極振り夫婦のVRMMO生活
極振り夫婦の水中ダンジョン攻略
あの戦闘から数日後、ログインした俺たちは新たな街を見渡していた。
「これが第二層かー!このゲームが発売してから一ヶ月だけど、50層まであるのにまだ一層しかクリアできてないって、全クリまでは長そうだね……」
ミリアがそう言った。
このゲームは、エンジョイ組と攻略組に分かれている。ちなみに俺たちはエンジョイ組だ。攻略組は本気でゲームを攻略することを目的としてプレイしている人たちのことだ。エンジョイ組は楽しむことを目的としてプレイしている人たちのことだ。誰かがラスボスダンジョンをクリアすると、その層はクリアとなり、次の層へ移動できるようになる。勿論、いつでも一層へ戻ることはできるし、ラスボスダンジョンなど誰かがすでにクリアしたダンジョンは、誰でも何度でも挑戦できる。
それにしても、発売一ヶ月でまだ第一層しかクリアできていないなんて、難易度が高いな……。
「そうだな……。結構高めに難易度設定されてるんだろうな……」
俺がそう言うと、莉乃がそうだね、と応えた。
第二層は、水の層らしく、街の色は青が基調になっている。街から少し進むと、草原ではなく湖になっていた。
「じゃあ、潜ってきますね」
マイが湖に着くなり、そう言った。
「こういう湖の中に、ダンジョンの入り口が隠されていること多いんですよ」
「なら、俺たちも行くよ。俺とミリアは無限潜水持ってるから。莉乃はまだ潜水名人だけど、一緒に泳いでれば、無限潜水にグレードアップすると思うし」
「私は水中高速移動持ってるので、ダンジョンがあるのかの確認は私が行きます。もし、あったときはみんなで攻略しましょう」
マイにそう言われ、俺は、分かった。気を付けろよ、と応えた。
そしてマイは、ありがとうございます。行ってきます、と応えて湖に潜っていった。
十分ほどたち、マイが湖から出てきた。
「底に少し大きめの岩がありました!おそらく、その岩をどかせばダンジョンの入り口があると思います!」
「よし!じゃあみんなで行こっか!」
ミリアがそう言い、湖に飛び込んだ。それに続いて、莉乃と俺も飛び込む。
湖の中は暗く、一直線に並んで泳いでいるため、一番後ろの俺は先頭のマイの姿はうっすらとしか見えない。
十分ほど泳いでいると、底に着く。マイの言った通り、大きめの岩が不自然に一つだけ置いてあった。
それを、全員で押してどかす。すると、予想通りダンジョンの入り口であろう穴が出てきた。
俺たちは、躊躇せず中へと入っていく。中は狭く、一人分しか幅がない。変わらず、一直線で進み続ける。
二十分ほど泳ぐと、広い空間にでた。すると、今まで泳いできた道が塞がれ、水が抜かれていく。
そして、目の前に青色の鎧のような鱗を身に纏った、巨大なドラゴンが現れ、咆哮した。
ダークドラゴンみたいに喋らないのか?この竜は。
「このドラゴンがダンジョンボスか……。みんな、やるよ!」
ミリアがそう言い、ドラゴンに向かっていく。が、ドラゴンが口から泡沫を飛ばすと、ミリアは少し走るスピードを遅くした。
よし、俺たちもミリアに遅れを取るわけにはいかない!
そう思い、俺も泡沫に当たらないようにしながら、走り出す。
あれ、でも、俺って忍モードにならないと攻撃しても意味なくね?そう考えると、俺って弱いのかもしれない…………。
そんなことを考えていると、ミリアがドラゴンに一撃くらわせた。が、HPバーはほんの少ししか減っていない。
「何こいつ!堅!」
「私なら!」
そう言って莉乃が大剣で斬ったが、ミリアよりは圧倒的に減らせたものの、おお!と反応するほどは減らせなかった。
このドラゴン、どんだけ~堅いんだ!
