太陽の申し子〜竜に選ばれた少年の旅物語〜

日孁

2,儀式①

 あれから数ヶ月の月日が流れた。
 あの日以外、特に変わったことは起きていない。ハーカバにも近づいてない。
 ドロフィンさん達の見送り?
 そんなこともあったな。


 それで、あの日以外は本当に何も起きていないんだけど、今日は違う。今日は待ちに待った成人の儀式が行われる、この村にとって特別な日だ。
 僕はハーカバの前にある広場で、同じく儀式を受ける子達二百数人と、いまかいまかと始まるを待っていた。
 村とはいえ以外と子供いるだろ?
 にしてもね。
 いやぁ、ついに……ついにこの時が来た……!
 この儀式、試練を無事合格すれば、僕も立派な大人の仲間入りになる。大人になったらこの村の外に出ることも出来る。
 この村は他と隔離されてるようなもんだから、一度は出てみたかったんだよね ♪
 ふっふっふ、誰も僕を止められない。
 さあ、どんな困難も突破してやろう。
 かかってこい!
 おっ、語り部のじいさんこと長老がみんなの前に立った。


 ワクワクワクワク


「えー、お主たちにはこのハーカバに住まう魔物達を。それがこの儀式の試練じゃ」


 ワクワクワk……
 ん?
 長老さん?
 聞き間違いかね?
 今、魔物をどうこうって……?
 えぇ!
 マジかよ!
 そんな簡単でいいの?
 よっしゃ。
 もう勝ち確っすわ!


「ただし、各魔物によりポイントの大小がある。当然じゃろう? コサコとかニューアとか相手にしたところでなんの試練にもならん。ちなみにそやつら危険度1は2ポイント。危険度2は10ポイント。危険度3は150ポイント。危険度4は600ポイント。危険度5は……いや、危険度5以上のは逃げなさい。まぁそういう事じゃ。合計1000ポイント達成したものが合格。武具はここにあるものでも、各々準備しておいたものでもよい。倒したら証拠となる部位を適当に撮ってくるんじゃぞ。分かったなら行けぇい!」


 ん?
 長老さん?
 聞き間違いかね?
 今、1000ポイントって……?
 マジかよ!
 なんでこういう時だけ現代チックなんだよ!
 昔からそんなポイントせいだったのか?!
 危険度1を倒してはい終わりじゃダメって、これは誰かの陰謀だ。間違いない!
 あっ、普通に陰謀だったか。
 はぁ、まぁ仕方ないか、コツコツやっていけばなんとかなる。
 危険度4を倒したらすぐ?
 いや、無理。危険度4ってのは確か定義としては町ひとつ潰せれる程度だったはず。それを1人で?
 何その無理ゲー。
 だから僕はポイントが低かろうが、危険度の低い奴らをボコしてこようと思う。別にダメってわけじゃないし、今の感じだと、特に時間制限があるっ訳でもなさそうだしね。
 よし、なら善は急げだ。他の奴にとられる前に先にとる!


「アレンー、リアーどーするー?」


 走り出そうとしたら後ろから声がかかった。スピリアだ。スピリアは蟲人インセクター族の男の子で僕の幼なじみだ。
 僕を含め、みんなからスーと呼ばれている。


「なにが?」


 返事したのがリアで、こちらも僕の幼なじみ。だいぶ気が強くて男の子みたいだが、ちゃんとした女の子だ。
 まぁそのせいで、顔は悪くないのにモテない。
 ドンマイ、リア。
 いつか君のとこにもいい人が現れるさ。


「いやー、思ったよりハードだからさー。2人はどうやって動くのかなーって思ってさー」


 あぁ、そういうことか。
 まーねー、突然魔物倒せ!とか言われたら困るよねー。
 で、僕達がどうするのか聞いたのか。
 ふふふ、私の完璧な戦略をお伝えしよう……


「さあね。そんなことも自分で判断できないようじゃまだまだでしょ?」
「え、えー! ひどーい! リアひどーい! なーアレンはー? 教えてくれよー」


 おっと、早速リアから強烈な右ストレート、スー選手為す術なく客席へ助けを求める!
 ゴホン
 ふむ、リアはそれもひとつの試練として捉えたのか、なるほどな。でも、助け合いも大事でしょ。


