太陽の申し子〜竜に選ばれた少年の旅物語〜
40.げっ
「よくわかってらっしゃる」
村長さん?も思ってたみたい。
ん? だとすると
「メウス様は【王種】と交渉するつもりなのです」
「そうそう協力してくれるとは思わんがなぁ」
うん。ルイフが優しかったのは僕が太陽の申し子だったってのが大きいだろうし。
でも一般人の望みならともかく、北の領土全て支配できるような大聖女ならあるいは
「いや、協力とまではいかなくてもやり方は教えて貰えるのではないかと。不動の大賢者ならば」
「黒亀ね。確かにあれなら何かしらのヒントはくれそう」
黒亀 オブシディジェイルは2つ名の通り黒い亀らしい。【王種】の中で最もでかいとされている。
それでオブシディジェイルが不動の大賢者を意味するんだったかな?
いわゆる古代語。結構知らぬ間にみんな古代語を使ってるよね。
多分みんなは伝承から来てる黒亀が知識を司るって言われてるからだと思う。
というか僕もそうだと思ってるし。
「で、それが大聖女の目的か。なんか聞いたところであんまり俺たちには関係なさそうだよな」
「確かに。直接的には関係ないかもしれませんね。ただ吐けと言われ…脅されたので」
最後、訂正しない方がよかったよ。
「私は知れてよかったわ。あの方に報告できるし」
「あの方って?」
「アレン、アンナはこう見えて力のある魔人族だ。こいつが言うあの方は大魔女だろ」
あ。村長さん?がしまった!忘れてた!って顔してる。
心配になってくるなぁ。
─────────────────────────
(そうだ、タマ。結局あの人が僕たちの命を狙ったのってなんだったの? 魔人族にそこまで恨みがあるのかな。一応村を救ったのに。)
初めの村を出て少し経った頃にふと気になったので尋ねてみた。念話なのは舌を噛まないようにする為だ。
うん、結局ルビアスには乗れなかった。
いや、乗れるんだけど鱗がね。太腿に擦れて痛くて……また今度、鞍かなにかをタマに作って貰ってから再度挑戦してみるつもりだけど。
だからタマは今は猫の姿で……ではなく、馬術を知らないアンナと一緒に跨っている。美男美女が一頭の馬に跨って……これは!
(ああ、大聖女のとこは階級があってな。大神官を最上位職としていくつかあるんだが、あいつは最近やらかしちまったようでな。一気に階級を下げられて村の祭司になったらしい。元は、それこそ大聖女の隣で仕事してるようなやつだったがな。)
(ええ、一体何したのあのじいさん……)
(別にそこまでの事じゃない気がするけどな。確か大魔女に協力を求めるように大聖女に提案したらしい。何についてかは分からなかったんだが、話してたことだろうな。)
大聖女とか大魔女とか。ややこしいな
もっと分かりやすくしてよ
てかそんなことかよ!
どんだけ嫌ってんの……
(まあそんなこんなで、領土の極端まで飛ばされて、一刻も早く戻りたかったっぽいな。それで恩知らずだとは思っても魔人族を連れてた俺たちを襲ったって感じだな。)
(なるほど!)
でもなんかしっくり来ないような?
いやまあ理由としては間違ってないのか?
(…にしても馬はいいな~。楽だし速い! 転移する方が速いけどこれはこれで旅が楽しめる)
[ちょっとタマさん! 転移が使えるなら使いましょうよ! 魔力沢山あるんですし!]
あと、さっきの事でアンナが少し焦ってた理由が分かった。
黒装束のことだよね。大魔女のとこにも攻めてるかもしれないからってことだろうけど
ぶっちゃけ、焦る意味、というか心配するまでもないような気がするな
だって、下っ端とはいえ相手があれなら大魔女とかいう大物が苦戦するわけないでしょ
タマの見立てだと僕より強いっぽいし……それどころかタマよりも
(焦るなアンナ。焦ってもいいことないぞ。急ぐぐらいなら落ち着いて、ゆっくり考えて行動するべきだ。焦ったせいでよからぬ結果を生むことはよくある。)
[でもやっぱ……]
(僕も賛成かな。というか僕達より強い人がやられてたらやりようがないって。あ、ギリュアリュまであとどれぐらいなの?)
[ちょっと待ちなさいアレン。あいつらの目的忘れた? この大陸の支配者達への復讐よ?]
(でもそれってタマの推理じゃ……)
(いや~、推理だが十中八九当たってる自信があるぞ?)
(ありゃ)
てことはだ。そいつらは大魔女を倒せるかもしれないってことか
ならやっぱり急ぐべきなんじゃ
(ま、あいつの実力なら大丈夫だろ。)
適当だ! こいつ!!
[私も正攻法なら負けはしないとは思いますけど、もし奇襲にあったら……]
(それこそ杞憂じゃないか? あいつに奇襲とか……無理だろ)
(なに、タマ会ったことあるの?)
(ん? そりゃ過去に……)
─ブチッ
([(え?)])
念話に介入してきた!?
一体誰が!
[ふむ、繋がったか。]
[こ、この声は……!]