おっと、得意のモノマネをしてふざけている場合じゃない!どこか、刃が通るところがあるはずだ!
「あ!四足歩行だから見えなかったけど、お腹の部分だけ鱗がありません!あそこなら、攻撃が通るかもしれません!」
先に見つけられてしまった……。俺の見せ場は今日もないのか……?
「ここは私に任せてください!考えがあります!」
「エリア変更・水!」
マイはそう言って、地面に手をつけた。すると、次第に部屋が水で満たされいく。
マイは何を考えているんだ?水で満たしてしまったら、ドラゴンが有利になってしまうんじゃないか?
「水棺!」
マイがそう言うと、ドラゴンが水でできた棺のようなものに閉じ込められた。
てか、今思い出したけど、無限潜水持ってると水中でも喋れるんだった……。
すると、ものすごい速さで水の棺に下から突っ込んでいく。そして、そのまま棺に入り、上から出てきた。
ド、ドラゴンを閉じ込めて貫通した!スゲェカッコいい!
水の棺が消えると、ドラゴンは消えていた。少しすると、部屋の水が無くなった。
「すごいよ!マイちゃん!」
莉乃が目を輝かせながら言うと、マイは嬉しそうに笑った。そして、
「私も、ついにスペシャルスキル習得できました!パーティーの中で私だけ持ってなかったんで、すごい嬉しいです!」
と言って、青いパネルを表示した。
《新獲得スキル説明:リヴァイアサンの力を授かりし者》
スキル、《エリア変更・水》、《水中高速移動》、《水属性》を持っていてさらに、水の魔法を五つ以上獲得していること。《エリア変更・水》を発動し、ボス級のドラゴン系モンスターにとどめを刺すことの二つの条件を満たすことによって、獲得できる。全MPを消費するかわり、ドラゴンモードになれる。ドラゴンモード中は、自身のAGIが+100され、水の魔法が強化される。さらに、飛行可能になる。ただし、ドラゴンモードは一日一度、一時間しか使えない。
「見てください!このカッコいい装備!」
そう言うマイを見てみると、スペシャルスキルを獲得したことによって貰える装備を身にまとっていた。
堅そうな鱗が付いているが、動きやすそうだ。色は、青一色でシンプルなデザインだ。
「似合ってるよ!マイ!」
ミリアが褒めると、ありがとうございます!と嬉しそうに応えた。
「じゃあ、帰ろっか!」
その後、俺たちは街に戻り、ログアウトした。
「裕樹君!見て!二回目のイベントの情報が出たよ!」
ログアウトするやいなや、莉乃がスマートフォンの画面を見せてきた。そこには、剣士の頂点を決める一対一トーナメント開催!と書かれている。開催日は、明日だ。
「今回のイベントは、攻撃系のスキルを使うのが禁止の一対一トーナメントだよ!勿論、参加するよね!?」
「俺は、やめておくよ。忍を発動できないんじゃあ、ATKがゼロだから勝てないから……」
そう、俺はATKがゼロなのでいつまでも相手を倒せない状態に陥ってしまう。それどころか、粘って粘って少しずつ削ったとしても、一発攻撃をくらってしまえばDEFもゼロなので、即死だ。………………あれ?俺って弱いのか?
