神の使徒、魔王卿となり平和を求む

こにユウ

目覚めたら修羅場るらしい

知らない天井だ。

外をみるともう暗くなっている。
起き上がろうとしてみると重みがあった。レイさんが俺の上で寝ている。そうか着いてこれたんだな。隣をみるとバースさんがいた。バースさんも同じ状況らしい。2人で苦笑いしていると

「うーん。」

ベットの横から声が聞こえた。母さんだ。2年だもんなぁ。よくみると少しやつれている。起こそうか迷っていると

「おは…よう」

レイさんの方が早く起きた。

「おはよう。レイさん」

「むぅ」

「えっどうした?」

「も…う婚約した…んだか…ら、レイって呼んで」

「えっでも…」

「私の地…位は?」

「創世神…」

「創世…神…は?」

「神のトップ」

「神…の、トップ…が言う…こと…は?」

「絶対」

「よろ…しい」

「レイって、呼ん…で?」

「はい」

なんだろう。俺はこの子には生涯勝てる気がしない。と待てよ?

「レイさ…レイ、今のトップて俺じゃない?」

ぷぃ

レイは知らないというようにそっぽを向いた。仕草が可愛いなぁ…
俺とレイがやり取りしていると

「誰だこんな時間に。病室では静かに…」

「おはよう。父さん」

「あぁ、おはよう。それより病室では静かに…えっ?」

「うーん。あなたうるさいわよ?少しは静かに…」

「おはよう。母さん」

「おはよう。ナーガ。あなたナーガも起きたんだから静かに…えっ?」

「おはよう。父さん、母さん」

「「ええええええええええええええ!!!」」

父さんと母さんは驚きの声を上げた。まあそりゃそうだ。2年も眠ってた息子が起きたんだから

「なんなんですかぁ?少しは静かにしてください」

「ちょっ、グリム。少し黙って…」

「「バースも起きてるぅぅぅ!!」」

「父さんたち少し落ち着こうか」

「「あっはい。」」

それから俺とバースさんは何が起こったのか聞かれたがしらぬ存ぜぬを突き通した。気づいたら病室で寝ていたことにした。俺もバースさんも体が大分痩せており、リハビリが必要となった。
もちろん。色々突っ込まれたが

「ナーガ!?その子は誰なんだ!?」

父さん、ごもっともな意見です。だから俺も穏便済ませようと

「えーっと、この子は…」

「び…ナーガの…嫁の…レイ…です。よろしくお願いします。お義…父さん、お義…母さ…ん」

「「ええええええええええええ!!!」」

そこからの説明が凄く面倒だった。
レイのこと、グリムさんのこと。とりあえずは夢の中で出会った少女とし、バースさんに限っては生き別れた姉の孫ということにした。父さんたちもしぶしぶだが納得したようだ。

