採集者の役得

赤猪千兎

採掘者の死闘②

瞳を閉じて、死を覚悟したローグは死ぬ寸前に見ると言われている走馬灯を見ていた。




ローグは捨て子として町の修道院で赤子の頃に引き取れれたらしい。
親の名も、顔も知らぬままこれまでの人生を歩めてきたのは、様々な人の助けもあるが一番は『勇者』という英雄に憧れを抱いていたことが大きな心の支えであった。
そんな『勇者』と出会ったのは五歳のころだった。

「それじゃあ、読み聞かせ始めるよー」

「「「「はーい!」」」

その頃、修道院にはローグのように捨て子ではないが、学校扱いとして同年代の子供が数名遊びに来ていた。
そして、その日はボランティアで支給された絵本の読み聞かせの日だった。
その話は、勇者が魔王やドラゴンを倒し姫を助けるというテンプレ要素満載な話だった。
親に捨てられ周りから可哀そうな目で同情される日々を送っていた少年のローグは周りに期待も信頼一切しない病み切った子だった。
光の灯らない瞳に移ったその『勇者』の第一印象は「お人好し」だった。
困っている人を見つけては片っ端から助け、悪者が居れば見返りなしに戦う。そんな存在『勇者』に嫌悪感を抱いていた。

「誰だって助ける奴が一番の悪者なんだ」

助けられたものは惨めになり、また一人で生きる方法を見失う。
今のローグのように。
親を憎み、周りの皆を憎み、運命を憎んだ。

そんなローグにある事件が起こる。















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