感情を覚えた令嬢

パンデミック

高等部での出会い

学園に入学して数年が経つ。



高等部、周りの生徒達も、令嬢も心身ともに成長してきていた。背は大きく伸びて、可愛かったその顔も、美しく、大人へと成長して言った。



高等部の入学式から1ヶ月程が経つある日、噂を耳にする。



王子や宰相の息子、伯爵子息、学園でも有名な子息達の周りを彷徨いている男爵令嬢が居るという噂。



令嬢も初めは信じてはいなかった、ここは優秀な貴族達が多く通う学校。貴族は教育に関して厳しいのに、そんな無礼な令嬢がいるものかと。



学園が平等だからと言って身分の高い者に気軽に話しかけるなどあってはならない。学園は平等だが、貴族として礼儀は大切にしなければならない。



貴族なら何処であろうとマナーは大切なのだ。



そう思っていた、そう、自分で見るまでは。



婚約者の王子が、令嬢にいつも甘く、優しかった婚約者が見知らぬ女に笑顔を向けていた。



令嬢が見たことも無い優しい笑顔、花がふわりと浮かぶ様な甘い笑顔。



なぜそんな顔を向けるのか令嬢には理解できなかった、分かりたくもなかった。



人形令嬢、気味が悪い、そんな言葉を吐かれても何も感じなかった、なのに、婚約者が別の女に優しい笑顔を向けているだけでこんなにも胸が苦しくなるとは思わなかった。



好きだったのに、大好きだったのに、気持ちを分かってくれなくてもただ、婚約者のために頑張ろうって思えてた。



なのになんで

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