神の使徒、魔王卿となり平和を求む
幕間・学園とその他の視点①
学園会議室にて
そこには計6名の人物が集まっていた。
理事長
筆記試験監督
剣技試験監督
魔法試験監督
剣聖エリザ
賢者ルビィ
理事長が一呼吸おいて
「皆に集まって貰ったのは他でもない。今年の入学生、ナーガ・エル・ウォーグとレイエル・フィールについてだ。」
そこで手を挙げたのは筆記試験監督。
「その2人は筆記試験で神滅魔法の魔法陣の設問を解いていたんです!学者ですら解いた者はいない問題です。解けなくてもどこまで考えられるかを試すために用意した問題だったのですがそれぞれ完璧な解答が記入されていました!」
「なんだと!?」
どよどよ
「そんなことがありえるのか?」
ガヤガヤ
「静まれ!」
校長のその一言で一気に静かになった。
「剣技・魔法試験の方はどうだった?」
理事長はそれぞれの監督とエリザとルビィを見た。
口を開いたのはエリザだった。
「剣技は多分、いや確実に私よりあいつの方が強い。それは間違いないと思うぞ。」
「それほどまでか…」
「私が殺気だけで気絶したしな。それに剣技自体も私の剣を全ていなしていたしな。」
「しかしそれは手加減をしてであろう?」
ふんぞり返った魔法試験監督がそう聞くが
「いや、本気だった。殺す気はなかったにしろ百刀修羅をすべて躱された。」
「「「なっ!?」」」
流石にこのことには会議室にいた全員が驚いた。しかしこの中の1名は物凄く静かに怒っていた。
「エリザ…。ナーガに百刀修羅を使ったのは本当なの?」
そう。ルビィだ。ルビィはナーガのことを溺愛している。最初は弟子でしか無かったが今となっては本当の弟のように思っている。そんなナーガに剣技の最上級技を放ったのだ。到底許されるわけがない。一瞬にして会議室をルビィの殺気が満たす。各監督と理事長は机に突っ伏し、エリザも顔を青くして俯いている。勇者パーティの中で1番怒らせてはいけないのはルビィだ。それはエリザもよく分かっていたがまさかここまで怒るとは思ってもみなかった。
「ルビィ…すまない。もうこんな真似は2度としない。だから…っ!殺気を収めてくれ。」
そう言われてルビィも冷静になったのだろう。顔を真っ赤にして殺気を引っ込めた。
「すいません。感情が昂ってしまいました。」
「あ、あぁ私も悪かった。」
「それはナーガ本人に言ってください。それ理事長とほかの先生…」
「な、なんでしょうか?」
「もしナーガが悲しんだり苦しむようなことがあれば、私はこの学園を全力で潰しますのでそのつもりで」
「り、了解した。皆も分かったな?」
「「「はっはい。」」」
そこを区切りにまた報告が始まった。
「では続けよう。剣技は剣聖エリザ様より強いということは分かったが魔法は…」
「はい。結界も破られていたのですがなにか爆発物を…」
「ナーガはそんなことしません。」
不正を疑った魔法試験監督にルビィはハッキリ言った。
「ルビィ様、ですがあの威力はおかしすぎます。たかが子供にあれを破れるほどの魔法が使えるわけがありません。」
「なぜ、そう思うのですか?しっかりと鍛錬をつみさえすれば出来るでしょうに」
「ルビィ様、先程の事と言い、なぜナーガという生徒にそれほどまでにこだわっておられるのですか?まさか一目惚れしたとでも?」
「それこそありえません。あの子は私の弟子です。さらに2年間眠っていた間にさらに私より強くなっておりました。オリジナル魔法を完成させるまでに」
「「「なっ!?」」」
オリジナル魔法と聞いてまたも会議室が騒然とした。
オリジナル魔法とはその名の通り世界に一つだけの魔法である。さらにその人物しか使えないとされている。ただしその人物が教え、適性があれば使える。ルビィはナーガが全属性持ちなのを知っていたがまさかそのオリジナル魔法を試験で使うとは思ってもみなかった。
「では、ルビィ様。そのオリジナル魔法の属性は何だったのですか?あの結界には全属性の耐性魔法が付与されていたはずです。」