「そっかあ、残念だなぁ……。裕樹君と戦えると思ってたのに……」
「もしかしたら、マイは参加するんじゃないか?」
「確かに!フレンドチャットで聞いてみよ!」
そう言うと、莉乃はスマートフォンをいじり始めた。数分後、スマートフォンから顔を上げた。
「マイちゃん、参加するって!勝てるかなぁ……」
「マイのプレイスキルは半端ないからな……。でも、莉乃なら勝てるさ。頑張れよ!」
「うん!ありがとう!」
二回目のイベントか……。俺とミリアは観戦だが、楽しみだ。仲間にしたい人も、見つかるかもしれない。もしもう一人仲間を増やすんだったら、男がいいな……。同性の話し相手が欲しい……。
「これが第二層かー!このゲームが発売してから一ヶ月だけど、50層まであるのにまだ一層しかクリアできてないって、全クリまでは長そうだね……」
ミリアがそう言った。
このゲームは、エンジョイ組と攻略組に分かれている。ちなみに俺たちはエンジョイ組だ。攻略組は本気でゲームを攻略することを目的としてプレイしている人たちのことだ。エンジョイ組は楽しむことを目的としてプレイしている人たちのことだ。誰かがラスボスダンジョンをクリアすると、その層はクリアとなり、次の層へ移動できるようになる。勿論、いつでも一層へ戻ることはできるし、ラスボスダンジョンなど誰かがすでにクリアしたダンジョンは、誰でも何度でも挑戦できる。
それにしても、発売一ヶ月でまだ第一層しかクリアできていないなんて、難易度が高いな……。
「そうだな……。結構高めに難易度設定されてるんだろうな……」
俺がそう言うと、莉乃がそうだね、と応えた。
第二層は、水の層らしく、街の色は青が基調になっている。街から少し進むと、草原ではなく湖になっていた。
「じゃあ、潜ってきますね」
マイが湖に着くなり、そう言った。
「こういう湖の中に、ダンジョンの入り口が隠されていること多いんですよ」
「なら、俺たちも行くよ。俺とミリアは無限潜水持ってるから。莉乃はまだ潜水名人だけど、一緒に泳いでれば、無限潜水にグレードアップすると思うし」
「私は水中高速移動持ってるので、ダンジョンがあるのかの確認は私が行きます。もし、あったときはみんなで攻略しましょう」
マイにそう言われ、俺は、分かった。気を付けろよ、と応えた。
そしてマイは、ありがとうございます。行ってきます、と応えて湖に潜っていった。
十分ほどたち、マイが湖から出てきた。
「底に少し大きめの岩がありました!おそらく、その岩をどかせばダンジョンの入り口があると思います!」
「よし!じゃあみんなで行こっか!」
ミリアがそう言い、湖に飛び込んだ。それに続いて、莉乃と俺も飛び込む。
湖の中は暗く、一直線に並んで泳いでいるため、一番後ろの俺は先頭のマイの姿はうっすらとしか見えない。
十分ほど泳いでいると、底に着く。マイの言った通り、大きめの岩が不自然に一つだけ置いてあった。
それを、全員で押してどかす。すると、予想通りダンジョンの入り口であろう穴が出てきた。
俺たちは、躊躇せず中へと入っていく。中は狭く、一人分しか幅がない。変わらず、一直線で進み続ける。
二十分ほど泳ぐと、広い空間にでた。すると、今まで泳いできた道が塞がれ、水が抜かれていく。
そして、目の前に青色の鎧のような鱗を身に纏った、巨大なドラゴンが現れ、咆哮した。
ダークドラゴンみたいに喋らないのか?この竜は。
「このドラゴンがダンジョンボスか……。みんな、やるよ!」
ミリアがそう言い、ドラゴンに向かっていく。が、ドラゴンが口から泡沫を飛ばすと、ミリアは少し走るスピードを遅くした。
よし、俺たちもミリアに遅れを取るわけにはいかない!
そう思い、俺も泡沫に当たらないようにしながら、走り出す。
あれ、でも、俺って忍モードにならないと攻撃しても意味なくね?そう考えると、俺って弱いのかもしれない…………。
そんなことを考えていると、ミリアがドラゴンに一撃くらわせた。が、HPバーはほんの少ししか減っていない。
「何こいつ!堅!」
「私なら!」
そう言って莉乃が大剣で斬ったが、ミリアよりは圧倒的に減らせたものの、おお!と反応するほどは減らせなかった。
このドラゴン、どんだけ~堅いんだ!
おっと、得意のモノマネをしてふざけている場合じゃない!どこか、刃が通るところがあるはずだ!
