神の使徒、魔王卿となり平和を求む

こにユウ

お姉さん登場らしい

目を覚ますと、ベッドの上だった。

「ここは…」

ベッドの周りはカーテンで仕切られていて部屋の様子は分からない。

「ようやく目を覚ましたね。」

周りを確認のためベッドから降りようとするとカーテンがシャーっと開き、軽装だが剣に鎧をまとった綺麗な女の人が入ってきた。

「えっと、あなたは?」

「わたし?そういえば、君には自己紹介がまだだっね〜」

お姉さんは少しドヤっとして胸を張り

「聞いて驚け〜!我は騎士団長メオ・エル・ウェイフであーる!」

とまぁ三文芝居のようなセリフを言った。

「…あの」

「なになに〜?お姉さんの凄さにビックリしちゃった?いやぁ照れるなぁ」

「いえ、そうではなくて、今のセリフ恥ずかしくないんですか?」

「・・・」

そこで騎士団長のお姉さんは下を向いて黙った。あ、これ指摘されて改めて振り返るとすげぇ恥ずかしかったやつだ。

「えっと、あの…すいません」

「…いいよ。でもそういう所シンくんと似てるかも」

シンくんと言うとタッカート先生か。

「やはり、副団長と団長ということもあってご親密なんですか?」

「あれあれ、興味ある?なら仕方ないなぁ。まだ非公式だけどキミだけに教えちゃうよ〜」

そう言うとウェイフさんは俺の耳元に口を近付けて小さな声で

「実は私とシンくんは…」

「なに、秘密を漏らそうとしている。」

フェイフさんは、途中まで言って頭にチョップをくらった。

「いったーい!シンくん、何するの!?」

「まだ非公開の内容を他人に漏らそうとしているお前が悪い。」

涙目で睨まれながらもタッカート先生は詫びれる様子もなく淡々とそう言った。

「えっと、おふたりってやっぱりそういう?」

「はぁ〜…」

とタッカート先生は諦めた様子で深い溜息をつき

「そうだ。だがまだ内密にな。色々と片付けなければいけない問題が山積みだ。」

「むぅ〜」

ウェイフさんは頬を膨らましているがタッカート先生は無視している。

「それとナーガ、俺のことはシン先生と呼べ。長いだろ。」

「あっはい。分かりました。」

「はいはーい!私聞きたいことがあるんですけど!」

騎士団長は手を挙げて身を乗り出している。

「えっと別に構いませんが、先に俺が質問しても宜しいですか?」

「ん?なになに〜?いいよー。あっ、私のスリーサイ…」

ガン!

「いったーい!」

「このバカは無視していい。だがそうだな。お前が質問してこちらが答えた分だけそちらも答えてもらおう。」

「わかりました。ではじゃあまず…」

俺が今、1番聞きたいことを初めに聞こう。
「シン先生。貴方は俺の敵ですか?味方ですか?」

「ふむ。味方のつもりだが…」

「おかしな質問するね〜。こんなんでも一応騎士団長の副団長なんだから味方だよ〜」

「そうですよね。ではもう一つ。」

「なんだ?」

「これはフェイフさんにも関わる質問なんですが」

そこで俺は一呼吸おいて

「シン先生。何故貴方はウェイフさんと共に居るんですか?」

「…どういう意味だ?」

「いえね。ただ不思議に思っただけですよ」

俺は飄々と軽い口調で


「『聖騎士』の称号をもっている騎士団長と…」




「『魔王・・』の称号を持っていて、半神半魔・・・・のシン先生がなぜ一緒に、しかも王都に居るのかな?と」

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