「そうですね。確かにそうです。しかしあれについているのは全属性ではなく、私が持っている。火・水・風・光だけです。それ以外の魔法を打たれると少し弱くなってしまいます。」
「まて、ナーガというものは全属性を持っていると言ったな?それならば闇も持っているのではないか?」
魔法試験監督が鋭く聞いてきた。それもそうだ。闇魔法とというのは魔族しか扱えないとされているからだ。それを人間が使ったということはつまり、魔族の可能性がでてくるのだ。
「持っています。しかし、魔族ならその対となる光属性を使えません。しかしナーガはそれを使えます。なので魔族ではありません。魔族だった場合は私は自分の首を掻っ切って死にます。」
最近、魔物の活発化魔族の侵略などがあり、王都の人々は恐怖心を抱いている。この魔法試験監督もその1人である。
「わかった。ルビィ様がそこまで言うのでしたら問題ないでしょう。」
理事長はそう言うと
「しかし、もう1人残っている。レイエルについてだ。あの者はたしかナーガの従者で一緒に入学式することになっておるのじゃが」
「なにか問題が?」
「ナーガと同じ様にこやつ試験会場を吹っ飛ばしておるのだ。」
「この子もですか。」
「しかも初級魔法のファイアーボールだけで…だ。」
どよどよ
「それはありえません。いくら第2会場には耐性付与がされてないとはいえ結界をファイアーボールで破壊するなど」
そこで手を挙げたのはまたしてもルビィだった。
「その子は私より凄いです。剣技もそれなりにできますが、魔法の適性が私より上です。実際に指導したので分かります。」
「そ、そうか。ルビィ様がいうならこの議題は終わりだ。」
そこで理事長は一呼吸おいて
「では首席はナーガ・エル・ウォーグ
  次席をレイエル・フィールとする。」
「待ってください!」
そこでやはり口を出してきたのは魔法試験監督だった。
「首席がナーガ君なのは分かります。しかし次席を平民のレイエルにするのは…」
「何を言っている。この学園は貴族や平民といった身分を取り払っている。問題は無いはずだか?」 
「そ、それはそうですが…」
「ならいいだろう!首席はナーガ!次席はレイエルとする!解散!」 
その掛け声で集まった面々が会議室から出ていく。その中で
「ルビィ様。すこしよろしいでしょうか?」
「はい。分かりました。エリザは先に行ってていいわよ。」
「わかった。」
会議室が2人だけになった。
「それで、話とはなんですか?理事長。いえおじい様?」
「そう堅苦しい話し方をするでない。普段通りにしておれ」
「おじい様こそ私を様付けしてたくせに…。まぁいいわ。それで?」
「レイエルも気になるのじゃがやはりナーガは何者なんじゃ?わしの目にはもう化け物にしか見えなかったのじゃが」
「あら?私の弟子をそんな風に言うだ。でもそれも分かるわ。まず闇と光の属性を持ってる時点でおかしいのに全属性持ちですもの。」
「国王に話したのか?」
「まさか。でもそろそろ話そうと思うの。今日の昼から謁見してくるわ。」
「そうか。わしも行きたい所なんじゃが」
「おじいちゃんは無理しないで。ただでさえもう歳なんだから」
「なにを!?仮にも師匠に言う言葉か?」
「だって本当なんだから仕方ないでしょ?」
「しかし、お主は妙にナーガに懐いておるの。惚れたか?」
「っ!そうじゃないわ。弟みたいな感じよ。とっても大事な…ね。」
「ほほう。」
ニヤニヤしながら理事長は孫の顔を見ていた…が
「だから、おじいちゃんでもナーガに何かあったら容赦はしないから」
ニヤニヤ顔が一気に凍りついた。
「わかっとるわい。それより昼から謁見なのじゃろ?はやく行きなさい。」
「はーい。じゃあ行くわね。バイバイ。おじいちゃん。」
「あっ!待っとくれ」
「何よ」
「これもついでに持って行ってくれんかの?」
それは請求書だった。もちろんナーガとレイが壊した試験会場の…だ。
「分かったわ。じゃ行ってくるわね。」
「ほっほ。気をつけてなぁ」