「ナーガ。話はわかった。だがまず話さないといけないことがある。」

「なんですか?父さん」

「お前が眠ってから2年が経ち、今お前は9歳だ」

「えっぇぇえええ!!!(棒読み)」

「ナーガ。2年を無駄にしたのは痛いです。さらにずっと眠ってたことからリハビリもしなければなりません。そうなると来年の入学試験には…」

「いえ!大丈夫です!残り一年でリハビリを完了します!」

「だが…」

「父さん。やらなくて後悔するよりやって後悔したいんだ。」

「っ!わかったよかろう」

「あなた!?」

「だが無理はダメだ。もちろんバースも」

「「はい。わかりました。」」

俺もバースさんも体が痩せこけてまず立つことすら難しそうだ。ほんとに1年でできるか?
今更ながら心配になってきた。

「リハ…ビリ?しなくて…いい…よ?」

「「えっ?」」 

俺もバースさんも驚いて声出した。父さんと母さんに限っては何言ってるんだこの子?みたいになっている。

「グリ…ム」

「わかりました。ナーガさん。それにバースも少し痛いかもしれませんがお覚悟を」

「あっうん。わかった。」
 
「はい。わかりました。」

するとグリムさんは真っ赤な短刀を取り出し

グサッ

なんとバースさんの首を切り裂いたのだ。

「「「えっ?」」」

状況についていけない俺と父さんと母さんは驚いた声を出す。

「さてナーガさんも」

「待て!ナーガは殺させない!せっかく目覚めたのにそんなことをさせてたまるか!」

父さんは臨戦態勢、母さんも俺の前に無言でたっている。

「なら仕方ありません。ナーガさん、抵抗なさらぬよう。」

「あっはい。」

「だから殺させないと…」

グサッ

「「えつ?」」

2人が振り向く頃には俺は首を刺されていた。

「ナーガ!ナーガ!」

「おのれよくもナーガを!」

そこまで見て俺は死んだ。

と思ったのだが目を開けると天井が見えた。どうやら倒れたようだ。
辺りをみると、グリムさんに2人が襲いかかろうとしている所だった。レイはと言うと悠長に寝ていやがった。マイペースだなぁ
おっと、今起きてることを止めなければ

「父さん母さん、落ち着いて」

「落ち着いてられるか!ナーガを殺され…は?」

母さんも驚いている

「「は?」」

「説明しますね。この刀は相手を殺すことで全ての傷や状態異常を治して生き返らせるものです。」

「そっ、それなら予め言ってくれ!」 
 
「そうよ。心臓に悪いわ?」

「もし私が今の説明をしてナーガさんに斬りかかったら止めませんでしたか?」

「「ああ(ええ)」」

「そうでしょう?止めたで…え?
 止めないんですか?」

「止めませんよ。相手の目を見れば嘘をついているか分かりますから」

流石のグリムさんも言葉を失っていた。まぁそうだよね。俺も今聞いて驚いた。

「グリムぅ、殺すなら予め言ってくれ」

「ごめんなさい。でも言ったらあなた抵抗するじゃないですか。」

「そりゃするさ!痛いし」

「えーっと、バースさんとりあえず、話し方を…」

「あっ、すいません。取り乱しました。」

完璧な執事に戻りやがった。すげぇ。しかも寝ている間も認識阻害がずっとは効いてるってバースさんすげぇ。

「ナーガ様。体は元に戻りましたが、戦闘の感覚などなまっているかもしれません。明日からリハビリにつきあってください。」

「えぇ、こちらこそよろしくお願いします」

「私たちはどうしましょう?レイエ…」

「レイで…いい」

「レイ様」

「レイ」

「んぅぅぅ…レイさ…ん」 

「それで…いい」

「えーと、グリムちゃんにレイちゃん?私の家で家事をしない?」

母さんがレイさんとグリムさんを雇おうとしている。なにやってんだか

「ナーガが眠りについてうちの使用人が減ったのよ。呪われている。とか良くない噂をされて」

俺のせいだった。何も言えねー

「わかりました。レイさんもそれでいいですか?」

「う…ん」

とりあえず、ひとまず収拾がついたらしい。

「それじゃあ、ナーガ入学試験は予定通り受けるようにしておくからな」

「はい!ありがとうございます!父さん」

「それと、ルビィも見舞いに来ていたから今度会ったらお礼を言っとけよ?」

師匠、来てくれたんだ

「はい!分かりました!」

「よし!帰るか!レイさんもグリムさんもうちに泊まっていいからな!」

「ありがとうございます!」

「あり…がと…う」

帰る時、看護師の人から驚かれたが笑顔で祝福してくれた。
久しぶりな感じがするな。家に帰るのは

家の玄関に入って母さんが

「ナーガ、家に着いて言うことは?」

ん?あっえーっと

「ただいま!」

コメント

  • Ren

    面白くて、続きが気になります!

    3
コメントを書く

「ファンタジー」の人気作品

書籍化作品