「あ!四足歩行だから見えなかったけど、お腹の部分だけ鱗がありません!あそこなら、攻撃が通るかもしれません!」
先に見つけられてしまった……。俺の見せ場は今日もないのか……?
「ここは私に任せてください!考えがあります!」
「エリア変更・水!」
マイはそう言って、地面に手をつけた。すると、次第に部屋が水で満たされいく。
マイは何を考えているんだ?水で満たしてしまったら、ドラゴンが有利になってしまうんじゃないか?
「水棺!」
マイがそう言うと、ドラゴンが水でできた棺のようなものに閉じ込められた。
てか、今思い出したけど、無限潜水持ってると水中でも喋れるんだった……。
すると、ものすごい速さで水の棺に下から突っ込んでいく。そして、そのまま棺に入り、上から出てきた。
ド、ドラゴンを閉じ込めて貫通した!スゲェカッコいい!
水の棺が消えると、ドラゴンは消えていた。少しすると、部屋の水が無くなった。
「すごいよ!マイちゃん!」
莉乃が目を輝かせながら言うと、マイは嬉しそうに笑った。そして、
「私も、ついにスペシャルスキル習得できました!パーティーの中で私だけ持ってなかったんで、すごい嬉しいです!」
と言って、青いパネルを表示した。
《新獲得スキル説明:リヴァイアサンの力を授かりし者》
スキル、《エリア変更・水》、《水中高速移動》、《水属性》を持っていてさらに、水の魔法を五つ以上獲得していること。《エリア変更・水》を発動し、ボス級のドラゴン系モンスターにとどめを刺すことの二つの条件を満たすことによって、獲得できる。全MPを消費するかわり、ドラゴンモードになれる。ドラゴンモード中は、自身のAGIが+100され、水の魔法が強化される。さらに、飛行可能になる。ただし、ドラゴンモードは一日一度、一時間しか使えない。
「見てください!このカッコいい装備!」
そう言うマイを見てみると、スペシャルスキルを獲得したことによって貰える装備を身にまとっていた。
堅そうな鱗が付いているが、動きやすそうだ。色は、青一色でシンプルなデザインだ。
「似合ってるよ!マイ!」
ミリアが褒めると、ありがとうございます!と嬉しそうに応えた。
「じゃあ、帰ろっか!」
その後、俺たちは街に戻り、ログアウトした。
「裕樹君!見て!二回目のイベントの情報が出たよ!」
ログアウトするやいなや、莉乃がスマートフォンの画面を見せてきた。そこには、剣士の頂点を決める一対一トーナメント開催!と書かれている。開催日は、明日だ。
「今回のイベントは、攻撃系のスキルを使うのが禁止の一対一トーナメントだよ!勿論、参加するよね!?」
「俺は、やめておくよ。忍を発動できないんじゃあ、ATKがゼロだから勝てないから……」
そう、俺はATKがゼロなのでいつまでも相手を倒せない状態に陥ってしまう。それどころか、粘って粘って少しずつ削ったとしても、一発攻撃をくらってしまえばDEFもゼロなので、即死だ。………………あれ?俺って弱いのか?
「そっかあ、残念だなぁ……。裕樹君と戦えると思ってたのに……」
「もしかしたら、マイは参加するんじゃないか?」
「確かに!フレンドチャットで聞いてみよ!」
そう言うと、莉乃はスマートフォンをいじり始めた。数分後、スマートフォンから顔を上げた。
「マイちゃん、参加するって!勝てるかなぁ……」
「マイのプレイスキルは半端ないからな……。でも、莉乃なら勝てるさ。頑張れよ!」
「うん!ありがとう!」
二回目のイベントか……。俺とミリアは観戦だが、楽しみだ。仲間にしたい人も、見つかるかもしれない。もしもう一人仲間を増やすんだったら、男がいいな……。同性の話し相手が欲しい……。
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