契約少女の復讐譚
第7話
「では我は食事とするか」
そう言って死体の前にしゃがみ込むゼイン。
そういえば人の命がご飯とか言ってたっけ。
ゼインは死体の目元に手を置く。すると、手元の上、額のあたりから芽がでる。物凄いスピードで成長すると、花が咲き、花びらが散る。最終的に実ができ、ゼインはそれをちぎり、ひとかじりする。
イチゴみたいな実がひとつだけってお腹空かないの?
「気になるのはそこなのか…。別に実の量は関係ない。コイツの中身による」
中身?
「ああ、空っぽのやつは全然うまくない」
……意味が全くわからないんだけど。
「自分で考えろ。強いて言うならコイツはある意味、欲望まみれでうまかった」
…なんとなく分かった気がする。
私達は宿に戻り、ゼインから魔法について教えてもらった。
この世界にはソル、ゾルフががあるらしい。ソルは人界、ゾルフは魔界に存在し、人はソルしか使えないそうだ。
ちなみに悪魔はゾルフを使うのかと聞いたが、まず住む世界が異なるから、魔法の根源が根本的に違うらしい。馬鹿にするなと怒られた。
そういえばこの大陸の右半分は魔界という魔物が住んでいて、かつては魔王が攻めてきたりと大変だったとか。まあ今は、時々勇者様が魔物を退治に行ってるくらい。
話が逸れたが、つまるところ魔法を強化するには、そのソルというのをどれだけ効率よく変換することができるかが重要だ。
それはほとんど才能に左右されるので、限られた人にしかできないと言われている。
「運良くお前に少しは才能があったようだな。それにあの変態殺人鬼も殺したことで、さらに扱いやすくなっているだろう」
ふーん。能力アップはそういうところも上がっていくんだ。
「どうなふうに強くなるかは我も知らん」
無責任…。
「ふん。お前にステータスを見てやろうと思ったんだが、見てやらんぞ」
すてーたす?
するとゼインはワインレッドの瞳を細める。
「人間には見ることができない、上界に住むものだけがアクセスを許されたものだ。相手の能力が数値化されて可視化されたもの。どのくらい強いのか知るにはこれが一番手っ取り早い」
何その素晴らしい力は!
見たいです!
「簡単には見せんぞ。条件がある
な、一体どんな鬼畜なことをさせようとしているの?
思わず体を身構える。
「ふふふ…条件とはこれだ!!」
…………
それはドーナツ……では?
ゼインが掲げているのは、真ん中に穴の開いた見覚えのあるお菓子。
「なるほどこれはどーなつというのか。中はもちもち外はサクサクなんとも美味。我は気に入った。これを渡せば教えてやろう」
ゼインはきらきらと目を輝かせこちらを見る。
さっきの紙袋から取り出してたし、さっき買ってたやつ気に入ったのかな。
今日はもう暗いし明日でもいいかな…
「……仕方ない。必ず私が目覚める前から用意しておくのだぞ!」
ゼインは悔しそうにドーナツを紙袋に戻す。
もうすでに結構な量そこに入ってる気がするんだけど…。
「では始めるぞ」
そう言ったゼインは私の額に指で何やら文字を書き始める。
「開け」
そう呟くと、目の前に四角いものが現れる。
中には何やら文字が並ぶ。またこれも古代文字なのか全く読めない。
「ほうほう。なるほど……」
ゼインは顎に手を当て頷いている。
どうなんでしょうか…
「基本は魔法中心に能力もあるが、素早さも高いしこれは屋敷に忍び込むにはちょうどいい」
お、ラッキー!
「アサシン系の能力を伸ばして…」
何やらゼインはぶつぶつと独り言を始めてしまった。言ってる言葉は全く理解できない。
あのー、いつまでこの体勢続ければいいですか…
ベットに腰掛けるゼインを見上げるような体勢なので首が痛い…
まあゼインの身長が低いからそこまでないけど。
「ある程度分かった…。もういい」
そう言ってステータスを消してしまった。
ふう、でこれからどうするの?