「僕は、コツコツと危険度低めのを殺っていくよ。時間制限があるわけじゃないんだろうし」
「あら? アレンにしてはちゃんとしてるじゃない」


 失礼な!
 なにがアレンにしては、だ。


「失礼な! これでもこの儀式のために今まで頑張ってきたんだぞ!」
「はいはい、まぁ頑張って」


 ったく、なんだよ!
 まぁリアのことはほっといて、スーの方はと……???
 なんでこの子こんなに目がキラキラしてるの?


「アレンすげー! 俺もそーしていーか?!」


 お、おう。なんかすごい尊敬された。
 お前の方がツノとかあってカッケーけどな……羨ましい。
 とりあえず頷く。


「ありがとなー! これで安心だー!」


 うん。やっぱスー、お前いい子だなぁ。
 となりの怖い人とは大違いだ。
 睨まれた。


 ともかく、これで僕ら幼なじみ3人は何とかなりそうか?
 いや、リアの発言からしてなんかやる気だな?
 大丈夫なのかー?
 でも、僕よりかは強いと思うし、まぁ無茶でもなんとかしそうだな。
 よぉーし!
 何も問題なし!
 では行こう。
 レッツ・ゴー・トゥー・ハーカバァ!


 ー8時間後ー


「アレェェーン……まぁっ……てぇぇええー」


 ここらも狩り尽くしたし、次だ。
 えと、今のとこ戦果は、


 危険度1
 ・コサコ 43匹
 ・ニューア 23匹
 ・ゴープナ 3頭
 危険度2
 ・スライム 2体


 ってとこだな。


 コサコは小魚の魔物で、湖にいる。そこで釣りして、殺った。
 ある程度釣り終えたからか、それとも学習したからか、最初の方に沢山釣れて、最後らへんは全然ヒットしなかった。まぁそれでも86ポイント。まぁ良しとしよう。


 ニューアは、一言で言えばでかい芋虫。
 いやほんとに……
 気持ち悪いとか言わない! 気持ち悪いけど。
 そいつらの巣かなんかを叩いたらいっぱい出てきた。死ぬかと思った。精神的に……


 そして、ゴープナは中型犬サイズの山羊。群れからはぐれたのかちょうどよくいたから殺っちゃった☆
 昼ごはんに美味しく頂きました!
 でも、だいぶ手こずったのにコサコ達と同様の2ポイント。


 誰だ! 危険度設定したやつ!
 出てこい!


 スライムは不定形の液体状の体! 綺麗な水色! それ以外特に説明はなし!
 まぁ物理が効きにくいとかはあるけどね。
 ともかく、スライムを2体、狩りました。


 ポイントはこれで158。
 そんなに時間経ってないけど、いい感じじゃない?
 んで、これだとやっぱ危険度低めのを優先してやってった方が効率は良さそうだね。見つけるのも狩るのも大変だし。
 僕の目に狂いはなかった。
 頭か。
 え? 狂ってる?
 やかましい。


「ねぇ……ゼェ……アレェン……ゼェ……まだ……ゼェ……やるのー? ……ゼェ……」


「そのつもりだけど、どした?」


「もぅ……ゼェ……オレ無理……」


 バタッ


「スーーーーーー!!!!!!!」


 ー20分後ー


「んん、ここは?」
「あぁスー、目ェ覚めたか?」
「うん。アレンが運んできてくれたんだね。ありがとう」
「そーだぞ? 感謝しろよ? お前結構重たかったんだから……」
「はは、ごめんね」


 スーはそう言って笑う。
 スーが倒れた後、少し進んだところにちょうどいい洞穴を見つけたからそこに連れてきた。
 蟲人族だから僕よりも体力があると思ってたんだけどなぁ。
 硬い外骨格に覆われてるから普通の人より重たいし、結構大変だった。
 よくがんばった僕。


 誇らしげにそんなことを考えてたら、スーの顔が引きつり始めた。
 なんだろ。


「ね、ねーアレン?」
「んー?」
「ここ、洞穴なのは分かったけど、もしかしてあの魔物の住処なの……?」


 ん?


