太陽の申し子〜竜に選ばれた少年の旅物語〜
23,年寄り強くね?
(……というわけで、貴方には彼女を鍛えてやって欲しいのです。)
「心得申した」
え……誰よこの爺さん。
鍛えるって、鑑定眼を?
出来るかしら……いや待って!
この人、ただの爺さんかと思ったらとんでもない魔力量ね。
タマさん達にはそりゃ劣るけど、私なんかよりかは全然高い。
あの方には届かないまでにしても、人族でこれはバケモンね。
「さてと。お主、歳はいくつになる」
レディーに対して年齢を聞くなんて非常識ね。
まぁいいわ、答えてあげましょう。
「ふん、見た目で判断しないでもらえるかしら? 今年で122歳よ」
「そうかそうか、若くて羨ましいのぉ」
「は? 確かにそうだけど、貴方からしたら違うでしょ」
「こら、儂のことはこれからは師匠と呼ぶように。そして別に違くないわ。恐らく儂はお主の祖父母よりも歳上じゃよ」
「はぁ!?」
ふざけたことを……
何が師匠と呼べ。よ。
それに魔人族の寿命を分かってるのかしら?
そりゃエルフとかなんかよりかはずっと短いけれど、それでも人族の10倍は平均寿命が長い。
私のお婆ちゃんももう906歳になる。
この人、本当に何者?
いや、そんなこと言い出したらアレンとかタマさんとかのことも……
あぁ、上げだしたらキリがないわ。
「よし、静かになったな。では始めようかの」
そう言ってお爺さんが魔法を構築、発動。
……無詠唱。
あの方と一緒。
発動された魔法は、まさか!
空間魔法!?
「結界を張るのも考えたが、こっちの方が悟られないからの」
「悟られるって、誰に」
「あぁ、グローリアの小僧共じゃよ」
「え?」
グローリアの小僧共って、大陸最強騎士団のグローリア?
いるの?
こんな辺境の村に?
「この空間内で、お主にはいくつかの魔法を習得してもらう」
あら?
鑑定眼ではなかったのね。
でもこの私に魔法を教えようなんてあんまり調子に乗らないでもらいたいわ。
確かに無詠唱で空間魔法とか普通じゃ考えられない事をやってるようだけど、別にあの方も出来るはずだし凄くはないわ!
ええ! 凄くはないわ!
驚いちゃったのは突然だったからよ。そうよ。
「そうじゃのう。日数的に無詠唱か空間魔法までは覚えてもらおうかの」
まぁここは言うことを聞いた方が得策ね。
自分の戦力アップにも繋がるだろうし。
「ふむ、便利だし空間魔法じゃな。戦闘はアレンに任せればいいじゃろ」
「分かったわ。ちなみに期限は?」
「あやつらがもう数週間後に出発するはず。じゃからそれからもう数日後の、だいたい20日ほどかの」
……無理よ。
そんな1ヶ月も無い期間に……
簡単に覚えれたなら、もっと早くから私は習得していたし。
「不可能だわ!」
ここは正直に言うべきね。
時間の無駄になる。
「それを可能にするのが、師匠であるこの儂の務めじゃな。そう悲観的になるな。まぁ大船に乗ったつもりでいなさい」
「そんなに言うなら……」
「うむうむ、ではやるぞ。まずは魔法の基本となる……
───────────────────
よーし、村長かかってこい!
この数日の成果をみせてやる!
「とうっ!」
ガキンッ
キンッ キンッ
「アレン、この短期間にすごいな! やっぱ俺の教え方が良かったようだな」
「その口を閉じやがれ! はぁぁあ!」
村長の重心がずれる。
もらったぁああ!!!
「だが、甘いな」
「しまっ……」
ドスッ
『運命の灰燼』の柄が鳩尾にクリーンヒット。
「う…ぐっ……」
こんの鬼め!
もう少し力加減を考えろ!
「おいおいそんな睨むなよ。」
「で、今回はどうだった?」
聖術で体を治しから尋ねる。
「んー、さっき言ったが甘いな。いいか? 確かにチャンスを見逃すのは良くない。達人レベルの戦いでは一瞬の油断が命取りになるからな。その反射神経は十分に備わってきている。だが、安易に飛び込みすぎだ。今やったようにカウンターの可能性もある。それを考慮しなければならない。よし、じゃあこれを念頭に置いてもう一度やるぞ。」
なるほど、カウンターか。
OK、分かってきたぞ。
「次こそ!」
「さぁこい!」
一気に間合いを詰める。
そして胸元へ突きを狙う。
「おっと!」
弾かれる。
だが、その反動を使って蹴りあげる。
当然避けられ、距離を詰められる。
ふっ、かかったな!
「また1本もら……!!!」
体勢が崩れたまま、村長に向かって力任せに『輝』を振り払う。
「っと、あぶねぇ」
…………避け…られ……た。
「ほらっ…よ!」
ドゴンッ
「ぐはっ!」
ものすごい勢いで遠くに吹き飛ばされる。
てか今ヤバイ音した!
めっちゃヤヴァイ音した!
なに ドゴンッ って!?
体分断されてない!?
あ、大丈夫ちゃんと繋がってる。
刃を魔法でコーティングしてあるとはいえ、死ぬかと思った。
いや、あれは普通に死ねるな。
太陽の申し子として頑丈になってたから生きてられるけど。
あー、村長マジパネェ。
これなら国ひとつ落とせるってルイフが言ったのも頷ける。
因みに長老は?
