神の使徒、魔王卿となり平和を求む

こにユウ

バースさんは強いらしい

「ではナーガ様はワイバーン1体の相手をお願いします。私はワイバーンとレッサーファイアードラゴンの相手をします。時間稼ぎ程度でいいので」

そう言うとバースさんは物凄いスピードで魔物に向かって行った。身体強化に風魔法でスピードを強化してるな。あれ
にしてもワイバーンだけかぁ。まぁ子供なら仕方ないし大体は任せないだろうけど

とかなんとか考えていると1体のワイバーンが飛んできた。他の奴らが苦戦してるバースさんじゃなくて俺を殺して逃げる気だな
とりあえずワイバーンだし

「『ファイアーランス
     ウォーターランス』」

と2つの魔法を唱えてワイバーンに向かって放った。足止め程度だからこれでいいはず
火と水の化学反応で出来た煙がはれると、ボロボロのワイバーンがいた。するとすぐにそのワイバーンは地面に身を落とした。
あれれ?おかしい。この程度なら他の皆も苦戦しないはずなんだけど…

「おやおや、もう倒されたのですか。早いですね」

ニコニコしてバースさんが近づいてきた。
…俺より早く、ワイバーンとレッサーファイアードラゴンを倒してる貴方が言いますかバースさん。

「はい。ですがこの程度なら僕らじゃなくても父さんたちで倒せたはずです。」

「はい。普通ならですが」

「どういう意味ですか?」

「いくら、前線を長らく離れた旦那様方でもこの程度の魔物には負けません。ましてや勇者パーティの魔法使いがいるのですから
ですが、影で能力低下の魔法を使ってる者がいれば話は別です。しかも強力なのが使われていればなおさらです。」

「という事は…」

「はい。この件は間違いなく魔族が関与しています。」

魔族か…
魔族とは人類と敵対している種族である。魔物を生み出し、人類に被害や災害をもたらす種族である。他にもエルフや獣人、天使や神族なんてものもいる。魔王は100年前にその時の勇者が倒したという話だったが

「まさか、新たな魔王が出たんでしょうか?」

「私には分かりかねます。しかしそう考えていてよろしいかと」

んー、平和に暮らしたいから魔王とかあと100年くらいでて来なくていいのに

「ここで話していても仕方ありません。旦那様の元へ一旦戻りましょう。」

「そうですね、わかりました。
 魔物はアイテムボックスに入れますね」

そう言って俺とバースさんは森を抜け、街に戻った。そこには兵を集めている父さんと師匠がいた。

「とうさーん!帰ったよー!」

そう声をかけると驚いた様子で父さんは振り向きこちらに走ってきた。

「ナーガ!怪我はないか?
 毒とかは…」

「大丈夫ですよ!僕は後衛でバースさんを援護してただけだから」

「そうか。ありがとう、バース」

「いえいえ、勿体なきお言葉。」

師匠をみるとその場で泣き崩れていた。えぇー…死んだと思われてたんだろうな。もう少し弟子を信じて欲しい。
母さんは家で休んでいるらしい。結構酷い怪我だったが、今は治って安静に寝ているらしい。

その夜、レッサーファイアードラゴンとワイバーンについて話した。

「父さん。あれは多分魔族の仕業だと思います。」

「ふむ。俺も同じ意見だな。近いうちにルビィを連れて王都に報告に行ってくる。多分その日でルビィの依頼も終えることになるから悔いのないようにな」

「はい!父さん」

そして父さんと別れて部屋に戻るとコンコンっと扉が叩かれたので「どうぞ」というとやはりバースさんがきた。

「ナーガ様。お話があって参りました。」

「分かってる。僕も話したかったしね」

これは正直な事だ。俺のステータスとほぼ互角だしあの称号と加護についても聞いて起きたかった。

「でも、話す前に1つ。バースさんも隠蔽魔法を使ってますね?または似たようなのを」

「はい。確かに使っています。」

「僕ももちろん使っています。なので2人で隠蔽無しのステータスを見せませんか?」

「それにどのような意味が…」

「そうですね…。信頼のためですかね。それともう1つは、俺ならバースさんが成したい事の手助けになれると思いますよ?」

ピクっとバースさんの眉が動いた。よしよし

「わかりました。では」

「「『ステータスオープン』」」

【名前】ナーガ・エル・ウォーグ
 【種族】人間族
    【性別】男性 
    【年齢】7歳
 【称号】公爵家次男 転生者  剣鬼の弟子
                    剣聖  神の使徒
                   創世神の友人
                   初代創世神に認めらし者
                   神々から敵意を持たれる者
                   神の天敵
 【レベル】128
 【体力】1570,000/1570,000
 【魔力】4630,000/4630,000

