俺と私とあたしの恋愛三角模様
プロローグ
ーー私 (あたし)達は2人とも同じ人を好きになった。
ーー同じ人を好きになるなんて恋の神様もなんて意地悪いのだろうか。
ーーあの子は私 (あたし)に比べて魅力的なのは分かる。
ーーだけど彼を思う気持ちはあの子に絶対負けない。
ーーこれは奇しくも同じ男子を好きになってしまった2人の女子とその2人の間で心が揺れ動く男子の話である。
朝7:00、俺こと篠原夏樹の1日はいつものことから始まる。
「ほら起きろって楓」
「……あと5分」
「ダメだからな。朝食食べる時間を考えたらそんな時間ない」
「の意地悪……」
「はぁ……投げられたくなければ布団から出ろ」
「はぁい……」
というと眠たそうに布団から出る幼馴染の柚原楓。
冷静に何事もそつなくこなすくせに朝にはとても弱い。
なんなら俺が朝起こさなければ多分昼過ぎまで寝ている可能性がある。
俺はおばさんから許可をもらい毎朝、楓を起こしに行くのが毎日の日課だ。
「待たせたわね夏樹」
背筋をピシッと伸ばし起きた時には寝癖が酷かった髪も、しっかりと整えて家から出てくる楓。
「……本当に30分前とは大違いだよなお前」
この姿をだけを見れば学校で優等生と言われるのも分からなくもない。だが、俺はあの姿をを見慣れているので学校の奴らのように騙されない。
「あら、私はこれが普通よ。私の幼馴染は何を言っているのかしら」
「いやいや30分前まで寝ていたやつが何を言うんだ?」
「貴方しか見ていないのだから大丈夫よ」
「……そういうもんか?」
「そうよ。ほら行きましょ遅刻するわ」
と言うと1人先に歩き出す楓。
「へいへい」
……お前が普通に起きれば遅刻とかいう問題も関係無くなるのだがというツッコミは心のうちにしまっておいて俺も学校に向かうのであった。
ーー柚原楓。
俺の幼馴染である。
スポーツも勉強も平均以上というかそつなくこなす万能人間。
ただ朝起きるのと人付き合いが苦手なぐらいだ。
見た目は幼馴染の贔屓目を抜いても美少女なのだが、学校で話すのは俺ともう1人ぐらいしかいない。
そのもう1人の話せるやつ曰く“なんか知的クールで話しかけずらい”とのこと。
どうやら学校の連中はそう思っているようだが、俺は楓と長い事ずっといるので楓が朝に大変なことになっているのも知っているので何も思わない。
いつものように楓と一緒に話しながら登校していると俺らの学校に着いた。
と言っても俺と楓はクラスも同じなので教室まで一緒だ。
「やっべ……今日小テストじゃん」
「あら忘れていたの? 今日の範囲は難しいわよ」
「うへぇ……まーー」
「ーーおっはよ~~2人とも!!」
と後ろから明るく元気な声が俺らを呼んだ。その声の方を向くとそこにはクラスメイトの山吹若菜がいた。
「山吹か……朝から元気だな」
「何を言っているのさ!! 朝だから元気なの!!」
……その言葉を聞いた瞬間、茜がすっと目を逸らしたのを俺は見逃さなかった。
確かに貴方の場合は目を逸らしたくなりますよね楓さん。
「山吹さんおはよう」
だが楓はそんな事を感じさせないように挨拶を返した。
「おうおう、今日も朝から一緒に登校かいお2人さん。いいね~若いね~青春だね~」
「若いって山吹も同い年だろ」
「あっ、そうだね!! いっけねぇ、すっかり忘れていたよ~」
「……クラスメイトを忘れるなよ」
ーー山吹若菜
俺と楓と同じクラスの女子生徒。
性格は明るく人懐っこいく、誰ともすぐ仲良くなれる。
その性格のためかあの人付き合いが苦手な楓の唯一の親友と呼べる間柄の人間。
運動は得意な方なのだが勉強はまぁ……察して欲しいぐらいのレベル。
「ところで藤沢さん」
「ほいほい何かね楓ちゃん」
「小テストの勉強はしてきたのかしら?」
「……」
「おい、目線をそらすな藤沢」
「ねぇ知ってる」
「何かしら?」
「なんだ?」
「私は今を生きているの。
ーーだからこの今、一瞬を大事にしたいんだ!!」
腰に手を当てて偉そうに胸を張る藤沢。
……そのポーズが余計にダメっぷりを強調している気がする。
「ダメだこりゃ……」
「えぇ駄目ね」
「2人に同じこと言われた!?
