神の使徒、魔王卿となり平和を求む

こにユウ

レイは暴走気味らしい

次の日の朝、朝食を食べた後にレイに部屋に来るように呼ばれた。今頃だが、宿の部屋は1人1室ずつ用意しれていてる。呼ばれたのは多分、昼からある決闘の事だろう。

コンコン

「レイ、いいかな?」

「どう…ぞ」

ドアを開けると椅子に座ったレイが居た。その正面の椅子に俺は座った。

「レイ、呼んだのってやっぱり」

「うん。昼から…の決闘…というよ…りも、大罪卿…につい…て」

「大罪卿について?」

あれ?てっきり本気を出さないように強く言われるのかと思っていたけどそうでも無いようだ。

「うん。率直に…いう…と、大罪卿…あれは…おか…しい」

「おかしい?どこが?」

「普通、大罪…の、力は…1人1つ…だけ。でもあの子…には、全てが…宿って…る。例外…でも、2つまで…なの…に」

「それは、不味い事なのか?」

そこまで重要性を感じない俺は聞き返した。

「うん。1人1つの…力が、1人…に全て宿った…ら、どうなる…と思う?」  

「すごくパワーアップする。」

「そう。どの…くらい…と思…う?」

「うーん。ゼロ・ザ・ユニオンくらい?」

レイは首を振った。

「正解は…ね。バース…の、イーター・エクス・ユニバース…くらい。」

「なん…だって?」

あれって確か神滅魔法…しかも威力だけ見たらLv6ぐらいまであるやつじゃん。

「そんな…力が? 」 

「うん。でも…その分寿命…は短い…だろう…けど…ね。」

「…力にはそれ相応の代償が必要ってことか」

「そういう…こと」

どうにか出来ないのだろうか?というか待てよ?俺、レイに剣術以外ダメって言われたのだがヤバくない?

「助ける…方法は…ある。」

「あるのか?」

「うん。でも…代償が…ある」

「代償?」

代償って…

「大罪卿を辞めてもらう。」

「どういう…ことだ?」

「そのまま…の意味。ナーガ…に…略奪スキルを使って…もら…う。」

「その略奪スキルで大罪のスキルを奪えってことか?」

「そう。でき…る?」

正直、略奪スキルを作るのは抵抗があるがでもあの子を救えるのならいいだろう。
…何で俺はそこまであの子に拘るんだ?昨日会ったばっかりなのに

「わかった。やるよ。レイが言うんだ。いい事なんだろう。」

「じゃあ…」

「うん。」

スキル作成『スキル魔法』

略奪スキル
・・・相手のステータスでもスキルでも魔法でも何でも略奪できる。
「これでいいな。使い方はうん。分かるし」

「じゃあ、あとは…これ」

ガチン!

ん?俺の中で何か鍵がかかるような感じがしたんだがこれは一体?

「ナーガの…魔法…を、半永…久的…に封印し…た。」

「え?封印?」

「決闘…で魔法…を使わない… よう…に」

「でも半永久的に封印って…」

「私…が解除すれ…ば封印…は、解ける…から」

「あぁ、だから半永久的ね」

「うん。解除…すれば…ね。」

「えっ?」

ゾッとしてレイの方を目を見開いてみると

「ふふっ。そんな顔…しなく…ても、ちゃんと解除する…よ?」

ほっとした。嫌な汗を背中にかいた。気持ち悪い。汗を流そうと思い、席を立った。

「あっ待っ…て」

レイが俺の袖を引っ張って止めた。

「どうした?」

「えっと…これ」

そう言ってレイはアイテムボックスから白いというより銀色に輝く1振りの剣を取り出して俺に渡した。
鞘から抜くと真ん中に黒い線が入っていた。

「ナーガ…日本刀…沢山ある…から西洋風の…作って…みた。」

「ありがとう。レイ!」

「鑑定…して?」

「うん。わかった。」

『鑑定』
神装剣しんそうけんレイホワイトナイト
スキル
所有者ロック
相思相愛
破壊不可能
自動防御

所有者ロック
・・・所有者の登録を行い、その人物以外は使うことが出来ない。

相思相愛
・・・相手の事を思えば全ステータス・スキルが跳ね上がる。上限はない。また相手の全ステータス・スキルも上がる。さらに相手からも思われることで際限なく上がり続ける。この場合も相手のステータスも上がる。

自動防御
・・・意識外からの攻撃を自動で防御する。

凄い強いけど、名前恥ずかしいし特にこの相思相愛っていうのすごく恥ずかしいんだけど

「どう…かな?」

真っ赤になって聞いてくるレイがいた。これ自分で作ったのはいいけどすごく恥ずかしいってパターンだな

「凄く嬉しいよ。ありがとう!」

2人とも真っ赤になって突っ立っていると

「ナーガ!レイエル!昼飯を食って訓練所に行くぞ!」 

もうそんな時間か

「レイ。行こうか」

「うん。」

食堂に降りる時、レイの手を握ると恥ずかしそうに握り返してくれた。可愛いなぁ。
あっ…汗流せなかった。



その後、食堂で手離すタイミングを逃して父さん達にイジられたのは恥ずかしかった。


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