採集者の役得
収集者の死闘④
だから死ねないっ!
走馬灯から何故自分が『勇者』に憧れを抱いたか、何故なりたいと思ったのかを再確認できたローグは、断末魔を上げながら、体を丸ごと握られていた暗黒龍の手を、握力を振りほどき、その隙をみて腰に差していた『エンダーナイフ』を手に構え、
「『投擲』!」
最後の力を振り絞り、地面に落ちていく中『エンダーナイフ』を暗黒龍の頭目掛けて投射した。
スキル『投擲』とは、現在ローグの天職『採集者』が唯一覚えることが出来る攻撃系スキルで、その効果は投擲した物の速度や命中率を上げるものだった。
普通、暗黒龍とのレベル差からして低レベルの駆け出し冒険者であるローグの『投擲』など簡単に避けることが出来るのだが、その時だけは違った。
相当な大ダメージを負っていた体に落石という追加ダメージを負った為、意識が朦朧としていた暗黒龍は回避することなく、ローグが投射したエンダーナイフを頭に食らってしまった。
見事突き刺さったエンダーナイフだったが、やはりレブル差は馬鹿にできず、そのダメージは暗黒龍に対して微々たる量で、生死を分ける一撃とはならなかった。
「糞くらえっ、暗黒龍……」
受け身も取れず、そのまま地面に落ちるローグはそう捨て台詞を吐き、落下した衝撃で気を失った。意識が遠のくなか、頭にエンダーナイフが刺さっているにも関わらずのうのうと生きている暗黒龍が見えて、再び死を覚悟した。だが、最後まで抗った自分が、その時だけ『勇者』になれた気がしたのだった。
走馬灯から何故自分が『勇者』に憧れを抱いたか、何故なりたいと思ったのかを再確認できたローグは、断末魔を上げながら、体を丸ごと握られていた暗黒龍の手を、握力を振りほどき、その隙をみて腰に差していた『エンダーナイフ』を手に構え、
「『投擲』!」
最後の力を振り絞り、地面に落ちていく中『エンダーナイフ』を暗黒龍の頭目掛けて投射した。
スキル『投擲』とは、現在ローグの天職『採集者』が唯一覚えることが出来る攻撃系スキルで、その効果は投擲した物の速度や命中率を上げるものだった。
普通、暗黒龍とのレベル差からして低レベルの駆け出し冒険者であるローグの『投擲』など簡単に避けることが出来るのだが、その時だけは違った。
相当な大ダメージを負っていた体に落石という追加ダメージを負った為、意識が朦朧としていた暗黒龍は回避することなく、ローグが投射したエンダーナイフを頭に食らってしまった。
見事突き刺さったエンダーナイフだったが、やはりレブル差は馬鹿にできず、そのダメージは暗黒龍に対して微々たる量で、生死を分ける一撃とはならなかった。
「糞くらえっ、暗黒龍……」
受け身も取れず、そのまま地面に落ちるローグはそう捨て台詞を吐き、落下した衝撃で気を失った。意識が遠のくなか、頭にエンダーナイフが刺さっているにも関わらずのうのうと生きている暗黒龍が見えて、再び死を覚悟した。だが、最後まで抗った自分が、その時だけ『勇者』になれた気がしたのだった。
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