実力検査があるらしい

短いです( ˊᵕˋ )　

あの後、たまたま遅刻してきたビーナ先生に驚かれながらも拾ってもらい、なんとか授業には間に合った。けれど、運ばれる時お姫様抱っこだったのはさすがに恥ずかしかった。

教室に入った時のレイの目は冷たかったが、それでも脚力を戻して貰えた。

そんな中、先生が息を整えて言ったのは

｢今日は、実力検査を行う。｣

｢ビーナ先生。実力検査とはなんですか？｣

気になっていると、ニルベルクくんが質問してくれた。

｢実力検査とはまぁそのままの意味だ。
各々が自分の得意な分野で私に挑み、その結果を踏まえて改善点などを君たちに伝える。もちろん評価もつくからそのつもりでな。｣

｢ビーナ先生。質問があります。｣

｢ん？なんだい？ニルベルクくん｣

｢もし、先生に勝てたら褒美は貰えるのですか？｣

へぇ、前から分かってはいたが、こいつビーナ先生の事が好きだな？叶わぬ恋なのだが、それにしても欲望に従順すぎるだろ…

｢そうだな…。よし！私に一太刀でも浴びせることが出来ればなんでも1つだけ願いを叶えてやろう。もちろん私にできる範囲ではあるがな｣

ザワっ

この瞬間、教室の空気が変わった。相手は教師だがそれでも辺境伯の令嬢だ。望めば、ある程度のことは叶う。まぁこの前まで俺と試合してた人がそう簡単に攻撃を食らうわけもないのだが…。

｢先生。やっぱなしとかはダメですよ？｣

｢あぁ、もちろんだ。二言はない。｣

それだけで、ほぼ全員やる気を出している。

｢しかし、ナーガ君だけは別だ。｣

｢はい、もちろん。分かってます。｣

1度は完膚なきまでに負けた相手だ。勝利報酬はないだろう。

｢君は私に勝利したら、だ。いいな？｣

｢えっあっはい。｣

これは予想外だ。まさか報酬があるとは…

｢それでは、訓練所に移動するぞ。｣

やる気に満ちた俺たちは学園訓練場に向かった。

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