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シスコンの兄、ブラコンの妹、学園に通う!?~国王に協調性を身に付けろとか言われて学園に通うことになりました~

白い彼岸花

7話

 任務の日から一週間後、俺達は城へと来ていた。
三日くらい前に王室から手紙が届いたのだ。

「久しいのぉ。咲夜、紫苑。」

案内された部屋へ入ると、国王が俺達を出迎えた。

国王以外、護衛も誰もいない。

「久しぶり……おじいちゃん。」

「久しいなじぃさん。でも、護衛もつけないでいいのか。もしかしたら、俺達はお前を殺すかもしれないんだぞ。」

俺がそう脅すと、じぃさんは怖い怖いと笑った。
絶対に思ってない奴の笑い声だ。

「ふぉっふぉっ。お前さんたちはそんな事しないじゃろう?恩を仇で返すなんて子達ではなかったはずじゃ。それに、ゆっくり話がしたかったんじゃよ。」

「そうか。まぁ、俺達もあんたに危害を加えるつもりはない。紫苑に危害を加えるとかって話なら別だがな。」

「咲夜、そちのシスコンは相変わらずじゃな。」

 別にいいんだよ。妹を愛することが悪いはずがない。絶対に。

「うっせ。それよりもなんの用だ。」

「先日、お前たちが倒したスパイダーじゃが、調べてみると吸血鬼(ヴァンパイア)の仕業だとわかったんじゃ。」

 ヴァンパイアは自分の血を与えたものや闇のものを眷属(けんぞく)とし、操る種族だ。
太陽の日に弱く、朝や昼は外に出ることはできない。


「じゃあ、今回のスパイダーは吸血鬼の眷属か?」

「いや、眷属ではなかったようじゃが、あのスパイダーにも微量な血が混ざっておった。」

 じゃあ、あのスパイダーは操られていたわけじゃなくで自分の意思で行動してたのか。
それならあんなにも大きかったのにも、強かったのにも納得がいく。

「それで、その任務のときの話なんじゃが、戦闘中に離れた場所で協力もせず弁当を食べていたというのは本当か?」

「い、いやそれは……でも、一応最後は協力したし……。な!紫苑。」

 俺が聞くと、紫苑は激しく首を縦に何度も振る。
千冬様め……余計なことを話しやがって。 

「しかし、それまではなんの協力もしなかったのじゃろ?」

 にこやかな笑顔で国王が聞いてくる。
その笑顔が怖い。

「大丈夫じゃ。全部死亡者数が真実を語っておる。お前たちが協力しておればゼロ人のはずの死亡者が、三十七人じゃからな。」

やばいやばい……!

このままだと前と同じように水道が使えなくなってしまう。

少し前にもこんなことがあり、水道がつかえなくなった。
川まで行って水を汲んでくるのはまだいい。
やばかったのは風呂だ。風呂の水も全部出なくなってしまったせいで、寒い三月に、川で死にそうになりながら水浴びをした。

手や足が凍ってしまうんじゃないかと思うくらいやばかった。
こんなことなら、まだお金を取られたほうがいいと思うくらいだ。

「じゃから、いつまで経っても協調性が身につかないお前らを蝶白学園に通わせることにした。」

「は?」

今、学園って言ったか?
学園ってあの、勉強とかしたりする?

「学園で協調性をしっかりと身に着けてこい。」

「いやいやいや、は?嘘だろ?」

「私達に……死ねと?冗談、だよね……。」

 対人の能力ゼロ。話しかければ、子供たちにさえ石を投げつけられる俺らが、学園に通う?

「わしは至って真面目じゃ。」

 とうとうこのじじぃ、頭が腐ったんじゃないかと思った。

 まず、問題がある。とても大きな問題が……!!

「俺と紫苑じゃ、同じ学年になれねぇじゃねえか!!」

 一番の問題はここだ。紫苑は十六歳、俺は十八歳。
転校設定だったら、明らかに同じ学年にはなれない。

「その心配はない。この学園は歳は関係なく、優秀なものを入学させている。じゃから、お前達二人共、一緒に一年生からじゃ。」


「いや、俺達は行かないよ?」

「皇老達も賛成しておる。これは命令じゃ。」

 くそ。あの老害どもが。

 もう、行くことは回避できそうにない。
ならば、いかにこちらに有利な条件を取り付けることができるか……。

「わかった。行ってもいいがクラスが紫苑と一緒のことと、もし寮制なら紫苑と一緒にしてくれ。」

 最悪、この二つが整っていればなんとかなる。

「クラスの方はなんとかなるように手配しよう。しかし、寮の方はお前たち次第じゃな。あ、入学式は三日後じゃから、荷物をまとめておくように頼むぞ。」

俺たち次第か。まあなんとかなるだろ。いや、なんとかしてみせる。


「入学試験は?」

「それはこっちの方で手を回しておいたから大丈夫じゃ。さあ、さっさと帰って荷物の準備をせい。」

裏口入学かよ……。


 国王はそれだけいうと、しっしと手を払った。

そしてそのまま俺達は城をあとにした。

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