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女神様(比喩)と出会って、人生変わりました

血迷ったトモ

第14話 チュートリアル突破しました

「な、何じゃこりゃあ〜!?」

 家に帰り着いた悠也は、2階にある自室のドアを開け、中に入った瞬間、目に飛び込んできた光景に、思わず大声で叫んでしまう。

「あ、やべ。ご近所さんに、可哀想な子だと思われちまう。」

 幸い、一戸建てのため、そこまで声は響いていない筈だが、嫌な汗をかく悠也。

「さて、これは一体誰が…って、考えるまでも無いか。」

 出かける前までは、何も無かった位置に、どデカい薄型のテレビとデッキ、そしてこれまたどデカいテレビボードに、黒光りするゲーム機本体が設置されていた。

「で、電源は…ここか。」

 死んだ目をしながら、取り敢えず電源をオンにしてみると、とんでもなく画質が良いのが分かった。

「あ〜、これ、今話題の、4Kなんちゃらとかいう、高いやつやんけ〜。凄い綺麗だな〜。って、そうじゃなぁ〜い!!」

 叫びながら、千穂とのチャット画面を開き、コールする。

『はい、もしもし。』

「天戸さん?何か俺の部屋に、テレビとゲーム機が置いてあるんですけど、君の仕業ですか!?」

『えぇ。善は急げ、という事で、さっき搬入してもらいました。初期設定は、全て済んでいます。』

「へ〜、そうですか。ありがとうございます。」

 善意100パーセントの声に、悠也は文句を言う気力が失せてくる。

『ではでは!早速チュートリアルを終わらせて下さい。そうしないと、オンラインで協力プレイが出来ませんから!』

「…了解です。ササッと終わらせますので、少し待ってて下さい。」

ーいつかこのお嬢様には、きっちりみっちりと、常識ってものを叩き込んでやろう…。ー

 心にそう固く誓いながら、テレビの前に座り、悠也はゲームソフトを立ち上げる。

『因みに悠也さんは、このゲームはどれくらい知ってますか?』

「据え置き型の方だと、3代目と4代目を少しやった事があります。携帯型ゲーム機では、2、3、4代目を全クリしてます。」

『なるほど。となると、久し振りにプレイするという事ですか。』

「そうなりますね。まぁでも、一応裸ノー回復縛りで遊んでたと事もあるので、幾分かは動けると思います。」

 雑談をしながら、悠也はキャラを操作し、最短でチュートリアルをクリアしようとする。
 しかし―

「え、何このシステム?俺がやってた時には、こんなん無かったぞ?」

『あ〜、それは最近追加された新要素ですね。』

 ―といった形で、何だかんだ説明をちゃんと受けないと、先に進められなかったので、それなりに時間がかかってしまう。

「よ、ようやく、チュートリアルを突破した…。てか覚える事多すぎだろ。」

 ようやくチュートリアルが終わった悠也は、目頭を揉みながら、伸びをする。

『やっていく内に、自然に覚えられるので大丈夫ですよ。では、オンラインを繋げましょうか。』

「あ、いや、ちょっとお腹すいたので、一旦夕食にしても良いですか?」

 時計を見ると、19時を指していた。
 自宅に戻ったのが、大体15時過ぎなので、実に4時間ぶっ続けでプレイしていたのだ。

『あ、確かにそうですね。では、1時間後に、連絡をしますので、よろしくお願いします。』

「はい、分かりました。じゃあ切りますね。」

 そう言って、通話を切る。そして、床に仰向けに倒れて両手両足を投げ出し、悠也は呟く。

「はぁ、緊張した…。」

 途中、ゲームに夢中になり、千穂の存在を忘れる事もあったが、彼女が声を発する度に、再び緊張するという、なんとも疲れる状態だったのだ。

「兄貴〜、ご飯だってよ。」

 ガチャっと無遠慮にドアを開け放ち、悠也の部屋に入って来たのは、彼の妹の十花とおかである。今年で17歳の、市内の高校の2年生である。

「うわ、びっくりしたな。急に入ってくんなよ。」

「私のチャットを無視するからでしょ?それよりも、早くご飯食べに来て。」

「ん。」

  どうやら通話してたので、十花の呼びかけに、全然気付けないでいたようだ。
 ノロノロと起き上がり、1階のリビングに行き、定位置につく。キッチンでは、由紀が皿に盛り付けしている所だった。

「父さんは?」

「まだ帰ってないよ。」

「そうか。」

 先に座っていた十花と話しつつ、悠也は携帯をいじる。

ーあ〜、圭吾からも何か来てんな。完全に気付かなかった。ま、後で返すか。ー

携帯を机に起き、出来上がった料理を並べ、3人で食卓を囲む。

「そういえば、天戸さんとはあれからどうなったのかしら?」

 由紀から、そんな質問が飛んでくる。

「あ〜、テレビとゲーム機、あとはソフトを貰った。」

「あら、結構高い物を貰ったのね。」

「え、良いな〜!天戸さん?とやらから、そんな物を貰ったの?」

 ちょっと申し訳なさそうにしている由紀と、能天気に羨ましがる十花。
 そんな2人を見て、何故か嬉しそうにする悠也。

「うんうん。それが普通の反応だよな。良かった〜。俺が間違ってる訳じゃ無いんだよな。」

「「?」」

 悠也の謎の言葉に、由紀と十花は首を傾げる。

「ちょっと申し訳ないけど、前々から欲しいと思ってたから、良かったよ。命を張ったかいがあるってもんよ。」

 取り敢えずは、お礼の品が、十数万程度・・に抑えられた事が喜ばしい悠也は、笑いながら、ご飯を口に運ぶ。
 彼にはこれから、数多の気苦労が待ち受けているとは、欠片も知らずに…。

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