俺をとりまく彼女らからの愛が深すぎる

ろりお

第10話 花憐リスタート

「もっと自分を大事にしろ!!」

家中に響いた俺の言葉想いは確実に、的確に花憐の心を射止めた。
もともと真面目ではある花憐だ。
理由を訊いて、彼女が何故あんな大胆な態度を取ったのかはわかった。
…理解こそできないが。
花憐は幼少から両親に大切に大切に育てられてきた。
おそらく花憐が欲しいと言ったもの、やりたいと言ったことは惜しみなく与えてきただろう。
だが学校に通ってみればどうだ。
友達を作りたくても作れない。
頭が良くなりたくてもなれない。
そんな彼女の心の蟠りわだかまりが彼女の自己顕示欲を増幅させた。
思えば簡単な話だった。

俺だけが知っている。

俺しか知らない。

こんなことしたところで俺になんのメリットがあろうか。いやない。(反語)

だが花憐は一生懸命だ。
そんな一生懸命な花憐は救われて欲しい。
救われなくちゃいけない。と思う。

「自分を大切に…?」

花憐は戸惑った様子を見せる。

「ち、違います!私は…、私は九路瀬さんが大切で!「だから!」

俺は言葉を遮って言った。

「俺のことが大切なんていう前に、もっと自分を大切にしろよ!中途半端に媚びて、勝手にしんどいって、お前はそれでいいのか?このままでいいと思っているのか?」

「っ、それは…」

「やるなら徹底的にやる。出来ないならやらない。勉強だって俺が徹底的にやるんだよ!」

「九路瀬さん…」

あ、しまった言い過ぎだ。
きっと泣かせてしまう。
ほら、花憐、涙を溜めて「キッ」と俺を睨んでいる。

「分かりました、九路瀬さん」

「あぁ」

「私、九路瀬さんに徹底的に媚びます!」

「あぁ」

あぁ?

ハ・ナ・シ・キ・イ・テ・タ・?
おかしい。俺は花憐に自信を持ってもらおうと檄を飛ばしたはずなのに、どうして?

「はい!私、自信出てきました!勉強を頑張ります!友達もつくります!」

お、おぉ。わかってくれたのならよかっ

「そして最終目標は九路瀬さん!私九路瀬さんのこと、絶対に手に入れてみせますからね!?あの女狐には負けません!」

女狐って誰?もしかしてひなのこと?
なんの勝負だよ…。

だがまぁ、自信を持ってくれたのなら良かった。

のか?

「あ、うん。じゃあとりあえず…

「勉強ですよね?よろしくお願いします!」

「お、おう」

「ちゃんと私をレクチャーしてくださいね?ダーリン」


花憐との付き合いは波乱になりそうだ…。

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ろりおです。

新キャラを出そうと思ってます。
先輩キャラですがどうでしょうか?
もちろん病んでます。
是非コメントでご意見下さい!







          

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