 スーが指さした方、洞窟の入口を見る。
 そこにはなんと、熊が立っていた。
 正確には確か、ヤマコスタルとかいう魔物だったかな?
 そうか、ここは君の巣穴だったのか……
 ちゃんと確認してから運べばよかったー。


 ヤマコスタルは危険度4の魔物だ。
 5mという魔物にしては中型の体を生かした素早さで相手を翻弄し、相手の死角から鋭利な爪の引っ掻きや、額にある角を使った頭突きをくらわしてくる魔物。
 OK、攻撃の種類は覚えている。
 けど、うん。勝てないだろ。だって危険度4のやつじゃん! わざわざ避けてたのに、自分の方から来ないでよー!
 あー、もう! 入口塞がれてるから抜けれそうもないし、やっぱやらなきゃダメかぁ。
 長老たち、こういう危険なことをわざとさせてるのは分かるけどさー。
 もしも〇んじゃったらどうするんだー!
 絶対に〇なないなんて限らないのにね!


 改めてヤマコスタルを見る。


 あれ? 待てよ……?


 もう一度マジマジと見る。


 あぁ、やっぱり。
 なんか耐性?ついてるわー。
 金虎見たあとだと……ねぇ?
 失礼だけど、全然怖くない。
 え? もしやこれ実は楽勝じゃね? 無理ゲーじゃないんじゃね?! おっしゃぁ! 先手必勝!


 剣を下段に構え、駆ける。
 同時にヤマコスタルも突進してくるが、それを横に飛んで躱し、首元へと振り下ろす。と、流石は危険度4の魔物。難なく避けられた。
 体制を立て直す前に、もう一度首筋を狙って突く。よし、今度は当たった。でも、そんなに深くはない。一度、距離をとるためにバックステップで後ろに下がる。


 ……ふむ。
 大体の力量は、今のでよーく分かった。


 ふぅ、無理です。楽勝とか言ってすいません!
 いや、別に絶対じゃないよ? でも五分五分で負けるかなって感じだね。


 ただーし!
 それは僕一人の時の話。今、僕の後ろには物凄く心強い味方、蟲人族インセクターズのスー君がいます。
 蟲人族の身体能力は僕達のような人族の比じゃない! この気弱でいかにも弱そうなスー君も、身体能力だけなら僕なんかよりも何倍も上なのであります!
 さあ、スー君やっておしまいなさい。


「へ?」


 突進を躱しながら目線で合図したら、「え? なに?」って顔された。分からないかー。


 おっと、危ない。角が刺さるとこだった。


「スー、僕1人じゃ無理そうだ。スーも手伝ってくれ!」


 そう言うと、ようやく理解したというように頷き、


 刹那、、ヤマコスタルの背後をとり、自前の爪で四肢を斬りつけた。


 うん。言葉って大事だね。
 それにしても蟲人族の体ってどうなってるんだ? なんでそんなスピード出るんだ? てかお前さっきまで満身創痍だっただろ! なんで、アクロバティックな動きできてるんだ!