そこには計6名の人物が集まっていた。
理事長
筆記試験監督
剣技試験監督
魔法試験監督
剣聖エリザ
賢者ルビィ
理事長が一呼吸おいて
「皆に集まって貰ったのは他でもない。今年の入学生、ナーガ・エル・ウォーグとレイエル・フィールについてだ。」
そこで手を挙げたのは筆記試験監督。
「その2人は筆記試験で神滅魔法の魔法陣の設問を解いていたんです!学者ですら解いた者はいない問題です。解けなくてもどこまで考えられるかを試すために用意した問題だったのですがそれぞれ完璧な解答が記入されていました!」
「なんだと!?」
どよどよ
「そんなことがありえるのか?」
ガヤガヤ
「静まれ!」
校長のその一言で一気に静かになった。
「剣技・魔法試験の方はどうだった?」
理事長はそれぞれの監督とエリザとルビィを見た。
口を開いたのはエリザだった。
「剣技は多分、いや確実に私よりあいつの方が強い。それは間違いないと思うぞ。」
「それほどまでか…」
「私が殺気だけで気絶したしな。それに剣技自体も私の剣を全ていなしていたしな。」
「しかしそれは手加減をしてであろう?」
ふんぞり返った魔法試験監督がそう聞くが
「いや、本気だった。殺す気はなかったにしろ百刀修羅をすべて躱された。」
「「「なっ!?」」」
流石にこのことには会議室にいた全員が驚いた。しかしこの中の1名は物凄く静かに怒っていた。
「エリザ…。ナーガに百刀修羅を使ったのは本当なの?」
そう。ルビィだ。ルビィはナーガのことを溺愛している。最初は弟子でしか無かったが今となっては本当の弟のように思っている。そんなナーガに剣技の最上級技を放ったのだ。到底許されるわけがない。一瞬にして会議室をルビィの殺気が満たす。各監督と理事長は机に突っ伏し、エリザも顔を青くして俯いている。勇者パーティの中で1番怒らせてはいけないのはルビィだ。それはエリザもよく分かっていたがまさかここまで怒るとは思ってもみなかった。
「ルビィ…すまない。もうこんな真似は2度としない。だから…っ!殺気を収めてくれ。」
そう言われてルビィも冷静になったのだろう。顔を真っ赤にして殺気を引っ込めた。
「すいません。感情が昂ってしまいました。」
「あ、あぁ私も悪かった。」
「それはナーガ本人に言ってください。それ理事長とほかの先生…」
「な、なんでしょうか?」
「もしナーガが悲しんだり苦しむようなことがあれば、私はこの学園を全力で潰しますのでそのつもりで」
「り、了解した。皆も分かったな?」
「「「はっはい。」」」
そこを区切りにまた報告が始まった。
「では続けよう。剣技は剣聖エリザ様より強いということは分かったが魔法は…」
「はい。結界も破られていたのですがなにか爆発物を…」
「ナーガはそんなことしません。」
不正を疑った魔法試験監督にルビィはハッキリ言った。
「ルビィ様、ですがあの威力はおかしすぎます。たかが子供にあれを破れるほどの魔法が使えるわけがありません。」
「なぜ、そう思うのですか?しっかりと鍛錬をつみさえすれば出来るでしょうに」
「ルビィ様、先程の事と言い、なぜナーガという生徒にそれほどまでにこだわっておられるのですか?まさか一目惚れしたとでも?」
「それこそありえません。あの子は私の弟子です。さらに2年間眠っていた間にさらに私より強くなっておりました。オリジナル魔法を完成させるまでに」
「「「なっ!?」」」
オリジナル魔法と聞いてまたも会議室が騒然とした。
オリジナル魔法とはその名の通り世界に一つだけの魔法である。さらにその人物しか使えないとされている。ただしその人物が教え、適性があれば使える。ルビィはナーガが全属性持ちなのを知っていたがまさかそのオリジナル魔法を試験で使うとは思ってもみなかった。
「では、ルビィ様。そのオリジナル魔法の属性は何だったのですか?あの結界には全属性の耐性魔法が付与されていたはずです。」
「そうですね。確かにそうです。しかしあれについているのは全属性ではなく、私が持っている。火・水・風・光だけです。それ以外の魔法を打たれると少し弱くなってしまいます。」
