撃は見事、会心の一撃となり暗黒龍を殺した。
ズシンと重い地響きを鳴らしながら、落雷で全身丸焼きな見るに堪えない暗黒龍は地面に倒れるローグにぶつからない手前で倒れた。
その空間に居る二体のは両社ピクリとも動かない状態にいた。一体は瀕死の状態で気絶し、もう一体は最強の生物だが奇跡が重なり死体となった。
その状況は先ほどの騒ぎとは裏腹に、シーンと静まり返っていた。
そんな二体しか存在しない空間の中、その静寂を壊し突如流れたのは機械音だった。

レベルアップ、レベルアップ、レベルアップ、レベルアップ、レベルアップ、レベルアップ、レベルアップ、レベルアップ、レベルアップ、レベルアップ、レベルアップ、レベルアップ、レベルアップ、レベルアップ、レベルアップ、レベルアップ、レベルアップ、レベルアップ、レベルアップ、レベルアップ、レベルアップ、レベルアップ、レベルアップ、レベルアップ…………

鳴りやまないその音が差すのは気付きもしない気絶中のローグからだ。
その日、その時、その場所から彼の、『勇者』誰よりも憧れ『勇者』になれなかった青年ローグの運命が変わる瞬間だとは知らずに。

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