 おや?
 まだヤマコスタルは動けるみたい。でも、やっぱ足をやられてさっきのように素早くは動けなさそう。
 では、引導を渡してやろう。もう一度剣を構える。あまり速くない突進を目でしっかりと捉える。


 ……ここだ。


 (剣技ー五月雨斬りー)


 ドロフィンさん直伝の技。
 剣を振り下ろし、下ろしきる前に今度は逆側に振り上げる。そして上げきる前に振り下ろす。
 これを素早く繰り返すという、なんとも単純な技。
 でも、これが結構難しい。
 まず、子供からすると、剣が重量でそんなに振り回せないからだ。そして振り下ろす分、重力がかかって振りきってしまったり、振り上げが弱くなったりと。
 自分のものにするのにだいぶ時間がかかった。


 初めて実践で使ったけど、効果は抜群だったようだ。
 ヤマコスタルの鼻先からうなじにかけ血飛沫が上がり、そのまま地面に倒れる。


 勝った……?
 勝ったー。
 勝ったぞぉぉおおお。


 まぁ、そこまで実感わかないけどね。だってほとんどスーがやったし。多分僕一人だったら、だいぶキツかったし、もっと時間もかかった。あの足への一撃で動きが鈍くなったおかげで、僕の技が入った。
 いや、ほんとスーの強さってよく分からないな。
 これなら危険度4を狙っても良かったかもしれない。
 あっ、でもさっきの感じだと無理そうなのか……?
 他の蟲人族の子達はどうなんだろ?
 やっぱ強いのかな。
 強いんだろうなぁ。


 さて、息はまだあるけど……
 トドメを刺すすべきか迷う。


 ん? 引導を渡す? なにそれ美味しいの?
 はいすみません。調子乗りました。
 でも殺すつもりでいたのにこうやって耐えたし。
 ここで見逃しても、魔物の生命力なら生き永らえれるとは思う。でも、ポイント的には危険度4の魔物ってのはありがたい。
 むー。
 いや、今回の場合は、


「なあ、スー」
「んー? なーにー?」
「こいつ、どうする?」
「???」


 うん。
 今回のはスーの手柄だ。
 こいつを見逃すも殺すもスーの判断だ。
 こいつには悪いけどな。


「どーして俺にきくのー?」
「こいつはスーの補助のおかげで倒せた。だから、スーがこいつを生かすか殺すか決めればいい」
「……そっかー、なら俺殺さなーい」


 即答だった。


「いいのか? 600ポイントも入るんだぞ? 山分けになったとしてもお前の取り分は400にするつもりだぞ。それでもか?」


 もう一度確認のために聞く。
 だが、やはりスーは首を縦に振る。


「なんかー、よくわからないけど、この子には生きていてほしいんだー。ポイントは欲しいよー? でもー、なんか別にいいかなって気持ちもあるんだー。矛盾してるけどねー。自分のためにポイントを集める。でもー、この子達にも生きる権利があるでしょー? だからー、自分たちの理由で殺したくもないんだよねー。みんながやるなら止めるつもりもないけどー」


 スーは微笑んだ。


 うん。
 ほんどにいいごだぁーぁあ!!!!
 お兄ちゃん嬉しい……!
 うんうん、無闇に殺すのは良くないもんね。
 長老達は何考えてんだ。
 こんな考えの子にも殺れと言って。
 ……ん?
 待てよ?
 長老って別に殺せとは言ってなくね?
 相手にしろって言ったんだよな。
 あれ?
 なら無力化できた今もOKじゃね?
 え? 違う?
 まぁそこは長老達が言葉足らずだったってことで。
 でも、あながち間違ってなさそう。
 普通ならちゃんと殺せ!って言うしね。
 相手にしろって絶対狙ってるだろ。
 やっば、これに気づいた僕天才じゃね?!
 え? 普通にわかる?
 うっせー!


「スー、もしかしたらさ」
「んー?」
「殺さなくてもポイント入るんじゃないか?」


「そーなの!?」


 ほら、スーは分かってなかったようだぞ。
 やっぱ天才なんだって。


「でもー、どーやってー?」
「あっ」
「ん?」
「どうするんだ???」
「え?」


 やっべ、どうすればいいんだ? 長老のとこ持ってけばいいのか? でも、多分暴れるよな。逆に長老を連れてくる? いや、その前に回復して逃げられたりするだろう。
 八方塞がり。
 やっぱ殺すしかダメなのか? でも、それなら長老達もはっきり言うはずだし……おっ?