いや、知らない方が良さそうだ。
「心得申した」
え……誰よこの爺さん。
鍛えるって、鑑定眼を?
出来るかしら……いや待って!
この人、ただの爺さんかと思ったらとんでもない魔力量ね。
タマさん達にはそりゃ劣るけど、私なんかよりかは全然高い。
あの方には届かないまでにしても、人族でこれはバケモンね。
「さてと。お主、歳はいくつになる」
レディーに対して年齢を聞くなんて非常識ね。
まぁいいわ、答えてあげましょう。
「ふん、見た目で判断しないでもらえるかしら? 今年で122歳よ」
「そうかそうか、若くて羨ましいのぉ」
「は? 確かにそうだけど、貴方からしたら違うでしょ」
「こら、儂のことはこれからは師匠と呼ぶように。そして別に違くないわ。恐らく儂はお主の祖父母よりも歳上じゃよ」
「はぁ!?」
ふざけたことを……
何が師匠と呼べ。よ。
それに魔人族の寿命を分かってるのかしら?
そりゃエルフとかなんかよりかはずっと短いけれど、それでも人族の10倍は平均寿命が長い。
私のお婆ちゃんももう906歳になる。
この人、本当に何者?
いや、そんなこと言い出したらアレンとかタマさんとかのことも……
あぁ、上げだしたらキリがないわ。
「よし、静かになったな。では始めようかの」
そう言ってお爺さんが魔法を構築、発動。
……無詠唱。
あの方と一緒。
発動された魔法は、まさか!
空間魔法!?
「結界を張るのも考えたが、こっちの方が悟られないからの」
「悟られるって、誰に」
「あぁ、グローリアの小僧共じゃよ」
「え?」
グローリアの小僧共って、大陸最強騎士団のグローリア?
いるの?
こんな辺境の村に?
「この空間内で、お主にはいくつかの魔法を習得してもらう」
あら?
鑑定眼ではなかったのね。
でもこの私に魔法を教えようなんてあんまり調子に乗らないでもらいたいわ。
確かに無詠唱で空間魔法とか普通じゃ考えられない事をやってるようだけど、別にあの方も出来るはずだし凄くはないわ!
ええ! 凄くはないわ!
驚いちゃったのは突然だったからよ。そうよ。
「そうじゃのう。日数的に無詠唱か空間魔法までは覚えてもらおうかの」
まぁここは言うことを聞いた方が得策ね。
自分の戦力アップにも繋がるだろうし。
「ふむ、便利だし空間魔法じゃな。戦闘はアレンに任せればいいじゃろ」
「分かったわ。ちなみに期限は?」
「あやつらがもう数週間後に出発するはず。じゃからそれからもう数日後の、だいたい20日ほどかの」
……無理よ。
そんな1ヶ月も無い期間に……
簡単に覚えれたなら、もっと早くから私は習得していたし。
「不可能だわ!」
ここは正直に言うべきね。
時間の無駄になる。
「それを可能にするのが、師匠であるこの儂の務めじゃな。そう悲観的になるな。まぁ大船に乗ったつもりでいなさい」
「そんなに言うなら……」
「うむうむ、ではやるぞ。まずは魔法の基本となる……
───────────────────
よーし、村長かかってこい!
この数日の成果をみせてやる!
「とうっ!」
ガキンッ
キンッ キンッ
「アレン、この短期間にすごいな! やっぱ俺の教え方が良かったようだな」
「その口を閉じやがれ! はぁぁあ!」
村長の重心がずれる。
もらったぁああ!!!
「だが、甘いな」
「しまっ……」
ドスッ
『運命の灰燼』の柄が鳩尾にクリーンヒット。
「う…ぐっ……」
こんの鬼め!
もう少し力加減を考えろ!
「おいおいそんな睨むなよ。」
「で、今回はどうだった?」
聖術で体を治しから尋ねる。
「んー、さっき言ったが甘いな。いいか? 確かにチャンスを見逃すのは良くない。達人レベルの戦いでは一瞬の油断が命取りになるからな。その反射神経は十分に備わってきている。だが、安易に飛び込みすぎだ。今やったようにカウンターの可能性もある。それを考慮しなければならない。よし、じゃあこれを念頭に置いてもう一度やるぞ。」
なるほど、カウンターか。
OK、分かってきたぞ。
「次こそ!」
「さぁこい!」
一気に間合いを詰める。
そして胸元へ突きを狙う。
「おっと!」
弾かれる。
だが、その反動を使って蹴りあげる。
当然避けられ、距離を詰められる。
ふっ、かかったな!
「また1本もら……!!!」
体勢が崩れたまま、村長に向かって力任せに『輝』を振り払う。
「っと、あぶねぇ」
…………避け…られ……た。
「ほらっ…よ!」
ドゴンッ
「ぐはっ!」
ものすごい勢いで遠くに吹き飛ばされる。
てか今ヤバイ音した!
めっちゃヤヴァイ音した!
なに ドゴンッ って!?
体分断されてない!?
あ、大丈夫ちゃんと繋がってる。
刃を魔法でコーティングしてあるとはいえ、死ぬかと思った。
いや、あれは普通に死ねるな。
太陽の申し子として頑丈になってたから生きてられるけど。
あー、村長マジパネェ。
これなら国ひとつ落とせるってルイフが言ったのも頷ける。
因みに長老は?
いや、知らない方が良さそうだ。
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