「とりあえずは、我が気配消し、音消しなんかの隠蔽スキルを教えてやる。明日は森に行くぞ」
よくわかんないけど、多分侵入するための魔法だよね。
じゃあ明日に向けてゆっくり眠らせてもらいます。
「ああ、そうしとけ」
そうしてニヤリと笑う。
「明日倒れられたら大変だからな」
………それは……
嫌な予感しかいない…。
そう言って死体の前にしゃがみ込むゼイン。
そういえば人の命がご飯とか言ってたっけ。
ゼインは死体の目元に手を置く。すると、手元の上、額のあたりから芽がでる。物凄いスピードで成長すると、花が咲き、花びらが散る。最終的に実ができ、ゼインはそれをちぎり、ひとかじりする。
イチゴみたいな実がひとつだけってお腹空かないの?
「気になるのはそこなのか…。別に実の量は関係ない。コイツの中身による」
中身?
「ああ、空っぽのやつは全然うまくない」
……意味が全くわからないんだけど。
「自分で考えろ。強いて言うならコイツはある意味、欲望まみれでうまかった」
…なんとなく分かった気がする。
私達は宿に戻り、ゼインから魔法について教えてもらった。
この世界にはソル、ゾルフががあるらしい。ソルは人界、ゾルフは魔界に存在し、人はソルしか使えないそうだ。
ちなみに悪魔はゾルフを使うのかと聞いたが、まず住む世界が異なるから、魔法の根源が根本的に違うらしい。馬鹿にするなと怒られた。
そういえばこの大陸の右半分は魔界という魔物が住んでいて、かつては魔王が攻めてきたりと大変だったとか。まあ今は、時々勇者様が魔物を退治に行ってるくらい。
話が逸れたが、つまるところ魔法を強化するには、そのソルというのをどれだけ効率よく変換することができるかが重要だ。
それはほとんど才能に左右されるので、限られた人にしかできないと言われている。
「運良くお前に少しは才能があったようだな。それにあの変態殺人鬼も殺したことで、さらに扱いやすくなっているだろう」
ふーん。能力アップはそういうところも上がっていくんだ。
「どうなふうに強くなるかは我も知らん」
無責任…。
「ふん。お前にステータスを見てやろうと思ったんだが、見てやらんぞ」
すてーたす?
するとゼインはワインレッドの瞳を細める。
「人間には見ることができない、上界に住むものだけがアクセスを許されたものだ。相手の能力が数値化されて可視化されたもの。どのくらい強いのか知るにはこれが一番手っ取り早い」
何その素晴らしい力は!
見たいです!
「簡単には見せんぞ。条件がある
な、一体どんな鬼畜なことをさせようとしているの?
思わず体を身構える。
「ふふふ…条件とはこれだ!!」
…………
それはドーナツ……では?
ゼインが掲げているのは、真ん中に穴の開いた見覚えのあるお菓子。
「なるほどこれはどーなつというのか。中はもちもち外はサクサクなんとも美味。我は気に入った。これを渡せば教えてやろう」
ゼインはきらきらと目を輝かせこちらを見る。
さっきの紙袋から取り出してたし、さっき買ってたやつ気に入ったのかな。
今日はもう暗いし明日でもいいかな…
「……仕方ない。必ず私が目覚める前から用意しておくのだぞ!」
ゼインは悔しそうにドーナツを紙袋に戻す。
もうすでに結構な量そこに入ってる気がするんだけど…。
「では始めるぞ」
そう言ったゼインは私の額に指で何やら文字を書き始める。
「開け」
そう呟くと、目の前に四角いものが現れる。
中には何やら文字が並ぶ。またこれも古代文字なのか全く読めない。
「ほうほう。なるほど……」
ゼインは顎に手を当て頷いている。
どうなんでしょうか…
「基本は魔法中心に能力もあるが、素早さも高いしこれは屋敷に忍び込むにはちょうどいい」
お、ラッキー!
「アサシン系の能力を伸ばして…」
何やらゼインはぶつぶつと独り言を始めてしまった。言ってる言葉は全く理解できない。
あのー、いつまでこの体勢続ければいいですか…
ベットに腰掛けるゼインを見上げるような体勢なので首が痛い…
まあゼインの身長が低いからそこまでないけど。
「ある程度分かった…。もういい」
そう言ってステータスを消してしまった。
ふう、でこれからどうするの?
「とりあえずは、我が気配消し、音消しなんかの隠蔽スキルを教えてやる。明日は森に行くぞ」
よくわかんないけど、多分侵入するための魔法だよね。
じゃあ明日に向けてゆっくり眠らせてもらいます。
「ああ、そうしとけ」
そうしてニヤリと笑う。
「明日倒れられたら大変だからな」
………それは……
嫌な予感しかいない…。
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