月に水まんじゅう
10 将来
受験勉強が終わったらしく、月姫が久しぶりにネットゲーム『KR』にログインしてきた。
月姫:おっす
☆乙女☆:おひさー^^
ミスト:hi
KAZU:こn
1598:こんですー
ミスト:受験終わったのか
月姫:おわったおわったw
KAZU:受かりそうか?
月姫:たぶんw
☆乙女☆:おめ^^
月姫:ありw
☆乙女☆は他のギルドメンバーとも遊ぶし、初対面の人ともパーティを組んできたが、やはり月姫がいるとほっとする。
今夜は敵国との戦争があり、久しぶりに月姫と対人戦にいくことになった。『アンダーフロンティア』のメンバーは、現在二十名ほどで構成されている。戦争に参加するものは八人で、ちょうど一パーティだ。
いつものように☆乙女☆が防御力を上げ、月姫が撹乱させたのち、戦士のミストとKAZUが斬り込んでいく。
狙われやすい☆乙女☆には、常にミストが盾になっている。混戦ではぐれかけていても、月姫が魔法で安全地帯に引き寄せる。
☆乙女☆は命を守る仕事だが、自身もよく守られている。たかがゲームなのに、現実よりリアリティを感じる。そして守りたい意志と、守られている安心感を得るのだ。
KAZU:おつー
ミスト:おつ
1598:またよろですー
月姫:おつノ
☆乙女☆:^^ノシ
・∀・:ノノ
戦争が終わり、パーティが解散された。大半はログアウトし、ミストも眠いと言って去った。
月姫:なんか狩るか?
☆乙女☆:そうだねえ姫がやるなら
ペアで、気軽な狩りをする。
☆乙女☆:姫は大学いったらどうするの?
月姫:俺教師になるよw
☆乙女☆:へーかっこいいな
月姫:乙女のにーちゃんのほうがすごいだろw医者だしw
☆乙女☆:教えるのもすごいと思うよ
月姫:乙女は来年受験だろ
月姫:大学行くの?
☆乙女☆:ううん無理無理ww調理師学校いくんだ
月姫:ほーなんか意外w
☆乙女☆:ご飯大事だからねw
月姫:まあ一番大事かもなww美味い飯ww
月姫にはなんでも話していた。家族に、何を話しても反対されることはないが、強く関心を持ってもらえることもなかった。それは星奈自身が、家族に負担を掛けまいとする姿勢からの結果ではあるので、しょうがないと言えばそうだが少し寂しい。
月姫に話せば、一緒に盛り上がってくれ、自分の選択が肯定される気がする。現実世界では、親友の新田美優が星奈のことを一番よく知っているが、このネットゲームには関心がない様で、深まることはなかった。
恋愛話になり、星奈は同じギルドメンバーであるミストに憧れている話を美優にしてみたが、彼女は芸能人に対するファン心理のように捉えたらしく、軽く流されてしまった。
そして、その気持ちを知っているのも月姫だけなのだ。自己主張の弱い星奈だが、自分の事を知ってくれている人がいると、心に灯ががともっているような気がする。
腐らず曲がらずにここまでこれたのは月姫のおかげだろう、と久しぶりに遊んで実感していた。
月姫:おっす
☆乙女☆:おひさー^^
ミスト:hi
KAZU:こn
1598:こんですー
ミスト:受験終わったのか
月姫:おわったおわったw
KAZU:受かりそうか?
月姫:たぶんw
☆乙女☆:おめ^^
月姫:ありw
☆乙女☆は他のギルドメンバーとも遊ぶし、初対面の人ともパーティを組んできたが、やはり月姫がいるとほっとする。
今夜は敵国との戦争があり、久しぶりに月姫と対人戦にいくことになった。『アンダーフロンティア』のメンバーは、現在二十名ほどで構成されている。戦争に参加するものは八人で、ちょうど一パーティだ。
いつものように☆乙女☆が防御力を上げ、月姫が撹乱させたのち、戦士のミストとKAZUが斬り込んでいく。
狙われやすい☆乙女☆には、常にミストが盾になっている。混戦ではぐれかけていても、月姫が魔法で安全地帯に引き寄せる。
☆乙女☆は命を守る仕事だが、自身もよく守られている。たかがゲームなのに、現実よりリアリティを感じる。そして守りたい意志と、守られている安心感を得るのだ。
KAZU:おつー
ミスト:おつ
1598:またよろですー
月姫:おつノ
☆乙女☆:^^ノシ
・∀・:ノノ
戦争が終わり、パーティが解散された。大半はログアウトし、ミストも眠いと言って去った。
月姫:なんか狩るか?
☆乙女☆:そうだねえ姫がやるなら
ペアで、気軽な狩りをする。
☆乙女☆:姫は大学いったらどうするの?
月姫:俺教師になるよw
☆乙女☆:へーかっこいいな
月姫:乙女のにーちゃんのほうがすごいだろw医者だしw
☆乙女☆:教えるのもすごいと思うよ
月姫:乙女は来年受験だろ
月姫:大学行くの?
☆乙女☆:ううん無理無理ww調理師学校いくんだ
月姫:ほーなんか意外w
☆乙女☆:ご飯大事だからねw
月姫:まあ一番大事かもなww美味い飯ww
月姫にはなんでも話していた。家族に、何を話しても反対されることはないが、強く関心を持ってもらえることもなかった。それは星奈自身が、家族に負担を掛けまいとする姿勢からの結果ではあるので、しょうがないと言えばそうだが少し寂しい。
月姫に話せば、一緒に盛り上がってくれ、自分の選択が肯定される気がする。現実世界では、親友の新田美優が星奈のことを一番よく知っているが、このネットゲームには関心がない様で、深まることはなかった。
恋愛話になり、星奈は同じギルドメンバーであるミストに憧れている話を美優にしてみたが、彼女は芸能人に対するファン心理のように捉えたらしく、軽く流されてしまった。
そして、その気持ちを知っているのも月姫だけなのだ。自己主張の弱い星奈だが、自分の事を知ってくれている人がいると、心に灯ががともっているような気がする。
腐らず曲がらずにここまでこれたのは月姫のおかげだろう、と久しぶりに遊んで実感していた。
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