(げっ)
(誰だよ!)
村長さん?も思ってたみたい。
ん? だとすると
「メウス様は【王種】と交渉するつもりなのです」
「そうそう協力してくれるとは思わんがなぁ」
うん。ルイフが優しかったのは僕が太陽の申し子だったってのが大きいだろうし。
でも一般人の望みならともかく、北の領土全て支配できるような大聖女ならあるいは
「いや、協力とまではいかなくてもやり方は教えて貰えるのではないかと。不動の大賢者ならば」
「黒亀ね。確かにあれなら何かしらのヒントはくれそう」
黒亀 オブシディジェイルは2つ名の通り黒い亀らしい。【王種】の中で最もでかいとされている。
それでオブシディジェイルが不動の大賢者を意味するんだったかな?
いわゆる古代語。結構知らぬ間にみんな古代語を使ってるよね。
多分みんなは伝承から来てる黒亀が知識を司るって言われてるからだと思う。
というか僕もそうだと思ってるし。
「で、それが大聖女の目的か。なんか聞いたところであんまり俺たちには関係なさそうだよな」
「確かに。直接的には関係ないかもしれませんね。ただ吐けと言われ…脅されたので」
最後、訂正しない方がよかったよ。
「私は知れてよかったわ。あの方に報告できるし」
「あの方って?」
「アレン、アンナはこう見えて力のある魔人族だ。こいつが言うあの方は大魔女だろ」
あ。村長さん?がしまった!忘れてた!って顔してる。
心配になってくるなぁ。
─────────────────────────
(そうだ、タマ。結局あの人が僕たちの命を狙ったのってなんだったの? 魔人族にそこまで恨みがあるのかな。一応村を救ったのに。)
初めの村を出て少し経った頃にふと気になったので尋ねてみた。念話なのは舌を噛まないようにする為だ。
うん、結局ルビアスには乗れなかった。
いや、乗れるんだけど鱗がね。太腿に擦れて痛くて……また今度、鞍かなにかをタマに作って貰ってから再度挑戦してみるつもりだけど。
だからタマは今は猫の姿で……ではなく、馬術を知らないアンナと一緒に跨っている。美男美女が一頭の馬に跨って……これは!
(ああ、大聖女のとこは階級があってな。大神官を最上位職としていくつかあるんだが、あいつは最近やらかしちまったようでな。一気に階級を下げられて村の祭司になったらしい。元は、それこそ大聖女の隣で仕事してるようなやつだったがな。)
(ええ、一体何したのあのじいさん……)
(別にそこまでの事じゃない気がするけどな。確か大魔女に協力を求めるように大聖女に提案したらしい。何についてかは分からなかったんだが、話してたことだろうな。)
大聖女とか大魔女とか。ややこしいな
もっと分かりやすくしてよ
てかそんなことかよ!
どんだけ嫌ってんの……
(まあそんなこんなで、領土の極端まで飛ばされて、一刻も早く戻りたかったっぽいな。それで恩知らずだとは思っても魔人族を連れてた俺たちを襲ったって感じだな。)
(なるほど!)
でもなんかしっくり来ないような?
いやまあ理由としては間違ってないのか?
(…にしても馬はいいな~。楽だし速い! 転移する方が速いけどこれはこれで旅が楽しめる)
[ちょっとタマさん! 転移が使えるなら使いましょうよ! 魔力沢山あるんですし!]
あと、さっきの事でアンナが少し焦ってた理由が分かった。
黒装束のことだよね。大魔女のとこにも攻めてるかもしれないからってことだろうけど
ぶっちゃけ、焦る意味、というか心配するまでもないような気がするな
だって、下っ端とはいえ相手があれなら大魔女とかいう大物が苦戦するわけないでしょ
タマの見立てだと僕より強いっぽいし……それどころかタマよりも
(焦るなアンナ。焦ってもいいことないぞ。急ぐぐらいなら落ち着いて、ゆっくり考えて行動するべきだ。焦ったせいでよからぬ結果を生むことはよくある。)
[でもやっぱ……]
(僕も賛成かな。というか僕達より強い人がやられてたらやりようがないって。あ、ギリュアリュまであとどれぐらいなの?)
[ちょっと待ちなさいアレン。あいつらの目的忘れた? この大陸の支配者達への復讐よ?]
(でもそれってタマの推理じゃ……)
(いや~、推理だが十中八九当たってる自信があるぞ?)
(ありゃ)
てことはだ。そいつらは大魔女を倒せるかもしれないってことか
ならやっぱり急ぐべきなんじゃ
(ま、あいつの実力なら大丈夫だろ。)
適当だ! こいつ!!
[私も正攻法なら負けはしないとは思いますけど、もし奇襲にあったら……]
(それこそ杞憂じゃないか? あいつに奇襲とか……無理だろ)
(なに、タマ会ったことあるの?)
(ん? そりゃ過去に……)
─ブチッ
([(え?)])
念話に介入してきた!?
一体誰が!
[ふむ、繋がったか。]
[こ、この声は……!]
(げっ)
(誰だよ!)
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