「まて、ナーガというものは全属性を持っていると言ったな?それならば闇も持っているのではないか?」
魔法試験監督が鋭く聞いてきた。それもそうだ。闇魔法とというのは魔族しか扱えないとされているからだ。それを人間が使ったということはつまり、魔族の可能性がでてくるのだ。
「持っています。しかし、魔族ならその対となる光属性を使えません。しかしナーガはそれを使えます。なので魔族ではありません。魔族だった場合は私は自分の首を掻っ切って死にます。」
最近、魔物の活発化魔族の侵略などがあり、王都の人々は恐怖心を抱いている。この魔法試験監督もその1人である。
「わかった。ルビィ様がそこまで言うのでしたら問題ないでしょう。」
理事長はそう言うと
「しかし、もう1人残っている。レイエルについてだ。あの者はたしかナーガの従者で一緒に入学式することになっておるのじゃが」
「なにか問題が?」
「ナーガと同じ様にこやつ試験会場を吹っ飛ばしておるのだ。」
「この子もですか。」
「しかも初級魔法のファイアーボールだけで…だ。」
どよどよ
「それはありえません。いくら第2会場には耐性付与がされてないとはいえ結界をファイアーボールで破壊するなど」
そこで手を挙げたのはまたしてもルビィだった。
「その子は私より凄いです。剣技もそれなりにできますが、魔法の適性が私より上です。実際に指導したので分かります。」
「そ、そうか。ルビィ様がいうならこの議題は終わりだ。」
そこで理事長は一呼吸おいて
「では首席はナーガ・エル・ウォーグ
  次席をレイエル・フィールとする。」
「待ってください!」
そこでやはり口を出してきたのは魔法試験監督だった。
「首席がナーガ君なのは分かります。しかし次席を平民のレイエルにするのは…」
「何を言っている。この学園は貴族や平民といった身分を取り払っている。問題は無いはずだか?」 
「そ、それはそうですが…」
「ならいいだろう!首席はナーガ!次席はレイエルとする!解散!」 
その掛け声で集まった面々が会議室から出ていく。その中で
「ルビィ様。すこしよろしいでしょうか?」
「はい。分かりました。エリザは先に行ってていいわよ。」
「わかった。」
会議室が2人だけになった。
「それで、話とはなんですか?理事長。いえおじい様?」
「そう堅苦しい話し方をするでない。普段通りにしておれ」
「おじい様こそ私を様付けしてたくせに…。まぁいいわ。それで?」
「レイエルも気になるのじゃがやはりナーガは何者なんじゃ?わしの目にはもう化け物にしか見えなかったのじゃが」
「あら?私の弟子をそんな風に言うだ。でもそれも分かるわ。まず闇と光の属性を持ってる時点でおかしいのに全属性持ちですもの。」
「国王に話したのか?」
「まさか。でもそろそろ話そうと思うの。今日の昼から謁見してくるわ。」
「そうか。わしも行きたい所なんじゃが」
「おじいちゃんは無理しないで。ただでさえもう歳なんだから」
「なにを!?仮にも師匠に言う言葉か?」
「だって本当なんだから仕方ないでしょ?」
「しかし、お主は妙にナーガに懐いておるの。惚れたか?」
「っ!そうじゃないわ。弟みたいな感じよ。とっても大事な…ね。」
「ほほう。」
ニヤニヤしながら理事長は孫の顔を見ていた…が
「だから、おじいちゃんでもナーガに何かあったら容赦はしないから」
ニヤニヤ顔が一気に凍りついた。
「わかっとるわい。それより昼から謁見なのじゃろ?はやく行きなさい。」
「はーい。じゃあ行くわね。バイバイ。おじいちゃん。」
「あっ!待っとくれ」
「何よ」
「これもついでに持って行ってくれんかの?」
それは請求書だった。もちろんナーガとレイが壊した試験会場の…だ。
「分かったわ。じゃ行ってくるわね。」
「ほっほ。気をつけてなぁ」
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