 【魔法】
  創造魔法 Lv10
  火魔法 Lv10
  風魔法 Lv10
  水魔法 Lv10
  光魔法 Lv10
  闇魔法 Lv10
    時空魔法 Lv10
       古代魔法 Lv10
       神滅魔法 Lv10
    生活魔法 Lv10
       隠蔽魔法 Lv10

 【スキル】
  鑑定 Lv10
  アイテムボックス Lv10
  武術 Lv10
  体術 Lv10
  物理耐性 Lv10
  魔法耐性 Lv10

 【加護】
  創世神の加護
       初代創世神の加護

【名前】バース・ファニエル
 【種族】半人半魔
    【性別】男性 
    【年齢】???
 【称号】人と魔族の間に生まれしもの
                   元王国最強の暗殺者
                   神に挑みし者
                   運命に抗うもの
                   死神の寵愛
                   不老不死
                   死神の夫
 【レベル】98
 【体力】885,000/885,000
 【魔力】1000,000/1000,000

 【魔法】
  風魔法 Lv10
  闇魔法 Lv10
 
 【スキル】
  鑑定 Lv10
  武術 Lv10
        体術 Lv10
       暗殺術 Lv10
      認識阻害
 【加護】
  死神の加護


「「……」」

2人とも何とも言えなくなった。
てかLvの上がり方がほぼ100増えるって何!?

「バースさん。こちらもステータスの事で答えるので1ついいですか?」

「何でしょう?」

「死神さんと結婚なされたんですか?
 それと不老不死って…」

「それですよね。書いてある通り、私と死神、いえグリムは結婚してます。死神系の称号もグリムと結婚した事が大きいです。
不老不死はグリムから無理やり付けさせられましたね。1人残るのは嫌だからと」

なるほど

「じゃあ、最後に運命に抗うものと神に挑みし者って言うのは?」

そこを聞くと渋い顔をしたバースさん。

「あぁ、言いたくないならいいですよ?」

「いえ、その2つは同じ時に獲得しまして
 グリムが他の神から奪われた時に獲得しました。」

「でも、神に奪われた時だけなら神に挑みし者だけなのでは?」

「それはですね。奪った相手が運命神だからです。あれからもう100年が経ちますよ」

バースさんは遠くを寂しそうな目をして言った。どうやら神界に人が長らくいることは出来ないらしく無理やりだったらしい。

「そう…なんですね。あと、スキルの認識阻害というのは?」

「これは、私の認識を他人に好きなように見せることができるスキルですね。ナーガさんにならみせてもいいでしょう」

そういうとバースさんの姿は20歳後半位の若い青年になった。背は180cmくらい。青い髪に赤い目をしていた。普通にイケメンだし
「おぉ〜!!」と俺が感嘆の声を上げていると元の老人紳士の姿に戻し恥ずかしそうに

「ではこちらから質問です。
1つ目にというか称号の神についての事と転生者って本当ですか?」

「はい。本当です。しかし初代創世神様の事については加護についても称号についても心当たりがありません。」

「そうですか。ステータス値も凄いですねこれは」

「それについてはほとんど加護のせいですね」

その他にもバースさんの馴れ初めや転生者の話など色々話した。

「おっと、こんな時間ですね。話ができて良かったです。明日からもこれまで通りに」

「分かってますよ。バースさんおやすみなさい」 
「はい。おやすみなさい、ナーガ様」

バースさんが部屋から出て寝ようとした時何かが引っかかった。何か出来るはずではないか。俺になら出来ることがあるはず
あっ!!!
レイの所に行って、話をつけに行こう!
そう思い、バースさんを追いかける
いた!
「バースさん!」

「どうなされました、ナーガ様?」

「話をつけに行こう!」

「一体なんの話を…」

「とりあえず、神殿に送って!お願いします!」

「!!わかりました。何かあるのですね行きましょう!」

父さん達に一言と思ったけど時間が惜しいのですぐにバースさん抱えて貰いすぐに教会へ向かった。

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