神の使徒、魔王卿となり平和を求む

こにユウ

案外すごい人らしい

「ねぇ、ナーガ君。あたし騎士団についてあんまり知らないんだけど…」

移動している途中、フィーネさんがコソッと聞いてきた。1番大きな声で驚いていたのに…

「衛兵と騎士団って何が違うの?」

「衛兵は国自体を守る組織で主に貴族を守る。だから率先して戦争に出たりしなければいけないけど、ある程度強かったり経験を積んだ人は城や屋敷で貴族だったり、国王だったりを守るんだ。」

「じゃあ、騎士団は?」

「騎士団は…」

と、俺が口を説明しようとしたら

「騎士団は主に国民を守る役目を負っている。」

と、タッカート先生が口を開いた。

「あんまり、衛兵と変わらないんじゃ…」

「そうだな。だが騎士団は国から自立した組織だ。国王や貴族からの縛りはなく、民を捌いたりするが主に貴族を取り締まる役目がある。」

この人、思っていたよりも喋るな…

「騎士団の入団試験が難しいのは何でですか?」

そこでアダスが食い気味に聞いてきた。
先生は少し後ろに目をやり

「そうさな。では騎士団長は知っているな?」

「は、はい。この国で一、二を争う最良の騎士カナン・ハイスト。」

アダス、こいつ騎士団に入りたいんだな。
おまけに大好き過ぎで軽くオタクっぽくなっている。

「そうだ。あの人の前では嘘はつけない。着いたとしても見破られる。」

「まさか…」

「そうだ。」

「騎士団の最終試験は騎士団長との面接。そこで9割が落とされる。」

なるほど。それなら納得だ。質問によっては邪な考えだったりしたらバレる訳だからそんな人入団出来るわけもないよな。

「少し気になったんだけど」

レオーナさんがいぶかしむような目で先生を見て

「先生、貴方なにもの?騎士団について知りすぎなんじゃない?」

確かに。俺たち一般人が知らないようなことをスラスラと言ってたな。

「言っていなかったな。」

先生は歩きながらさも当然のように顔色を変えず

「今は2年間の休暇を貰っているが俺は現騎士団副団長だ。」

その瞬間、ほぼ全員の動きが止まった。サラッと結構すごいこと言ったぞ。この人

ばたんっ
ばたんっ

と倒れる音が2回した。振り向くとアダスとシンセが倒れていた。「ふく、ふふふくくく」、「げ、げんき…し」とうわ言のように呟いている。これは刺激が強かったらしい。

「先生、これどうしましょう?」

「仕方ない、俺が運ぶ。」 

そう言うと二人を担ぎまた歩き出す。
さすが副団長。鍛えられている。

「あの、訓練場は…」

「目の前のドームだ。さっさと入るぞ。」

そう言われて初めて気づいた。俺たちの前には大きなドームがあった。隠蔽系の魔法が掛けられているのか?

中に入っていくと、数人の人がいて

「少し借りるぞ」

「はい、どうぞ副団長!」

「それにしても先生始めたって本当だったんすね」

と、フレンドリーに会話をしていた。
怖がられていると思っていたがそうでもないようだ。
奥へ進んでいくと開けた場所にでた。グラウンドのような場所だな。先生は二人を端の方にある休憩スペースに置くと

「これから全員の戦闘力をみる。時間が少ない上に人数が少ないことを考慮し2人1組ペアを作れ2人ずつ見ていく。…む、一人余るな。」

先生は少し考え

「ニルベルク、レオーナ、フィーネ、お前たちは3人で組め。残りは二人ずつだ。」

多分、いい采配なのだろう。あの三人は俺たちよりやや弱い。問題があるからXクラスに来ているのだろうがそれでも敵わないだろう。

「ナーガはレイエルと、エリスはクロナと組め。いいな」 

「「「「はい!」」」」

「では、五分後にニルベルク班から始める。準備しろ」

そう言って先生は俺らがいる場所より少し遠い場所にあった扉を開き

「武器はこの中から選べ。ある程度のものは揃っている。」

そう言われ、中を覗くと木で作られた色んな種類の武器があった。みんなそれぞれ得意な武器を選び班に分かれて作戦を立てる。

あっという間に五分がたち

「準備は出来たか?」

「はい!」

ニルベルクが勢いよく返事し、

「よし。では、こい!」

最初の戦闘が始まった。



更新、遅れてすいません!遅れた分を取り返しつつ、また更新を続けていこうと思います!
応援のほど、よろしくお願いします(〃・д・) -д-))ペコリ

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