話題のラノベや投稿小説を無料で読むならノベルバ

俺をとりまく彼女らからの愛が深すぎる

ろりお

第1話 お見合い①

近々お見合いを開くらしい。

俺の家は何代も前から財閥の家系で、子があとを継ぎ、親は隠居する、というしくみで今までずっと続いている。
子は、20までに嫁を決め、うちに嫁がせ社長秘書として夫を支えさせる。
俺は今世代で唯一の男なので、何を言おうとその流れに沿わなければならない。

別に不満はない。

俺自身、他にこれと言ってやりたいことがあるわけではないし、親は俺が跡継ぎになることを見越して、学問を始め、器楽、外国語、社長業務などたくさんのことを教えてくれている。
親族からも俺の期待度は高く、曰く、「九路瀬くろせはとりわけ出来がいいわねぇ」と幼少期から言われ続けている。

そんな俺にもひとつの欠点があった。

女性だ。

あることをきっかけに女性不審に陥ったのを境に、俺は女性との関わりを恐れ、恐怖し、遂には妹にさえ、遠慮してしまうほどなのだ。
それまで俺のことを神よりさえ敬っていた妹の心も離れてしまい、俺8、妹6の時、妹は俺のもとを離れ、今は確か石川県の能登のとのほうで、婆やと暮らしている。

本当にふがいない兄貴でごめんよ。ごめんよ妹よ。

とにかく、俺に女性の影が1も見受けられないことを心配した母は、くだんのお見合いを開くことになったわけだ。
しかもお見合いの日が今日だと言われ、何をすればいいかもわからないだけでなく、心の準備すら怪しいと来た。
これはとうとう、母さんをも落胆させてしまうのではないか、という思いが身体中をぐるぐる回るもので、冷や汗と、下り竜で、もう3度目のお手洗いである。

そんなことをしていても、時間は容赦なく追い付いて来るもので、その刻お見合いが今来ようとしている。そして現在に至る。

―見合い相手の父母が来られた。

戸がさっと開き、軽く挨拶すると、相手方の父母はただにこにこと俺の顔を見つめ、目が会うたびに愛想をふる。

...居心地が悪い

こちらは父さんが忙しく母さんだけの参加となっている。

相手方の父母は俺に顔を向け挨拶した。

「どうも、うちの娘は恥ずかしがりやで。幼少から女子高に通っているものですから、男性と顔を会わせるのが怖いのかも知れない」

...気持ちはすごーくわかるぞ、見合い相手。

俺は別に男子校に通っているわけではないけど、それでも怖いもん。女性不審ってのが大きいけれども。

…どんな子なのかな。やさしいかな。やさしいと良いな。でもやさしい人なら、尚更俺とお見合いなんてして欲しくない。もっと違う人と…

だが扉が開き、遂にお見合い相手が姿を現すと、俺の考えは一瞬で、きれいさっぱり、消え失せた。

あぁ、なんて綺麗な…

「あの…、お待たせいたしました九路瀬様。私、その、宇都宮うつのみや花憐かれんと申します…」

花憐、と名乗る女性は名の通りとても美しく、綺麗で、その美しさに魅了されてしまった。
淡いクリーム色の長い髪を二束、左右でくくっており、髪質もさらさら。
目はぱっちりと大きく、まつげも長い。
背は低くそこまで出るとこは出ている、という印象は受けないが、それでも胸部にある二つの膨らみは決して無視できるものではない。

っていかんいかん。どこを見ているんだ、俺は...

「ほら九路瀬、挨拶」

「う、うん」

俺は息を落ち着け、彼女、花憐に自己紹介をした。

「あの…坂倉九路瀬さかくら くろせ…ですっ。高校2年生、っで、あの、それで、今日はよろしくお願いいたします。お見合い」

失敗

いや失敗?

「ふふっ、九路瀬様、カタコト日本語みたい。優しそうな人で、私、安心しました」

と一輪の花が揺れる

「ぼ、僕も、その、安心しまし、た」

こうやって、俺と花憐のお見合いは始まった。

だが、これが俺を取り巻く環境が地獄へと変わる、その第一歩に過ぎないのだが…

…それを今の俺が、知るよしもない。

___________________________________________

はじめまして。ろりおと申します。緩い更新ですが、これから書かせていただきます。
ハート、コメントよろしくお願いします!!



          

「俺をとりまく彼女らからの愛が深すぎる」を読んでいる人はこの作品も読んでいます

「恋愛」の人気作品

コメント

コメントを書く