ーーゴメン前言撤回!! 楓ちゃん教えて~~!!」
と楓めがけて抱き着く藤沢。
「きゃあ!? ち、ちょっと危ないわよ藤沢さん」
「あぁ~楓ちゃん柔らかい~ぐへへ~」
抱き着いたまま頭を楓の胸に頭をうずめる藤沢。
男の俺がいる前でそんなことやるなと思うし、周りの生徒からの注目を集めだしている。
……そして楓が俺の方に目線で“助けて”と訴えてきたので俺は助けることにした。
「お前はおっさんか藤沢」
パシッ
「あいたっ……痛たた、乙女に手を上げるなんて酷いわ!!」
「夏樹、助かったわ」
「これぐらい礼には及ばない」
……だがさっきの2人の絡みは中々の眼福ものであったと思う。決していえないが。
「……あれ今一番の悪者って私?」
「「何をいまさら」」
「フォローなし!?」
と俺達は愉快な会話をしながら教室へ向かうのであった。
ーー同じ人を好きになるなんて恋の神様もなんて意地悪いのだろうか。
ーーあの子は私 (あたし)に比べて魅力的なのは分かる。
ーーだけど彼を思う気持ちはあの子に絶対負けない。
ーーこれは奇しくも同じ男子を好きになってしまった2人の女子とその2人の間で心が揺れ動く男子の話である。
朝7:00、俺こと篠原夏樹の1日はいつものことから始まる。
「ほら起きろって楓」
「……あと5分」
「ダメだからな。朝食食べる時間を考えたらそんな時間ない」
「の意地悪……」
「はぁ……投げられたくなければ布団から出ろ」
「はぁい……」
というと眠たそうに布団から出る幼馴染の柚原楓。
冷静に何事もそつなくこなすくせに朝にはとても弱い。
なんなら俺が朝起こさなければ多分昼過ぎまで寝ている可能性がある。
俺はおばさんから許可をもらい毎朝、楓を起こしに行くのが毎日の日課だ。
「待たせたわね夏樹」
背筋をピシッと伸ばし起きた時には寝癖が酷かった髪も、しっかりと整えて家から出てくる楓。
「……本当に30分前とは大違いだよなお前」
この姿をだけを見れば学校で優等生と言われるのも分からなくもない。だが、俺はあの姿をを見慣れているので学校の奴らのように騙されない。
「あら、私はこれが普通よ。私の幼馴染は何を言っているのかしら」
「いやいや30分前まで寝ていたやつが何を言うんだ?」
「貴方しか見ていないのだから大丈夫よ」
「……そういうもんか?」
「そうよ。ほら行きましょ遅刻するわ」
と言うと1人先に歩き出す楓。
「へいへい」
……お前が普通に起きれば遅刻とかいう問題も関係無くなるのだがというツッコミは心のうちにしまっておいて俺も学校に向かうのであった。
ーー柚原楓。
俺の幼馴染である。
スポーツも勉強も平均以上というかそつなくこなす万能人間。
ただ朝起きるのと人付き合いが苦手なぐらいだ。
見た目は幼馴染の贔屓目を抜いても美少女なのだが、学校で話すのは俺ともう1人ぐらいしかいない。
そのもう1人の話せるやつ曰く“なんか知的クールで話しかけずらい”とのこと。
どうやら学校の連中はそう思っているようだが、俺は楓と長い事ずっといるので楓が朝に大変なことになっているのも知っているので何も思わない。
いつものように楓と一緒に話しながら登校していると俺らの学校に着いた。
と言っても俺と楓はクラスも同じなので教室まで一緒だ。
「やっべ……今日小テストじゃん」
「あら忘れていたの? 今日の範囲は難しいわよ」
「うへぇ……まーー」
「ーーおっはよ~~2人とも!!」
と後ろから明るく元気な声が俺らを呼んだ。その声の方を向くとそこにはクラスメイトの山吹若菜がいた。
「山吹か……朝から元気だな」
「何を言っているのさ!! 朝だから元気なの!!」
……その言葉を聞いた瞬間、茜がすっと目を逸らしたのを俺は見逃さなかった。
確かに貴方の場合は目を逸らしたくなりますよね楓さん。
「山吹さんおはよう」
だが楓はそんな事を感じさせないように挨拶を返した。
「おうおう、今日も朝から一緒に登校かいお2人さん。いいね~若いね~青春だね~」
「若いって山吹も同い年だろ」
「あっ、そうだね!! いっけねぇ、すっかり忘れていたよ~」
「……クラスメイトを忘れるなよ」
ーー山吹若菜
俺と楓と同じクラスの女子生徒。
性格は明るく人懐っこいく、誰ともすぐ仲良くなれる。
その性格のためかあの人付き合いが苦手な楓の唯一の親友と呼べる間柄の人間。
運動は得意な方なのだが勉強はまぁ……察して欲しいぐらいのレベル。
「ところで藤沢さん」
「ほいほい何かね楓ちゃん」
「小テストの勉強はしてきたのかしら?」
「……」
「おい、目線をそらすな藤沢」
「ねぇ知ってる」
「何かしら?」
「なんだ?」
「私は今を生きているの。
ーーだからこの今、一瞬を大事にしたいんだ!!」
腰に手を当てて偉そうに胸を張る藤沢。
……そのポーズが余計にダメっぷりを強調している気がする。
「ダメだこりゃ……」
「えぇ駄目ね」
「2人に同じこと言われた!?
ーーゴメン前言撤回!! 楓ちゃん教えて~~!!」
と楓めがけて抱き着く藤沢。
「きゃあ!? ち、ちょっと危ないわよ藤沢さん」
「あぁ~楓ちゃん柔らかい~ぐへへ~」
抱き着いたまま頭を楓の胸に頭をうずめる藤沢。
男の俺がいる前でそんなことやるなと思うし、周りの生徒からの注目を集めだしている。
……そして楓が俺の方に目線で“助けて”と訴えてきたので俺は助けることにした。
「お前はおっさんか藤沢」
パシッ
「あいたっ……痛たた、乙女に手を上げるなんて酷いわ!!」
「夏樹、助かったわ」
「これぐらい礼には及ばない」
……だがさっきの2人の絡みは中々の眼福ものであったと思う。決していえないが。
「……あれ今一番の悪者って私?」
「「何をいまさら」」
「フォローなし!?」
と俺達は愉快な会話をしながら教室へ向かうのであった。
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