 考え込んでいるとヤマコスタルが目を開けた。
 そして、ゆっくりとスーの方へ進んでいき、


 頭を垂れた。


 ……ん?
 んん?
 んんんー?
 なんか見たことあるなこのポーズ……
 なんだったっけ?


「アレン、こ、このポーズってまさか?」
「うん。なんか見たことある、なんだったっけ……?」
「いやー、どー考えても従魔契約のポーズでしょ」


 なんだってぇぇえええ?
 あっ、その「なんで知らないの?」みたいな目線やめて。
 お前にやられるとだいぶショックだから……うん。
 でも、確かに。
 そうだ。
 従魔契約のポーズだ。
 ふふふ、この儀式のために様々な本を読み漁ってきた僕が知らないわけがない。
 魔物が相手に恩義を感じた時にするもので、主側が自分の血を数滴飲ませて契約完了。だった。
 うむうむ、我ながら博識だな。
 今回はこのヤマコスタルがスーに命を助けて貰ったとでも思っているのかな。いや、でも僕だって悩んだんだぞ? まぁ殺すメインで考えてたけど。
 ……なんで悩んだんだろう。
 スーも知ってるんだから威張るなって? いやまて、僕は他の子に比べてめちゃくちゃ勉強したんだ。
 逆になんでスーが知っているんだ!? こいつ、そんなに調べてたりしてなかったぞ? 魔物の種類とか、危険度とかも覚えてないはずだし。ほんと、なんで?


「俺、アレンとリアには黙ってたんだけどー、いつかー魔物使いになるのが夢だったんだー」


 ?の顔をしていたらスーが説明をしてくれた。
 そんなことを思っていたなんて……お兄ちゃん知らなかった。


「うん。それでー、魔物使いとかが関連するのは読んでたんだよねー。それでもアレンには及ばないけどー」
「そうだったのか」


 いや、そうだったのか。だから知ってたんだな。まぁ確かに僕には及ばないけど。僕も魔物使い系は読んでたし。タマには魔法も教えて貰えてたし。
 魔法は全く使えなかったけど……


「それで、どうするんだ?」


 従魔にするか。どうするのか。


「うーん。どーしよー」


 即答するかと思ったけど、何か不満があるのかな?
 最初の一体はもっと強いやつがいい!とか?


「ここで契約しちゃうとー、この子の自由が奪われるんじゃないのかなーって」


 うん。
 違った。
 まぁそりゃそうだわな。


「それがこいつの望みなら、叶えてやるのもこいつのためになるんだぞ?」
「でもー」


 あっ、またヤマコスタルが目を開けた。
 そしてスーの手をがぶり。
 うわっ、痛そー。
 あっ……血が…


「……契約、成立しちゃったね」
「うそぉお!」


 これでも成立って、契約ってなんだろねー。


 ともかく、新たな仲間が加わりました! 名前は……
 名前は、なんだ?


「スー、そいつの名前を決めてあげな?いつまでもヤマコスタルだと長いだろ?」
「え? あー、そうだねー。名前かー。んー」


 ー1時間後ー


「んー」
「長くね?!」
「えぇ?!」


 スーよ、長いな。
 待たされる側は大変だぞ?
 ほら、ヤマコスタルくんは寝てるし。
 てか、自分のことなのにこいつ!
 あぁ、でもさっきので体ボロボロだしね。仕方なくもあるか。


「決めた!」
「おぉ!」
「こいつの名は……」
「うん!」


「アレンが決めて!」
「は?」


 おっと、いけない。
 素の は? が出てしまった。
 はぁ、仕方ない。考えるか。


 ー1時間後ー


「まだー?」
「いや、もうちょっとでいい名前が出てきそうな気が……!」


 まずいな。スーに言ってた割にこれだ!って名前が一向に思い浮かばない。だいぶ暗くなってきたし……


「一旦終わり!もう遅いから帰ってから考えよう!」
「えーーーーー!」


 スー、君も共犯だぞ?

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